Menyelamatkan Diri dari TSUNAMI
PT. Sarana Komunikasi Utama 2009 (インドネシア語版)
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本書はインド洋大津波の後,日本の三陸海岸,奥尻島の津波被害などを交えて,津波の被害例の報告,各種構造物の被災形態,津波対策をとりまとめた和文原著“Tsunami”の翻訳書であり,海外へ広く情報を発信するため英語とインドネシア語で翻訳されている.我が国の第一線で活躍している津波・防災の専門家によって,津波から生き延びるための知識が,一般の人にも分かりやすいように記されている. 英語版は2編構成(インドネシア語版は第一編のみ)で,第一編では過去の被災事例から学んだ教訓と生き延びるために必要な津波の科学的な基礎知識,津波に対するソフトやハード対策の重要性とその効果について述べられている.津波についてさらに知識を深めたいと思う人に対して,第二編では,沿岸部における津波の挙動特性や予測技術が述べられており,読み応えのある教科書的な内容となっている. インド洋大津波では,住民などが津波について正確な情報と科学的な知識を持っていなかったため,30万人にも達する人々が犠牲となった.世界中の多くの人々に,津波被害を軽減するために津波の科学的知識を伝えることを目的として執筆・翻訳された本書は,我が国の土木工学・土木技術を世界へ発信するだけでなく,今後の国際的な津波被害の軽減に貢献するものと期待される. よって本書を高く評価し,ここに土木学会出版文化賞を贈呈する. |