論説委員 家田 仁 東京大学大学院・教授(社会基盤学専攻)
土木分野で技術者教育認定制度が開始されて10年近くとなる。多くの大学が認定されるまでに拡大されたが、教育質の管理という面では相応の成果があがっているようであるが、よい学生を集める、よい就職先を確保するといった大学の期待に応えるようなものだったのかどうか。教育の質的向上という創造的活動に、こうした外生的枠組みはなじむものなのかどうか論じる。
(2010年10月版)
第41回論説(1) 技術者教育認定制度に何を求めるか?:教育の質と大学人、そして産業界
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コメント
Re: 第41回論説(1) 技術者教育認定制度に何を求めるか?:教育の質と大学人、そして産業界
投稿者:匿名ユーザ 投稿日時:火, 2011-01-25 09:49家田先生ご指摘のとおり、JABEEや土木の学科名の省略は、学生の人気取りに終始していないか。大学に入学する学生は、ゆとり教育、体力低下、時にはモンスターペアレンツといった近年特有の環境の中で育ってきている。一方、企業は、低調な経済の中で人材育成の余裕代が無くなり、優秀な学生を求めるという外部依存にシフトしている。こうした中で、大学は、現代の若者を優秀な社会人につくり変える「変換装置」となることが求められている、そうした気概を持った大学経営が重要だとのエールと読み取れた。