論説委員が執筆する。
論説委員 辻本 哲郎 名古屋大学 大学院工学研究科社会基盤工学専攻 教授
東日本大震災では地震・津波の圧倒的な外力にその「怖さ」を思い知った。災害は地震・津波に限らない。ゼロメートル地帯の高潮・洪水災害ではしっかり「備える」ことで「怖くない」レベルに到達できる。その鍵は、発災前の大人数広域避難。気象予測の発達はリードタイムを長くし、危機回避行動の枠組化、実行化が課題となっている。 (2011年7月版) 第50回論説(2) 広域大規模水害に備える
論説委員 道奥 康治 神戸大学 大学院工学研究科市民工学専攻
土木技術者を目指す若者は減少し技術の品質確保を脅かしている。市民参加やPPPなど社会基盤事業の主体が多様化する今後。技術者人材の確保だけではなくスマートな意思決定者としての国民を養成するためにも理数科離れを抑止しなければならない。理数科教育に対して土木技術者がなすべきことは何か? (2011年6月版) 第49回論説(1) 理数科離れに対する土木分野からの視点
論説委員 原 恒雄 人事院
「脱官僚」、「政治主導」が政治課題として取りあげられている。もともと政治主導を前提とした現行制度の下で「政治主導」が課題になるということは、現行の政治が「政治主導」を果たせず「官僚依存」になっていることの裏返しである。「官」の実質的な役目は極めて重い、「官」として社会資本整備等にあたる土木技術者は政治に臆することなく専門家として時代の要請に沿ったビジョンを示しその責任を果たして欲しい。 (2011年6月版) 第49回論説(2) 「脱官僚」、「政治主導」そして「大震災」
論説委員 大島 一哉 (株)建設技術研究所
土木構造物の設計瑕疵の発生状況と瑕疵の内容ならびに原因について概観し、瑕疵の防止のために適正な工期の設定など業務改善と照査の強化を論じる。とくに照査については第三者照査とシステムの空洞化防止を訴えるとともに、ダム基本設計会議にならった設計会議の実施を提案する。 (2011年4月版) 第47回論説(1) 設計瑕疵の防止
論説委員 冨岡 征一郎 鹿島建設(株)
建設プロジェクトにおける物づくりの出発点は現場である。現場は教育の場であり、自己啓発の場でもある。しかしながら、最近現場に出たがらない土木技術者が増えつつある。固いチームワークのもと現場運営を支えてきた「現場力」こそが、国際市場の中で日本が誇りうる最大の力と言える。現状を見つめ直し、海外においてこの現場力を高いレベルに維持し、さらに高揚する必要性が高いことを論ずるものである。 (2011年3月版) 第46回論説(1) 国際プロジェクトにこそ求められる現場力
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