【支部名】東北支部
【事例キーワード】①技術のチカラ、 ②デザインのチカラ、 ③自然のチカラ、 ④コミュニティのチカラ、 ⑤記憶のチカラ
東北支局担当の平野勝也(東北大学)です。ようやく東北の「仕事の風景探訪」を紹介できることになりました。土木マニアの中では、知る人ぞ知る「松日橋(まつびばし)」です。岩手県の沿岸部の少し内陸にある山間の素敵な林業の町、住田町に松日橋はあります。松日橋は住民の手で架けられ、流されてもまた、住民の手で架け直され続けてきた、まさに土木の原点とも言える橋です。
住田町役場の田畑さんにご尽力いただき、さあ取材!と言う1週間前に、「松日橋流れちゃいました」とのお知らせ。もともと、取材に合わせてザマザ(さてこれはなんでしょう?記事本文をお楽しみに)を採る作業するので、それを記事にしてくださいと言うありがたいお話だったのですが、せっかく行っても橋はない。正直、残念。とはいえ、逆に橋が無い姿も流れ橋の醍醐味。気を取り直して、取材を楽しみにしていたところ、なんと前日に、明日、川の水量次第で架け直しをするかもしれないとのお知らせ。持ってます!まさに橋の架け直しを取材させていただけました。
平野は高田松原津波復興祈念公園のデザインをお手伝いしていたこともあり、陸前高田市にはそれなりの頻度で訪れていて、隣町の住田町に松日橋があるというのは知っていたのですが、なかなか昼間に訪れる機会がなく、月夜に浮かぶ幻想的な松日橋しか見たことがありませんでした。ぜひ昼間にちゃんと見たいと思い続けて幾年。念願の昼間初訪問させていただき、しかも、架橋そのものを拝見することができました。自分もお手伝いできるように胴長を持って行くべきだったと反省しつつも、やっぱり土木っていいなと。そして、みんなのために橋を架ける皆さんの楽しそうな姿に、土木屋の根源的な喜びを感じた次第です。
今回のライターも、 「かわいい土木見つけ旅」でお馴染みの土木ライターの三上美絵さんです。さすがライターさんと言う記事に纏めてくださっています。ぜひご一読を!
写真 月夜の松日橋
写真 住田町にはこんな素敵な水路橋もあります