論説委員兼幹事長 中井 祐 東京大学 大学院工学系研究科社会基盤学専攻
急速に少子高齢化・人口減少が予想される東北被災地の復興においては、防災の観点に加えて、日常的な町の活気やコミュニティ維持の観点から、市街地を集約・凝縮する方向での土地利用計画が重要である。防潮堤のありかたも、市民の日常を支える市街地のありうべき将来像をもとに、検証される必要がある。 (2011年11月版) 第54回論説(2) 都市計画・まちづくりと防潮堤
磯部 雅彦 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授
東北地方太平洋沖地震津波に対する復旧・復興を急がなければならない。その際、最大クラス津波に対しても人命を保護し、それより頻度高く発生する設計津波に対しては人命・財産(生活、産業、国土)を保護するという方針が適切である。特に、新たな概念である前者を実現するためには、避難施設等のハード整備と、適切な情報伝達が重要である。 (2011年10月版)
第53回論説(1) 東北地方太平洋沖地震津波後の津波防災のあり方
阪田 憲次 岡山大学 名誉教授
東日本大震災は、土木技術の今後のあり方について、様々な問題提起を行った。本文では、土木技術へのホリスティックアプローチの必要性について論述する。すなわち、個々の技術の最適化が総体としての土木技術の最適化に繋がると考えるのではなく、土木技術の包括的、全体的な目的あるいは意義である「人々のいのちと生活をまもる」ならびに「安全・安心社会の構築」というフレームの中で、要素技術を考えるというアプローチである。 (2011年10月版) 第53回論説(2) 青頭巾
論説委員 島津 翔 日経BP社 日経コンストラクション編集部
失墜した土木の信頼を回復するための策を考えたい。従来どおりのイメージアップ戦略で知恵を絞ることも必要だが、今求められている土木の役割を根本的に考えることから信頼回復のヒントを得る。国策のための土木ではなく、市民に寄り添う土木の在り方とは。 (2011年9月版) 第52回論説(1) 信頼回復に必要なのは「国家土木」ではなく「市民土木」
木村 亮 京都大学大学院工学研究科
「人々の暮らしを豊かにし、人々の暮らしを守ること」を胸を張り行動できる実行力と心意気が、土木技術者の原点であると考える。迷える土木技術者は少し無理をしてでも社会基盤の無いところに身を置き、土木の存在価値を見つめ直し心意気を鍛え、感謝の気持ちの薄れた市民と対峙すべきである。 (2011年9月版) 第52回論説(2) 土木技術者の原点
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