ようこそイブニングシアターへ
土木学会・第60回記念イブニングシアター
「新春特集 土木技術者の魂である測量技術(水準測量) ・ 新旧鉄道橋梁の技術」
終了いたしました。多くの方々に参加頂きありがとうございました。
【専門家による解説】清水建設(株)技術研究所副所長 鈴木誠氏 |
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竣工時の餘部鉄橋 餘部鉄橋工事写真(リベット打ち) (土木図書館戦前土木絵葉書コレクションより) |
「富士山を測る」
企画:大成建設 制作:さくら映画社 1994年 25分
同作品のワンシーン |
測量実習を生徒に初めて実施させるとき、理論が先か実践が先か、いつも悩むところである。単純作業の繰り返Lの結果で測量精度の善し悪しが出るから手抜きはできないと、口すっぱく話しても、ひと通りの測量が終了してみないと、どこに問題点があったかなどは理解できない。しかし、本映画を観れば初期の段階における測量実習の心構えやチームワークの大切さなどがよく理解でき大いに参考となる。
物語は昔から実施されてきた直接水準測量と,最新測量技術のGPS測量とで,富士山頂の標高を測ることである。 富士山の標高がどのような歴史的流れをしてきたか、資料を見せながら説明していき、富士山が直接水準測量で計測されたことがないことを強調している。また測量技術や器械の進歩が、より精密な測量へと変化していることを見せ、GPS測量については初歩的な説明にとどめている。 山麓の水準点から、1区間20m~30mの高低差を測定し富士山頂に50日間かけて登っていく姿はとても美しく、雲海の風景と相まって感動のシーンが続く。 教育関係機関だけでなく、広く一般の人も十分に楽しめる映画であります。 *TEPIA 第5回ハイテク・ビデオ・コンクール優秀作品賞 |
土木学会選定映像 土木学会第23回映画コンクール 部門賞(一般部門)
「余部鉄橋の記憶」
企画・監修:兵庫県香美町 制作:(株)キャメル 2007年 24分
同作品パッケージより
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土木学会映画コンクール部門賞のうち一般部門賞は、土木事業及び土木技術を一般市民をはじめ広く社会に紹介し、それらに対する関心を高め、理解を深める作品を顕彰するものである。
「余部鉄橋」は1912年(明治45年)に山陰線の小さな村に完成した当時東洋一を誇る大鉄橋であるが、列車転落事故を契機に運行の安全性・定時性を確保するため新橋への架け替えが決定され、現在急ピッチで工事が進められている(*2010年8月12日開通)。 明治後期から大正にかけて行われたルート選定や基礎・橋脚の建設、またその後の錆との絶え間ない闘いとそれを支える橋守の存在、地元の悲願であった餘部駅誕生の経緯などを、当時の設計技師のプロフィールや現場のエピソード、工事記録写真や図面・報告書、新聞記事などで再現するとともに、新駅誕生のニュース映画など地元の方々の当時の映像も取り込んで、ていねいに表現しており、一見淡々とした描写の中に歴史の重みとそれに関わった人々の思いが伝わってくる。 また撮影技術などの工夫により、単なる技術記録映像ではなく日本の重要な近代化遺産を一般にもわかりやすく紹介した作品に仕上がっている。ぜひ多くの一般の方々、そして学童、生徒さんたちにも見てもらいたい作品である。 |
土木学会選定映像
同作品パッケージより
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余部(あまるべ)鉄橋は、1912年に完成したJR山陰本線に架かる我が国最大級のトレッスル式橋脚を有する鉄橋で、土木学会の「近代土木遺産」のAランクに指定されている。しかし、築後100年経過したことによる耐久性の低下、1986年の列車転落事故で強化された風速規制による定時運行阻害等からコンクリート橋への架替が決定された。 本映像は、2007年3月着工後、過酷な自然環境のもと、営業線を運行しながら新橋を構築し、2010年8月12日に新たに生まれ変わるまでの工事の記録である。 特に難工事の地上40m長さ90m、重さ3800tの橋桁を既設鉄橋撤去から移動、回転、中央閉合、レール接合し完成に至るまでの工事記録映像が、設計者、現場所長のインタビューを交えて列車の風景とともに楽しめるなど、理解を深めるための工夫が随所に見られ、技術的価値の高い作品であると同時に一般の方々にも親しみやすい作品となっている。 |