論説委員 常田 賢一 一般財団法人土木研究センター 技術研究所
近年、地震、豪雨などの災害が多発しているが、災害の発生原因、逆に発生しない原因は必ずあるので、それを見逃さないことが、将来の同種・類似の災害への備えや、新たな技術を見出すことに繋がる。そのためには、災害の状況にある示唆に気づくことであり、土木技術者は気づきの眼、感性を備えることが必要である。 本文は、2004年新潟県中越地震、2011年東北地方太平洋沖などの災害時での気づきが、新たな研究、技術の開発に繋がった事例を紹介して、気づきの感性を磨くことの必要性、意義を訴える。
(2018年3月版)
第130回論説・オピニオン(1) 災害の示唆に気づく感度を磨こう
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コメント
Re: 第130回論説・オピニオン(1) 災害の示唆に気づく感度を磨こう
投稿者:新留正道 投稿日時:木, 2018-04-05 21:09東日本大震災の東日本高速道路㈱の被害集計では構造物被害が1,600か所に対し土工部の被害は4,200か所にのぼった。土工部の崩壊現場を見ると舗装のコールドジョイントで切れているものが大半である。これはコールドジョイントからの雨水浸透が起因していると思われる。堤防を津波が乗り越える場合は一時的であるが、高速道路コールドジョイントからの雨水浸透は長い時間をかけて日ごろから雨水が浸透したことによる土中水分の増加が原因と思われる。これらもここで説かれている「災害の示唆」として、コールドジョイントの施工方法を(タックコートから瀝青テープ貼りに)早急に改めるべきであると痛感する。