1. 日時および場所
日時 : 2012(平成24)年10月5日(金)14:00~17:25
場所: 公益社団法人 土木学会 会議室B
2. 出席者
栗田章光顧問,越後 滋委員長,大山 理幹事長,今川雄亮幹事,有村健太郎委員,
大城 温委員,亀尾順一郎委員,小栁公治委員,澁谷 敦委員,竹原和夫委員,丹波寛夫委員,
中山太士委員,溝口孝夫委員,山野 修委員
大森章夫 JFEスチール㈱スチール研究所主任研究員(話題提供者),加藤真志 JFEスチール㈱建
材センター建材開発部部長(話題提供者)
(欠席:浅野雄司幹事,安川義行幹事,若林 大連絡幹事,小林裕介委員)
(出席:16名,欠席:4名)
3. 配付資料
資料3-1:第3回小委員会 議事次第(案)
資料3-2:第3回小委員会 出欠予定一覧表
資料3-3:第2回小委員会 議事録(案)
資料3-4:[話題提供資料]鋼材の特性 -高温下および加熱後の機械的性質-
資料3-5:[話題提供資料]鋼・コンクリート合成桁橋の耐火性状に関する研究
4. 議事内容
(1) 委員長挨拶
越後委員長より,開会の挨拶がなされた.
(2) 議事内容の説明 (資料3-1,資料3-2)
大山幹事長より,資料3-1にしたがって議事内容の説明がなされ,資料3-2にしたがって出
席者の確認がなされた.
(3) 第2回小委員会 議事録(案)の確認 (資料3-3)
大山幹事長より,資料3-3により,議事録(案)の説明がなされた.また,補足事項に関連し,
出版企画書については学会事務局から提出のために確定した目次や販売促進策が必要とさ
れており,これらの検討をしたうえで1年後をめどに提出する予定との報告があった.
(4) 話題提供
①鋼材の特性-高温下および加熱後の機械的性質- (資料3-4)
大森章夫 JFEスチール㈱スチール研究所主任研究員より,標記の話題提供がなされた.
質疑応答の主な内容は,以下のとおりである.
質問:厚板とはどの程度以上の厚さのものか.
回答:6mm程度以上のものを指すが,厚板工場で圧延され板状のまま出荷されるものが
厚板と呼ばれており,実際には薄板でも厚いものもある.
質問:セメンタイトとはどのようなものか.
回答:フェライト,オーステナイトでは炭素が隙間に入った状態だが,セメンタイトは
鉄と炭素の化合物である.
質問:マルテンサイト,ベイナイト,フェライト・パーライトでは,ヤング率がどのよ
うに異なるか.
回答:マルテンサイトでは低く,フェライトやパーライトでは高いが,その差は5%程度
である.
質問:加熱炉ではどの程度まで加熱するのか.
回答:1100~1200℃で,オーステナイトのみとなる領域である.
質問:厚いものの内部を表面と同様に冷やすために,どうしているのか.
回答:(同様には冷却できないため,)ある程度は表面と内部の材料特性が異なってしま
うのはやむを得ない.
質問:どのように内部の温度をモニタリングするのか.
回答:表面温度から推定している.
質問:「従来圧延」で製造される規格は.
回答:SS400等である.
質問:Ar3,Ac3の“ r ”や“ c ”はどのような意味か.A3とは異なるのか.
回答:固相変態が起きる温度が,加熱時と冷却時で異なるため,区別のために付してい
る.“ r ”は冷却時,“ c ”は加熱時のA3温度を表す.
質問:49枚目のスライドの供試鋼成分表において,黄色の着色の意味は何か.
回答:添加していると思われる元素を着色している.
質問:熱履歴を受けた鋼材特性の影響因子として,時間の影響は?
回答:温度の効果の方が大きい.
質問:バナジウムを添加することの効果と副作用は何か.
回答:析出により強化される一方,延性・靱性が低下しコストが増加する.
質問:硬さ試験器で硬さがわかると何がわかるのか.
回答:引張強度が推定できる.ただし,降伏点はわからない.
質問:靱性もわかるのか.
回答:靱性はわからない.
質問:高温から常温に戻った材料についての研究は,紹介された1968年の研究以来,約
50年間ないのか.
回答:おそらくニーズがなかったため,研究が行われなかったと思われる.
質問:ハイテンボルトへの熱影響はあるのか?
回答:焼き戻し温度まで上がると,強度が低下すると思われる.
質問:リベットへの熱影響はあるのか?
回答:もともと強度が低い材料であり,影響は小さいと想定される.
②鋼・コンクリート合成桁橋の耐火性状に関する研究 (資料3-5)
今川幹事より,標記の話題提供がなされ,主な質疑応答は以下のとおりであった.
質問:破壊形式の「破壊」とはすべったことを意味しているのか.
回答:加熱時については,スタッドの破断を意味している.冷却後の場合は,押し抜き
せん断耐力がピークとなる点である.
質問:加熱冷却後の破壊については,スタッドの基部周辺のコンクリートがグズグズに
なってしまうということか.
回答:そのとおりである.
質問:加熱時と加熱冷却後の破壊形態は異なるということでよいか.
回答:そのとおりである.加熱時はスタッドの破断,冷却後はコンクリートの破壊とい
う形態である.
(5) 次回開催日時の決定
日時:2012(平成24)年11月30日(金)を第1候補とする.
場所:大阪工業大学 八幡工学実験場
議題:加熱実験の視察ほか
(6) その他
越後委員長より,日本鋼構造協会の研究助成テーマに名古屋大学の廣畑先生の「火災を受
けた鋼橋溶接部の健全性評価に関する研究」が採択されており,本研究小委員会でも,情報
交換しながら活動を進めていく予定との報告があった.
以 上