断層変位評価小委員会講演会
第4回 構造物への影響からみた断層変位評価
主催:原子力土木委員会 断層変位評価小委員会
日時:平成26年7月18日(金) 13:00~14:45
場所:土木学会 講堂
プログラム:
時間
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内容
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資料
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13:00~13:45
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断層変位による建物・構築物(原子炉建屋)の試解析について
(一社)原子力安全推進協会(JANSI) 辻弘一
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13:45~14:30
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断層変位の構造物への影響評価手法開発及び評価基準整備の進め方の提案
断層変位小委員会 委員 蛯澤勝三((一財)電力中央研究所)
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14:30~14:45
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ディスカッション
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参加費:無料
参加申込:
参加をご希望される方は、以下のサイトからお申込みをお願いいたします。
お問合せ先:
土木学会事務局 研究事業課 田中 博
電話:03-3355-3559
原子力安全推進協会(JANSI)では,「敷地内断層評価手法検討委員会」(2013年3月~8月,主査 山崎首都大学東京大学院教授)を設置し,原子力発電所敷地内断層の変位量評価から重要施設の安全性評価に至る一連の枠組みを,科学的かつ工学的な観点から検討した.
その検討内容については,JANSI鈴木義和が昨年12月の本小委員会講演会で紹介したが,本講演では,そのうち建物・構築物の試解析について紹介する.
・試解析対象は,BWR原子炉建屋及びPWR原子炉建屋の2建屋
・BWR原子炉建屋については,地盤を軟岩と硬岩の2ケース実施
・想定する建屋基礎直下の断層変位量は30cm
・建屋及び周辺地盤を3次元FEMでモデル化し,建屋の静的・弾塑性解析を実施
・主に基礎スラブに生じる応力(曲げモーメント,面外せん断力)・変形の傾向を把握
この試解析を通じ,ある限られたケースではあるが,断層変位が30cm程度では,地盤-建屋全体解析が可能であることが確認でき,基礎スラブ等に生じる応力・変形の傾向,地盤の剛性の違いによる応答の違い等を把握することができた.
○講演概要(蛯澤さん)
断層変位の構造物への影響評価手法開発及び評価基準整備は,喫緊の重要課題であり,これらの進め方について提案する.具体的には次の通り.
(1) 断層変位のハザード側と構造・システム・機器(SSC)の構造側との連携を図り,不確実さを考慮して,手法開発・基準整備を進める
(2) プラント生涯(立地・設計・リスク評価・建設・運転・廃炉)における整合を図る
(3) 関連自然科学分野(地震学・地質学等理学,土木・建築・機械・原子力等工学)のみならず,人文社会科学分野(合意形成・リスクコミュニケーション等)の英知も結集し,合意形成を図る
(4) 合意形成においては,透明性,説明性を確保する
(5) 国内外の関連機関と連携し,国内外の研究成果を総合化し,国際的認知を受ける
国内外の関連機関では,研究開発を進めており,これらの概要と次の活動を紹介する.
・日本原子力学会地震PRA実施基準改定における,断層変位ハザード評価,同ハザードに対する構造物フラジリティ評価及び事故シーケンス評価
・資源エネルギー庁公募研究における断層変位と構造物への影響評価
・国際原子力機関(IAEA)国際耐震安全センター(ISSC)における特別拠出金事業(EBP)における断層変位の構造物への影響評価