社会支援部門は、土木学会の中長期計画である「JSCE2005」に基づき、諸災害時の緊急支援や裁判への専門的知識の提供支援など、社会のクリティカルな問題の解決への専門的・直接的支援を機動的に行うことを目的として設置されました。
特に大災害の緊急対応にあたっては、1995年の阪神淡路大震災の経験に鑑み、国内外を問わず大災害が発生した際に、学識経験者からなる調査団を緊急に派遣し、学術的、技術的見地からメカニズムの解明と防災上の提案を行なう仕組みを創設しております。
近年の多発する災害に対して適切な防災・減災のための解決策を提言するため、国内では平成16年7月の北陸豪雨災害、同年8月の四国豪雨・高潮災害、9月・10月の台風21号・23号災害、同じく10月の台風23号災害、10月の新潟県中越地震災害、平成17年3月の福岡県西方沖地震災害に対して、発災後ただちに災害対策本部を設置し調査団を派遣して、専門的調査を行いました。特に、新潟県中越地震災害については、一次・二次の本部調査団と関東支部調査団を派遣し、それぞれ緊急報告会を実施しています。第二次調査団からは政策等に関する「緊急提言」が行なわれ関係機関への説明を実施致しました。また、平成18年7月の九州南豪雨災害に対しても緊急調査団を派遣しています。
海外では平成16年12月のスマトラ沖地震・津波被害に対して調査団を派遣し、専門的調査を行なうとともに、他の会員によるスマトラ、タイ等他の調査も含めて全体像の把握と適切な提言を行なうため「スマトラ島沖地震、インド洋津波対策特別委員会」を設置し、また合同発表会を行なって学際的、国際的視点からの討議と提言を行なっています。引き続き平成17年4月には防災教育支援チームとニアス島地震応急復旧・復興支援チームを派遣して、復興支援を継続しています。また、平成17年10月のパキスタン地震、平成18年5月のジャワ島中部地震、7月のジャワ島南海沖地震・津波災害に対しても緊急調査団を派遣して、調査を行っています。