「国際センターだより」では、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■学生から見た海外土木
<現役土木学生が考える“土木の国際化”についてご紹介していきます。>
土木の先輩方は、世界中で活躍してきました。彼らが遺したものは構造物だけじゃない、次の社会そのものだ、と常々思います。未来の社会を見据えて、必要な社会基盤を建設する。そんな営みを脈々と受け継いで、私たちは生きています。
世界中に多くの立派な先輩方がいますが、感染症の影響もあって、直接お会いする機会をつくるのはなかなか難しい時代になりました。もちろん、先輩方にオンラインでお話を聞く機会は積極的に作っていきたいものです。しかし、こんな時代だからこそ、伝記を読むことの重要性が増しています。伝記を読むことの最大の魅力は、伝記的人物の生き様からいつでも、私たちの生きる指針を学べることです。
たとえば青山士。人類のための土木事業だったパナマ運河に身を捧げた原動力は何だったのでしょう?こうした問いを人に直接聞くのは時間に限りがありますが、伝記であれば、いつでも心を通わせることができます。
私たち学生が社会の意思決定を担うようになる頃、社会も環境も今とは様変わりしているでしょう。技術の時代にこそ、深い思索に基づき、現在・未来の人々のために技術を正しく使えるかどうかが、人類の命運を分けます。そのように育った日本の土木技術者たちが、今後の世界でますます大活躍することで、技術者たちの生き様が世界中の人々にいい影響を及ぼすことになる。そう考えると、なんだか未来が楽しみになってきませんか?
(執筆者:早稲田大学 創造理工学部 社会環境工学科 西川 貴章)
京都を豊かにした南禅寺の水路閣
■2021年度全国大会国際関連行事のお知らせ
2021年度 土木学会全国大会が9月6日(月)~10日(金)にオンライン形式にて開催される。国際センターでは、8日(水)~10日(金)に「国際ラウンドテーブルミーティング(RTM)」、「第23回インターナショナルサマーシンポジウム(サマーシンポ)」、「国際若手技術者ワークショップ(WS)」を開催する。
今回のRTM(8日(水)16時~18時)は、「時代の変化とこれからのインフラ」をテーマに、海外5ヵ国・地域の研究者等がポストコロナ時代の社会の変化を展望し、今後のインフラ整備を議論する。
サマーシンポでは、9、10日午前中に「国際セッション」を開催し、10日14時から、「Utilization of AI in Civil Engineering for a Future Society」をテーマに、日本で学ぶ留学生、若手技術者を対象としたWSを開催する。
なお、「留学生対象企業説明会」、「大学出前講座」、「JSCE-CCES(中国)ジョイントシンポジウム」などを目下、準備中である。
今後の企画詳細については国際センターHP(http://committees.jsce.or.jp/kokusai/)に掲載する。
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