断層変位評価小委員会講演会
第3回 断層性状の評価に関する事例
主催:原子力土木委員会 断層変位評価小委員会
日時:平成26年3月19日(水) 13:00~14:45
場所:土木学会 講堂
プログラム: (※講演者のご都合により,一部変更となりました。 3/10)
時間
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内容
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資料
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13:00~13:30
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断層性状の評価に関する事例 -大飯発電所の敷地内破砕帯調査について-
断層変位小委員会 委員 原口和靖(関西電力)
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13:30~14:00
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山岳トンネルの地盤変形による被害
公益財団法人鉄道総合技術研究所 野城一栄
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14:00~14:45
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ディスカッション
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参加費:無料
参加申込:
参加をご希望される方は、以下のサイトからお申込みをお願いいたします。
お問合せ先:
土木学会事務局 研究事業課 田中 博
電話:03-3355-3559
大飯発電所の敷地内破砕帯(主にF-6破砕帯)に関する調査に至った経緯と調査結果について紹介する。主な調査結果は以下の通り。
・F-6破砕帯は、No.13孔~No.9孔以南にかけて連続する長さ650m以上の破砕帯である。
・南側トレンチ調査の結果、F-6破砕帯はhpm1火山灰(約23万年前)の降灰層準を含む地層に変位変形を及ぼしていない。
・ボーリングで認められたF-6破砕帯の最新面によって緑泥石脈が剪断されていない。また、山頂トレンチで認められたF-6破砕帯の最新面には緑泥石の結晶が脈状に充填しており、その結晶は破砕されていない。
・多重逆解法を用いてF-6破砕帯の活動ステージについて検討した結果、古い順に「イ」→「ロ」→「ハ-2」→「ハ-1」に分類された。
上記結果を踏まえ、F-6破砕帯の最新の活動ステージ「ハ-1」はhpm1火山灰(約23万年前)の降灰層準を含む地層に変位変形を及ぼしていないことから、F-6破砕帯は将来活動する可能性がある断層ではないと結論付けた。
この結果について、原子力規制委員会の有識者会合において審議され、平成25年11月15日の有識者会合では「F-6破砕帯については、将来活動する可能性のある断層等には該当しないと判断する」とした評価書案が提示され、平成26年2月12日の原子力規制委員会において了承された。
○講演概要(野城さん)
山岳トンネルは,比較的深いところに位置し固い地山に囲まれていることから,地震被害を受けにくい構造物であるといえ,地表部で深刻な被害が生じても,無被害あるいは小さな被害で済むことが多い.実際,2011年東北地方太平洋沖地震ではトンネルの被害は軽微であった.しかし,1995年兵庫県南部地震で山岳トンネルの一部で大きな被害が生じ,2004年新潟県中越地震や,2007年新潟県中越沖地震では比較的多くの山岳トンネルに被害が生じるなどトンネルの耐震性が問題となることがある.山岳トンネルでは復旧に時間を要することが多く,山岳トンネルといえども適切な対策を行うことが必要となってきている.地震被害を大きくする要因としては,地震規模が大きく震源距離が短い場合で,地形・地質条件に問題があり,トンネルに特殊要因(構造欠陥,既変状等)が介在すると,被害が大きくなると言われている.今回,鉄道の山岳トンネルに着目して,地震被害の事例,地震被害を大きくする要因,現在行われている地震対策の一例について紹介する.