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第22回映画コンクール 部門賞(一般部門)
「崩れ―大地のいとなみと私たち―」
企画:国土交通省立山砂防事務所、全国治水砂防協会、砂防・地すべり技術センター、砂防フロンティア整備推進機構、斜面防災対策技術協会
制作:同上、NPO法人砂防広報センター 2006年 3月 上映時間 17分
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本作品は子どもたちから大人までの幅の広い年齢層を対象に,「砂防」の入門として制作されている。国土の約70%が山地であり、山々の美しい自然に恵まれた日本。しかしその一方で、大規模な崩壊地が数多く存在し、土砂崩壊や土石流などにより多くの災害を被っていることも事実である。この現状を踏まえ、前半では特に立山カルデラに発する常願寺川の災害の恐ろしさをCGによる迫力ある映像で紹介するなど、一般の方々に砂防事業の必要性を訴えるものとなっている。 全編を繋ぐナレーターとして富山県出身の女優・室井滋を起用し、また後半では、崩壊と直面しなければならない日本の宿命を随筆『崩れ』に記した幸田文を取り上げて紹介している。その幸田文ゆかりの地を訪れる女流作家として、幸田文の孫にあたる青木奈緒を登場させるなど、ソフトな語り口の中にも、作品に凛とした臨場感と説得力を持たせている。 イラストによる説明も大変わかりやすく、昨今地震や、集中豪雨による災害が多発する中、多くの人に防災の重要性について知ってもらうことが大切であり、この作品はそのことを訴えるのにまことにうってつけの秀作といえよう。なお、住民や技術者の生の声を入れるなどさらに充実させられる余地があること、また後半の幸田文を扱った部分については、最後の問いかけの言葉も含め、賛否両論があったが、一般部門賞として多くの方々に視聴してもらいたい作品である。 |
土木学会選定映像
大地との対話- 飛騨トンネル先進坑工事の記録
企画:東海北陸自動車道飛騨トンネル先進坑工事飛島建設・鉄建建設JV
制作:文化映画新社 39分 2007年
本作品は、東海北陸自動車道の最後の未開通区間である飛騨清見IC~白川郷ICに大きい障壁となっている籾糠(もみぬか)山を貫く延長10.7kmの飛騨トンネルの先進坑工事の記録である。本坑に先行してパイロットトンネルの役割を果たす先進坑工事において、TBMの行く手に不良地質層、大規模湧水帯が次々に出現して、史上まれに見る難工事となった。 本作品では、高圧湧水帯におけるTBMの立ち往生、切羽の崩壊等、通常の工事記録映画ではあまり見られない生々しい工事現場の苦闘を表現しており、貴重な映像といえる。土木技術者だけでなく、一般社会人が見て、トンネル工事の難しさを実感してもらうのに良い作品である。
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「海峡をつないだ技術―関門鉄道トンネル開通までの歩み―」
企画:北九州市 監督:西田 英司 制作:(有)写楽 2003年 8月 上映時間 34分
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関門鉄道トンネルは、当時の日本土木技術の総力を結集した金字塔であった。昭和10年に帝国議会で1,612万円の予算案が承認され、トンネルのコースは彦島弟子待(ひこしまでしまつ)から門司小森江(もじこもりえ)に決定された。工事は昭和11年に着工され、昭和17年に下り線(3,614m)、昭和19年に上り線(3,605m)が開通した。 下関と門司を鉄道でつなぐため、軍事上、商業上の安全確保の理由から、当時の土木技術にとっては全くの未知の領域である世界初の海底トンネルが採用された。門司側工事の一部は海底面までの距離が浅く、この工区は200トン余のシールドをジャッキで押し進める、国内初の本格的なシールド工法で施工されることになった。 この作品は、主に技術的な視点から物語風に海底トンネル開通までの歩みを紹介しており、難工事を克服した土木技術者の経験談や貴重な現場の映像が織り込まれている。当時世界に類を見ない海底トンネル工事の歴史を紹介することにより、土木技術を映像により継承する優れた作品として技術映部門賞に選ばれた。 |
土木学会土木技術映像委員会では、土木技術者、学生及び一般市民を対象に土木技術及び土木事業の映像を通した広報活動を行っております。これまでに47回開催し、好評を得ましたイブニングシアターを引き続き今年度も開催いたします。
なお、本上映会は、社団法人全国土木施工管理技士会連合会の継続教育(CPDS)のユニットに加算され、社団法人土木学会の技術者継続教育(CPD)の単位になります。
場所:土木学会講堂(100人)
(社)土木学会事務局 土木技術映像委員会 担当:坂本真至