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公開講演会実施報告(2024/07/08)

公開講演会(2024年度第2回原子力土木委員会第1部) 実施報告

 

原子力土木委員会幹事団

 

1.講演会開催情報

 

  日時:2024年7月8日(月)13:00-14:30

  場所:オンライン開催(Zoomウェビナー)

  講師:藤原 広行 様(防災科学技術研究所 マルチハザードリスク評価研究部門 部門長)

  演題:「確率論的地震ハザード評価とシナリオ型強震動予測の現状と課題 -不確かさにどう向き合うか-」

  概要:東北地方太平洋沖地震以降も熊本地震や今年元日に発生した能登半島地震など繰り返し被害地震が発生している。大地震が発生するたびに新たな知見が得られ、既往のハザード評価モデルや強震動予測手法の検証が続けられている。限られた知見に基づく将来予測においては、不確かさをどのように扱うかが本質的に重要な課題となる。地震ハザード評価や強震動予測の現状について報告するとともに、今後取り組むべき課題や不確かさへの向き合い方について考察する。

  参加申込者数:446名

 

2.講演会報告

 

 講演会冒頭で、原子力土木委員会中村委員長より開会の挨拶があり、続いて中島幹事長より藤原氏の経歴が紹介された。

 藤原氏の講演では、確率論的地震ハザード評価、シナリオ型強震動予測、今後の課題について説明があった。

 まず、確率論的地震ハザード評価については、1995年兵庫県南部地震以降に日本の地震調査研究の体制が見直され、確率論的なハザード評価に基づくハザードマップの作成が始まったことが紹介された。地震ハザード評価の説明においては、偶発的不確実さと認識論的不確実さがあり、地震動予測においては、知識やデータ不足などに起因する不確実さの取り扱いの課題が示された。この不確実さの内容や手順を検討するために米国において地震ハザード解析の委員会(SSHAC)が設置され、その検討を踏まえてSSHACガイドライン(1997)が制定され、そのSSHACレベル3手法を用いた日本における適用事例として「伊方SSHACプロジェクト」について説明があった。

 シナリオ型強震動予測については、「レシピ」に基づく強震動予測のためのモデル設定や全国的な地盤モデルの整備状況とその必要性について説明があった。2016年熊本地震では、事前予測で考慮されていた点に加え、浅部での断層すべりの設定など断層モデルの改善が求められる点が紹介された。また、海域における活断層についても、評価、検討が進められていることについても説明があった。

 今後の課題として、認識論的不確実さの取り扱いとして、それを合理的に説明できる論理の構築、強震観測データ利活用共通基盤の整備、地下構造情報共通基盤の構築について説明があった。ハザード評価の精度向上のためには、観測データの整備や地下構造の情報の充実が必要であり、これらを組織的に取りまとめることの重要性について説明があった。

 上記の講演に対して以下のQAが行われた。

Q:原子力という観点からすると、地震調査研究推進本部で取り組まれてきた内容が活用されている。また、地下構造についても活用されている。欠けているのは、認識論的不確実さをどうするかだが、それについては、伊方SSHACを行ったことで、日本全体に活用できるようになった。原子力の場合、推進本部の展開とは少し異なると思うが、その辺りどうお考えか。
A:それぞれの目的があって、そこに適合して絞り込むということがとても大切である。観測データも地下構造についてもわからないことが多かった時代から、ある程度の共通基盤ができつつある状況なので、目的に特化して絞り込んだ状況でわかりやすく説明していくのだと思う。客観的に定量的にできるようになったからこそ説明性を向上させていくことが大切である。

Q:日本では確率論的地震ハザード地図というデータベースとしていいものが出来たとしても、どのように活用していくのか出口が見いだせていない。活用する側である耐震工学側に対しての藤原さんのご意見を聞かせていただきたい。昨日までミラノで開催されていた世界地震工学会議に出席してきたが、イタリアでは米国PEER(Pacific Earthquake Engineering Research)が開発したPBEE(性能に基づく地震工学)の性能確保の枠組みを採用して、ハザード情報の活用が進んでいるようであった。日本は必ずしもそうなっていない。
A:せっかくいろいろなものがあっても使われていない。従来のやり方で説明できてるのかもしれないが、外から見てるとそれがわからない。国際的に発信能力に劣っている気がする。これまでの努力が十分理解されていないようでもったいない。

Q:伊方SSHACプロジェクトの初期段階では、活発な議論が少なかったが、日本人はルールさえ理解すればアジャストする能力は高いので、結構向いていると思う。こういう風に進めようといえば、それほどハードルは高くないと思う。SSHAC導入に際してハードルは何と考えるか。
A:議論をして合意形成をするプロセスを見せることが大事であるが、ここ10年くらいそういった議論が減っている。最初からお膳立てをして、イレギュラーな意見が減っているように思われるが、率直な議論をオープンでやるべきである。内容をわかっていて合意してるのか、わからないけど意見をするのは控えて合意してるのかがわからない。その辺りの活発な議論が必要。

 

 

 

写真1 ご講演いただく藤原広行様

 

写真2 土木学会でのご講演の様子

 

 

以上

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PDF icon 20240708_原子力土木委員会公開講演会実施報告.pdf340.62 KB

(c)Japan Society of Civil Engineers