委員会が依頼した論説委員以外の識者が執筆する。
加藤琢二 ジャンボフェリー株式会社
最近、観光資源としての瀬戸内海がよく話題となる。しかし、風景の美しさだけで人を呼び込むことはできない。歴史的、文化的なストーリーづくりが大事ではないか。その昔、瀬戸内海は日本の大動脈の一つ。そこに浮かぶ島々では各地の情報や文化が交差していた。旅を通じて島々に残る独特の文化や歴史を知っていただければ、交通ネットワークが果たす社会的な役割を改めて実感してもらえるのではないか。 (2018年7月版) 第134回論説・オピニオン(2) 瀬戸の島々と神戸
小泉淑子 シティユーワ法律事務所 弁護士
国際建設プロジェクト関与者にとって必須のFIDIC約款が18年ぶりに大幅に改訂された。2017年12月に発行された改訂版は特に、クレームや紛争をまず話し合いによって解決することを推奨し、そのための手続きに多くの頁をさいている。これは永く和解文化がしみ込んでいる我々に強い自信を与えるものである。 (2018年3月版) 第130回論説(2) 国際建設契約の難しさ -FIDIC約款の改訂と日本の紛争解決文化-
伊藤毅 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
都市建築史を専攻する筆者からみると、建築―都市―土木は一体的なものとして理解できる。東京大学GCOEでの諸活動を通して、その事実はさらに確信されることになった。 また2011年の東日本大震災のあと、わたくしは「危機と都市」というテーマを考え続けたが、その思考もまた、建築―都市―土木を一体的なものとして連関させることが重要であることにつながっていった(伊藤毅他編著『危機と都市』左右社、2017年)。本稿では、広い視野から各領域の専門性を連携させていく意義を述べたい。 (2017年11月版) 第126回論説・オピニオン(2) 建築と土木をつなぐ愉しみ-学連携の意義
湧川勝己 一財)国土技術研究センター 京都大学防災研究所巨大災害研究センター
今後発生が予想されている巨大災害は、経済成長率が低く、高齢者人口が増加しているなど社会・経済の脆弱性が高まっているわが国に大きな負のインパクトを与える可能性が高い。災害の影響を最小限に抑える気候変動適応策の展開方策について実効的な検討を行い、早期の展開を図る必要がある。 (2017年7月版) 第122回論説・オピニオン(2) 将来の変化に対応する治水適応策の早期実施・展開を
福和伸夫 名古屋大学 減災連携研究センター
国難とも言われる南海トラフ地震。困難な時代の中、この災害を克服し、未来の子供たちに社会を継承することが我々の責務である。見たくない現実を直視して、現代社会を俯瞰的に点検し、致命的な災害病巣を治癒・切除する必要がある。「地」に根付き、新たな価値観で「地」の力を醸成し、自律・分散・協調型社会を実現したい。 (2017年4月版) 第119回論説・オピニオン(2) 「地」を大切に「克災」し「減災ルネサンス」で未来を拓く
最近のコメント