時間
|
内容
|
資料
|
13:00~13:45
|
原子力発電所敷地内断層の変位に対する評価手法 -敷地内断層評価手法検討委員会(原安進)報告の概要-
(一社)原子力安全推進協会 鈴木義和
|
|
13:45~14:30
|
確率論的断層変位ハザード解析手法について
原子力土木委員会 断層変位小委員会 委員 高尾誠(東京電力)
|
|
14:30~15:00
|
ディスカッション
|
|
本報告は、「地形学」「地質学」「地球物理学」「地震学」「地盤工学」「耐震工学」「構造工学」「原子力安全工学」等の知見を総動員した敷地内断層に対する総合的なプラント耐変位安全性評価を行う道筋を示すものである。
本委員会(2013年3月~8月、計6回の委員会開催:主査 山崎首都大学東京大学院教授)では、敷地内断層が単に活断層の可能性があるかどうかのみに焦点を当てた検討を行うのではなく、重要な施設を設置する地盤に断層運動による地盤変状(くいちがい変位と連続的な変形)が存在する場合に、「原子力発電所の重要施設の安全機能に重大な影響があるかどうか」等を検討するための科学的かつ工学的な枠組みを示すことを検討した。
原子力発電所の立地にあたっては詳細な地質調査が行われており、敷地内外の断層の分布、性状、活動性などが把握されている。また、地震の際に地表に現れる地表地震断層に関する日本国内における約120年間のデータに基づき、地震時に変位する可能性が否定できない断層(副断層)の変位量を整理した。これら地質調査結果等と数値解析とを組み合わせることによって、敷地内断層の変位を評価すること、並びに変位が建物・構築物及び機器・配管系に及ぼす影響を検討して、プラントの耐変位安全性を評価する手法の枠組みを今回示した。ここで、耐変位安全性評価にあたっては断層変位を確率論的に取り扱う確率論的断層変位ハザード解析(PFDHA)を参考とすることとした。
具体的な検討・評価に当たっての今後の課題を整理したので、関係機関・関係者と協力して対応していく必要があると考える。
内陸地殻型の地震が発生する際に、地震が一定規模以上の場合に断層による食い違い(以下、断層変位という)が地表に生じることがあり、この断層変位を設計上何らかの形で配慮するという考え方がある。一つは断層変位が生じるような活断層の直上での構造物等の設置を避けるという考え方である。もう一つは、構造物の重要度および発生確率に応じて断層変位を設計や評価に反映するという考え方である。
後者の場合、Youngs et al.(2003)が提案した確率論的断層変位ハザード解析(Probabilistic Fault Displacement Hazard Analysis、以下、PFDHAという)を適用することが考えられるが、PFDHAは最近提案された新しい評価手法であり、少なくとも我が国においては研究が始まったばかりであり、認知度も低く、実務への適用例はまだない。
講演では、PFDHAについて概説したのち、海外におけるPFDHAの研究や検討の進展状況を紹介するとともに、我が国のデータを用いて策定した各種評価式並びにそれらを適用した試解析結果を紹介する。また、PFDHA研究に関する今後の課題についても述べる。
添付 | サイズ |
---|---|
20131217suzuki.pdf | 2.36 MB |
20131217takao.pdf | 1.44 MB |