第214回論説・オピニオン(1) 大阪ベイエリアの開発とインフラ、そしてその効果について
論説委員 田中 利光 阪神国際港湾株式会社
第214回論説・オピニオン(2) 考えを深めるツールとしての生成AI
論説委員 大鳥 靖樹 東京都市大学
「鋼構造架設設計施工指針改定」に関する講習会を令和7年3月11日(火)および13日(木)に開催しました。
配布資料について掲載いたします。
新着・お知らせ 添付サイズ 2024架設指針改定資料_配布用.pdf13.38 MB【第30回水工学オンライン連続講演会】
第30回となる今回は,浅枝 隆 先生から「水工”生理学” 」と題して,ご講演をいただきます. 皆様の積極的なご参加お待ちしております.
〇 講演者 :浅枝 隆 先生(埼玉大学 名誉教授)
〇 講演題目:「水工”生理学” 」
〇 講演内容:河川や湖沼の生態系の研究にあたって、近年は、水工学(水理学)でも、生態学の視点からの扱いは盛んに行われています。しかし、これまで水工学(水理学)では、個々の現象解明が研究対象であったり、演繹的な取扱が中心でした。他方、生物学の中でも、生態学と生理学との間には大きな壁が存在しています。生態学の分野では、水工学の支援を得て活気を得ていますが、生理学の分野では、水理学的な手法は非常に利用価値があるにも関わらず、必ずしも十分に利用されているわけではありません。海外ではEcophysiologyといった分野も盛んになっていることもあり、本講演では、そうした取組の必要性について考える機会になればと思います。
〇開催日時:2025年04月23日(水)17時~
〇参加申し込み方法について
以下のURLにある土木学会HP申し込みサイトからお申込みください. 講演会当日お昼までに配信サイトのご案内をいたします.
https://www.jsce.or.jp/events
[水工学オンライン]で検索下さい.
※注意事項:Zoomウェビナーを使用します.
新着・お知らせ
原子力土木委員会幹事団
1.講演会開催情報
日時:2025年1月17日(金)15:00-16:30
場所:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講師:高橋 成実 様(防災科学技術研究所 連携研究フェロー)
演題:「津波観測から即時予測へ 地域実装に向けた取り組み」
概要:これまで海域観測網を用いた津波即時予測システムの開発に取り組み、地域防災に直結する現実的な津波の情報提供を考えてきた。このシステムは、観測した海底水圧データに基づき、津波の到達時刻、津波高、浸水深分布を予測、都度更新するものである。これにより避難所の孤立化や幹線道路のダメージなど、被災状況も推定可能になる。近年、津波の流体力から個々の建物の倒壊判定を通じて津波瓦礫の発生量を評価、漂流分布を可視化して、即時予測化した。一部では、この津波予測を用いた図上訓練も実施され、現実的な地域防災計画の策定にも貢献している。本講演では、これまでの開発と利活用事例を紹介し、様々な利用方法について考えたい。
参加申込者数:242名
2.講演会報告
講演会冒頭で、原子力土木委員会中村委員長より開会の挨拶があり、続いて中島幹事長より高橋氏の経歴が紹介された。
高橋氏の講演では、DONETなどの海域観測網を活用した地域向けの津波即時予測について、津波即時観測から即時予測する方法や、予測結果による防災行動の最適化を実施する一連の流れ、自治体における活用事例等について説明があった。
津波予測システムの観測網を補完するために、多様な観測データの取り込みができる仕組みを目指しており、ブイデータ、ドップラーレーダー、気象庁ケーブルデータ等の取り込みの他、電離圏変動検知研究との連携に取り組んでいることについて説明があった。
今後は、津波による浸水評価のほか、瓦礫の発生・漂流評価、高潮・洪水との複合評価も行える津波被害即時予測システムへと機能拡張し、これらの被害推定に基づく防災行動の最適化の仕組みを構築したいとの説明があった。
最後に、地震発生リスクの評価、広域の地殻活動活発化と地殻内応力変化把握、訓練による防災上の脆弱性の把握、リテラシーの向上、地域防災力の向上について、平時から実施していく必要性について説明があった。
上記の講演に対して以下のQAが行われた。
Q:津波水圧計の話の中で、ノイズ処理に苦労しているとあったが、ノイズ処理をすると津波周期等の情報についてはかなりリアルタイムに取得できるという認識で良いか。また、ノイズを処理したデータのことについても、ご教授いただきたい。
A:津波観測データはリアルタイムで入ってくるが、観測点によりノイズ特性が異なる。浅い場所では波浪の影響等で短周期のノイズが多く、短時間平均では十分にノイズを除去できないことがある。そのような箇所では閾値を上げて対応している。海底設置方法もノイズに影響を与える。DONETでは海底面に設置するが、S-netは水圧計と地震計が同じ供体に入るため温度の影響を受けやすく、高い温度が観測される。埋設型の場合、冷却効果が減少し、1500mより浅い場所では高温を示すことが多い。発熱が津波データに影響を与え、津波の振幅と一致する場合もあれば異なる場合もあり、これが問題となる。実際の観測では、東北地方で何度か津波が観測されており、ノイズ対策として周囲の観測点と比較することで極端な予測を避ける方針である。
Q:2点ある。1点目について、予測の際に断層モデルを複数設定してという発言があったが、断層モデルと海底地すべりの関係についてどのように考えているか。海底地すべりはランダムに発生すると思うが、どのように考慮するのか。2点目について、防災上の話で津波が来る前に揺れによって建物が被害を受ける場合について、どのようにモデルに取り込むのか。
A:1点目について、現在採用している断層モデルは、実際のプレート境界に近い深さのものと、海底から極端に浅い深さのものを含めている。具体的には、海底から5kmという浅いモデルでは、かなり大きな津波が観測される。地すべりが発生するケースでは、この浅い深度のモデルが対応する。地震によって発生した津波と地すべりによって発生した津波を合わせて一つのモデルを統合することは難しいため、異なるモデルを採用しても問題ない方針を取っている。観測点が何らかの津波を観測すれば、それに基づき津波を予測するが、津波の高さがさらに高くなって更新されれば、それに合わせて予測も更新する。 2点目について、このシステムの中では浸水エリアがどこまで行くのかという話にしている。摩擦係数だけで計算するケース、建物を置いて浸水するケースを比較したところ、浸水エリアの計算では、建物の有無で浸水面積に大きな差はないが、浸水速度には影響がある。河川堤防の影響の方が建物の有無より大きい。瓦礫については、地震起因と津波起因を区別して扱うのが理想的であり、技術的には可能であるが、250mメッシュで建物倒壊判定をするには精度向上が課題となる。個人情報や細かいグリッド計算の問題もあり、技術的課題と計算資源のバランスも考慮しながら今後検討する。
Q:利用している自治体として千葉県や和歌山県が例として挙げられていたが、開発されたシステムを使っている自治体はどれくらいか。また、利用ユーザーはどれくらいか。
A:運用方針については、すべての予測情報を運用するのではなく、ユーザーが必要な範囲で選択的に行う方針である。予測情報を第三者に提供する場合は、気象業務法に基づく許可申請が必要であり、防災科研は現状対応していない。和歌山県、三重県、千葉県では、県が予測情報を作成し、気象業務許可を得て、市町村へ流す運用を行っている。民間企業では自社内利用に問題はなく、中部電力浜岡原子力発電所の事例がある。また、香川県では地域運用を目指し研究や訓練を進めており、将来的な実装を視野に入れている。
Q:新たな海水面の変動を測定するブイの話があったが、これは今運用されているGPS波浪計と異なり、沿岸からかなり離れても観測できるという特徴があるのか。また、多様なデータの取りこみ・活用の話があったが、GPS波浪計のデータの取り込みも実施もしくは検討されているのか。
A:津波検知には到達時間と防災対策の時間を考慮する必要があるため、沿岸近く(海岸から約20km)に設置されるGPS波浪計よりも沖合で計測可能なブイによる観測を検討している。検知方法として、海底での計測やGPSによる波高(水位)観測が挙げられ、海底では波高(水位)データを音波で転送する技術が成功している。一方で、南海トラフ周辺では黒潮の速い流れによるブイの流失や沈みこみによる機器水没のリスクが課題となっているため、ブイの係留方法を改良している。津波の観測方法には、GPSで海面高を測定する方法もあるが、波浪による揺れで測定誤差が大きい課題が新たに浮上している。現在は海底装置からブイ、衛星へと海底水圧データを転送するところまで成功している。GPS波浪計の組み込みは可能だが、ノイズ特性の調査がまず必要である。また、ブイデータのほかにも、気象庁から発表される緊急地震速報も断層モデルの絞り込みに使えると考えている。沿岸に設置されている潮位情報も使用するようにシステムには組み込まれている。
Q:津波の避難訓練について、具体的にいくつかの津波の中からどのケースを選定して訓練を実施するかの判断は、自治体が実施するのか。全てのケースに対応することは難しいため、訓練に用いる津波の選定への関わり方について、ご教授願いたい。
A:図上訓練では、最も高い津波を想定し、最悪の被害ケースを基に訓練を実施する。訓練用データは、内閣府が想定するマグニチュード9クラスの11ケースに加え、他の研究者が提供するデータも使用している。訓練は、自治体の決定に従い、津波規模に応じた指示を出す形式で進行する。
Q:いま最も取り込みに力を入れているデータは何か。
A:リアルタイムデータの取得が最も難しい面がある。予測の精度向上のためには、断層の絞り込みが重要なポイントになるが、電離圏情報を使うことも考えている。また、陸域の地殻変動が浸水域の拡がりに大きく影響するため、この地殻変動を適切に考慮する必要がある。海底地震計のデータで隆起・沈降は上下方向の変位で観測されるため、海域での地殻変動の有無を断層モデル絞り込みに取り込んでいる。海底には傾斜があり、横方向に動いたケースでも上下に動いたように観測される場合もあるため、地殻変動の陸上観測点データの取り込みがリアルタイム伝送の改善に有効と考えている。
写真1 ご講演いただく高橋成実様
写真2 オンラインでのご講演の様子
以上
委員会からのお知らせ新着・お知らせ 添付サイズ 20250117_原子力土木委員会公開講演会実施報告.pdf607.22 KB日本森林学会・日本木材学会・土木学会による「土木における木材の利用拡大に関する横断的研究会(委員長:桃原郁夫 森林総合研究所)」及び「土木学会木材工学委員会(委員長:吉田雅穂 福井工業高等専門学校教授)」は,木材供給側である森林や木材の専門家と連携し,気候変動緩和策・適応策への貢献という同一の視点で土木分野における木材の利用拡大の推進を図るとともに,土木材料に木材を利用した場合の環境的評価や工学的な研究を推進しています.
これらの活動が実を結びつつある中,伐期を過ぎた森林の管理や木材の利用促進の妨げとなりつつあるのが木材輸送に関する懸念の増大です.2024年にトラックドライバーの労働時間の管理が厳格化されたことやドライバーの高齢化などにより,今後はこれまで以上に木材輸送を効率化し,木材を必要とする場所・時間に適切に届けるシステムを構築していく必要があります.そこで,元林野庁職員として林業や木材産業の特性を熟知し,現在は「ノースジャパン素材流通協同組合」理事長として東北地方を中心とした木材流通の現場で活躍されている鈴木信哉氏を本年度の木材利用シンポジウム特別講演にお招きし,「国産材時代の象徴丸太輸送トラック」と題するテーマの下,木材流通における現状と課題,さらには今後の展望についてお話いただく予定です.
鈴木氏のご講演に併せ,土木分野における木材利用促進に向け活動している土木学会木材工学委員会の各小委員会よりそれぞれの活動についてご紹介させていただく予定となっております.
本シンポジウムは,会場及びオンライン併用で行います.参加無料となっておりますので皆さま奮ってご参加下さい.
主催:土木における木材の利用拡大に関する横断的研究会,公益社団法人土木学会(担当:木材工学委員会)
共催(予定含む):一般社団法人日本森林学会,一般社団法人日本木材学会
後援(予定含む):林野庁,公益社団法人砂防学会,公益社団法人日本木材加工技術協会,公益社団法人日本木材保存協会,一般社団法人木橋技術協会,公益社団法人地盤工学会,一般社団法人日本森林技術協会
日時:2025年5月19日(月)13:20~17:00
会場:土木学会講堂及びzoomによるオンライン開催
参加費:無料(ただし,参加人数把握のため,会場参加・オンライン参加に関わらず事前申込制とさせていただきます.懇親会参加希望者は,当日会場で参加費をお支払い下さい.)
事前申込はこちらから(https://www.jsce.or.jp/events)
※オンライン参加と講堂参加の区分にご注意の上お申し込みをお願いいたします.
CPD:土木学会CPD認定プログラム(2.7単位(予定)),森林分野CPD認定プログラム(CPD量:3.5(予定))
※受講証明書の発行方法はZoomURLの配信メールに記載しております.
プログラム(予定) ※一部内容について変更する場合があります.
司会 木村礼夫 木材工学委員会幹事長
13:20~13:30 開会挨拶 桃原郁夫 横断的研究会委員長
・連絡先
公益社団法人土木学会 研究事業課 飯野実
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目(外濠公園内)
TEL:03-3355-3559 / FAX:03-5379-0125
E-mail minoru@jsce.or.jp
・お問合せ
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 桃原 郁夫
E-mail:momohara@ffpri.affrc.go.jp
シンポジウム報文集:ダウンロードの準備ができました。
本ページの↓にあるリンクからダウンロードして,別途ご案内するパスワードでご覧ください。
新着・お知らせ 添付サイズ 暑中コンシンポジウム報文集_ver.3.pdf7.23 MB「橋ものがたり」の連載で地元の橋を紹介している新聞記者の鈴木さん、「やっぱし橋が好き」のコーナーで世界を含めた200橋以上の橋の魅力を紹介しているラジオDJの尾上さん。市民目線から橋の魅力を存分に語っていただきます。 「橋のある風景...そこに愛はあるのか...」 橋にゆかりにある方々に土木以外の目線から広く橋の魅力を語っていただき、社会における橋への多様な役割や期待を伝えていきます。そして、100年残る風景を造る私たち橋梁エンジニアが市民に愛される橋を創造していくためのアクションにつながることを期待しています。
【 エピソード3】 [テーマ] メディアが伝える橋の魅力とは-市民目線のインフラの魅力を考える-
[出演者]
ゲスト:鈴木 雅之さん(神戸新聞社 記者)
ゲスト:尾上 さとこさん(FM COCOLO DJ)
ナビゲーター:杉山 裕樹さん(阪神高速先進技術研究所)
司会:永元 直樹さん(三井住友建設)
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新着・お知らせ2024会長PJ-ひろがる仕事の風景プロジェクトひろがるインフラWGIntroduction
Japan Society of Civil Engineers, International Activities Center (IAC) is holding “Joint Company Information Session 2025” on May 10, 2025. The purpose of the session is to provide international students with information on Japanese construction companies.
This consists of 1) Opening Session 2) Company Sessions 3) “Senpai ” Sessions.
In the Company Session, you will meet company's representatives and get information about their company. You may directly ask about their business, projects, latest technologies, and further job opportunities.
In the “Senpai” Session, you will meet “Senpai” engineers and may ask them about their experiences, challenges, and how did they get a job in Japan.
We look forward to your participation.
Program
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☆Registration Deadline :April 21 at 5:00 p.m.
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