講談社 2002年11月7日初版発行
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旧国鉄士幌線の一部として昭和初期に建設されたタウシュベツ川橋梁は、戦後の電源開発によってダム湖に沈み、以後渇水期のみその全容を現わす幻の橋となった。著者は年々朽ちていくこの橋に魅せられ、おそらく多大な苦労もいとわず、その姿を数々の美しい写真に収めた。 本書には、常に大自然や悠久の時の流れと対峙する土木の営為の本質が叙情的に表現されており、一般読者に対して、自然と人間の営み、その成果としての土木構造物という存在について、さまざまな感銘を与えるであろうことは、疑うべくもない。また、美しい寄稿とわかりやすい解説が本書の質をより高めている。 以上により本書を高く評価し、平成14年度土木学会出版文化賞を贈ります。 |