「国際センターだより」では、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■お待たせしました!第3回JSCE-CCESジョイントシンポジウムを開催
2021年10月20、21日、国際センター中国グループを核に、第3回JSCE-CCES ジョイントシンポジウム(JS)をオンライン開催した。本JSは、2014年、土木学会創立100周年を機に、中国土木工程学会(Chinese Civil Engineering Society: CCES)と当会の技術交流の活性化を目的に始まった。最初の2回は構造、コンクリート、トンネル工学を主テーマに、2016年10月に当会本部にて、第2回目は場所を中国・同済大学に移し、中国と日本の研究者や技術者が集合して研究発表と意見交換を行った。今回は、水工学、海岸工学をテーマに水工学委員会と海岸工学委員会と連携し、同済大学と何海大学の協力を得て企画実施した。隔年開催を基本に持つ本会合は、本来であれば2020年に第3回を実施する予定であったが、COVID-19感染拡大のために1年延期することになった。しかし、COVID-19の威力は衰えず、一時は再延期も仕方がないのかと危惧することもあったが、両学会の関係者は焦ることなく腰を落ち着けて検討と相談を重ね、結果、オンライン開催することを選択した。 オンライン開催を決定してからは、急ピッチで準備が進んだ。関係者で講演者の確定、プログラム作成やPR活動を手分けして行っていった。その最中、中国、欧州、米国で大きな洪水災害が発生し、これを見逃すことは出来なかった。その被害状況や復興・復旧への取り組みを学び今後の災害対応を検討したいと考え、急遽セッションを設けることにした。そして、Ms. April J. Lander(ASCE)、山田 朋人准教授(北海道大学)、Fang Yang教授(Pearl River Water Resource Commission)、Zeping Xu教授(China Institute of Water Resources and Hydropower Research)、佐山 敬洋准教授(京都大学防災研究所)、立川 康人教授(京都大学)をお招きし、各国の現状と調査のデータ分析、今後のリスクや対応、展望を説明いただいた。
今回、基調講演とスペシャルセッションを含む計8セッションにて47名が講演し、日本、中国、そして他国から200名を超える聴講者が集まる大きな会合となった。オンライン会合ではrapportを生むことが難しいと言われるが、このJSは異なるかもしれない。予定から1年延期したことにより、両国の関係者は共通の目標に向けて密にコミュニケーションをとり協同意識を深め、参加者は延期になった時間を研究に取り組み発表を準備してきた。そういった技術者、研究者が集まったこの会合は、彼らを繋ぐプラットフォームとなったに違いない。
第3回JSCE-CCESジョイントシンポジウム
■TC21 研究討論会でセッションを開催
アジア土木学協会連合協議会(ACECC)の21番目の技術委員会であるTC21は、令和3年度土木学会全国大会 研究討論会にて「災害レジリエンスの構築に向けた分野・部門間協働や意思決定に対し、COVID-19はどのような影響を与えたか?」と題し、オンラインセッションを開催した。本セッションでは、ACECC加盟国・地域から5か国(日本・インド・マレーシア・ニュージーランド・ネパール)のパネリストを迎え、各国・地域の新型コロナウイルス対応の状況、そしてコロナ禍における土木・防災分野での具体的な取り組み、最新の災害対応・防災対応の事例についてご紹介いただいた。日本・海外より約70人の聴講があり、意見交換が行われた。
本セッションの講演資料および講演録画は HP(https://committees.jsce.or.jp/acecc02/node/24)に掲載している。是非ご覧いただきい。
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