委員会名:複合構造委員会
タイトル:グリーンとグレーの対話と相互理解,その先のハイブリッドインフラに向けて
・主題
持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため,2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され,その中では持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられている。グレーインフラに関しても例外でなく,構造工学分野においてもSDGsの達成に向けてより一層の取組みが必要である。このような中,グリーンインフラとグレーインフラを融合したグリーングレーハイブリッドインフラというコンセプト提案されている。しかしながら,これらのコンセプトを如何に具現化するかについて,これまでグレーインフラ側の技術者の関与が薄く,議論が十分になされていなかった。様々なステークホルダーが協働する土木構造物において,グリーングレーハイブリッドインフラの実現に向けて,グリーンとグレーが如何に相互理解して合意形成を図るかは重要な課題である。グリーンインフラとグレーインフラはそれぞれ評価すべき指標が異なることから,最適解を得るには多面的視点が不可欠である。
これらの背景から,複合構造委員会では,2018年度にグリーンインフラとグレーインフラの融合に関する研究小委員会(H107)が1年間活動し,2020年度からグリーングレーハイブリッドインフラの評価に関する研究小委員会(H220)が活動を開始している。
本研究討論会では,上記の背景を鑑み,様々なステークホルダーの視点からグリーングレーハイブリッドインフラの実現に向けて,その課題や将来展望を議論する。まず,過年度に設置された「グリーンインフラとグレーインフラの融合に関する研究小委員会(H107)」の成果を報告する。次に,グリーンインフラ,グレーインフラ側の技術者,さらには実務に近い官民双方の技術者によるハイブリッドインフラへの期待と課題について話題提供いただく。その後,話題提供者や討論会参加者を交えた討論を行い,各ステークホルダーの観点からのグリーングレーハイブリッドインフラの実現に向けた展望や障害について議論いただく。これらの議論の成果はH107の後続委員会「グリーングレーハイブリッドインフラの評価に関する研究小委員会(H220)」の活動に活かしたいと考えている。
・座長
滝本和志(清水建設)
・ 話題提供者
「グリーンインフラとグレーインフラの融合に関する研究小委員会(H107)」の成果報告 川端雄一郎(海上・港湾・航空技術研究所)
グリーンインフラ研究者によるグリーンインフラの全体像と課題・グレーインフラへの期待 西田貴明(京都産業大)
グレーインフラ研究者によるグリーンインフラへの期待と課題 西崎到(土木研究所)、渡邊忠朋(北武コンサルタント)
事業者側からのグリーングレーハイブリッドインフラへの展望 石川真義(国土交通省 総合政策局環境政策課)、鍵本広之(電源開発)