日本では、1950年代半ばから始まった高度経済成長期に、急速にインフラが整備されました。この時期、短期間で大量のインフラを整備する必要から、標準化などによる迅速な建設が重視されていました。これにより、経済発展や人々の豊かな生活に大きく貢献しました。そして、現在、大量に整備されたインフラの老朽化が大きな課題となっていますが、日ごろからのインフラへの関心は低いと言わざるを得ません。
インフラの一例として、橋に着目すると、橋が果たす役割は多種多様です。橋は長期間その場所に存在し続けるため、通路としての機能だけでなく、耐久性や自然災害に対する強靭性、地域の風土に馴染む景観なども重要な要素です。地域の魅力を引き出し、さらに地域住民に関心を持たれ長く愛着を感じてもらえるよう、新しい価値を橋に与えることも求められています。
このような背景の中、土木学会では2024年会長特別プロジェクトの活動のひとつとして、橋を題材に、そのインフラの魅力や新しい価値を発信する活動を行っています。その集大成として、「インフラの価値を改めて考える-橋を切り口に-」と題し、公開討論会を企画しました。
はじめに、通潤橋の国宝認定、あるいは近代橋梁の重要文化財認定等、数々のインフラ構造物の文化的側面に光を当ててこられた文化庁の北河大次郎様に基調講演をいただき、続いて、担当番組内で「やっぱし橋が好き」というコーナーを展開されているFM COCOLO DJ の尾上さとこ様を迎え、パネルディスカッションを行います。
ひろくインフラに携わる多くの皆様にご参加いただき、一人ひとりが自分の枠をはみ出て考える、発言する機会となり、よりよい橋やインフラを計画・設計・施工・保全・マネジメントしていく活動の一助にしていただければ幸いです。
1.開催概要
日 時:2025年5月28日(水)14:00~17:00
会 場:土木学会講堂とオンラインのハイブリッド(オンラインはZoom配信)
主 催:土木学会 会長プロジェクト 土木学会の風景を描くプロジェクト ひろがるインフラWG
定 員:会場100名、オンライン500名
参加費:無料