土木学会誌の「国際センターだより」のページでは、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■平成27年度全国大会国際関連行事開催
9月16~17日に岡山大学で開催された、平成27年度土木学会全国大会における国際センター主催行事について紹介する。
特別討論会「元留学生が語る、日本土木への注文」では、様々な年齢層の10名の元留学生から日本土木への忌憚のない注文を寄せてもらった。国際円卓会議では、「ビッグデータ時代の社会資本の整備-持続可能な社会を目指して」をテーマに、小池俊雄氏(ICHARMセンター長)がモデレータ役を務め、喜連川優氏(国立情報学研究所所長)が基調講演を行った。その後、7か国の参加者から各国の現状について発表があり、意見交換を行った。創立100周年行事の一環として始まった、国際若手技術者ワークショップでは、「なぜ、日本に来たのか」についてグループ別の議論と発表を行った。今回で17回目の開催となったインターナショナルサマーシンポジウムでは、56名から論文発表があり、多くの留学生が参加した。また、恒例となっているウェルカムレセプションを岡山城天守閣で開催し、テクニカルツアーでは瀬戸大橋や倉敷美観地区を訪問した。これらの行事を通じて、海外から参加のゲストとも交流を深めることができた。
国際行事については、国際センター通信に報告記事を掲載する予定である。そちらもご一読いただければ幸いである。
国際円卓会議での集合写真
若手技術者ワークショップでの発表
■モンゴル土木学会(MACE)年次大会参加報告
2015年6月18~19日、モンゴルの首都ウランバートルにてモンゴル土木学会年次大会が開催された。土木学会からは国際センターモンゴルGr.リーダーの山口栄輝氏(九州工業大学)、睦好宏史氏(埼玉大学)、恵崎孝之氏(国土交通省)他3名が参加した。
今回は、国際フォーラムや円卓会議で土木学会の講演者が発表をした他、円卓会議で特別講演をされた睦好先生の指導を受けられた、モンゴル分会前会長のEnkhtur Shoovdor氏のはからいで、モンゴルの建設・都市開発省のTsogtbaatar Damdi大臣を表敬訪問、歓談の機会を得た。
Tsogtbaatar大臣(左から3番目)
■世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ第5回シンポジウム開催
2015年7月22日、土木会館にて「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ第5回シンポジウム」を開催した。シンポジウムでは、国土交通省海外プロジェクト推進課の平井課長、電源開発(株)の萩原プロジェクト・マネージャーによる基調講演の後、スリランカのアッパーコトマレ水力発電所建設プロジェクトについて前田建設工業(株)の方々が講演された。
プロジェクト紹介では、重力式コンクリートダム、導水トンネル、地下発電所等の工事の過程について写真や動画を用いて説明がなされ、また、工事開始当初は内戦中で常に緊急時に備えなければならなかったこと、生活面でも様々な苦労があったことなどが紹介された。
前田建設工業の技術者による講演
建設現場のパネル展示
■Kyaw Linn 事務次官来会
2015年8月6日、ミャンマー連邦共和国建設省のKyaw Linn事務次官が土木会館を訪問された折に、廣瀬会長から、6月の定時総会でお渡しできなかった平成26年度国際活動協力賞の賞状が授与された。また、両国間の技術交流等について意見交換が行われ、国際センターからミャンマー工学会(Myanmar Engineering Society)と土木学会との第2回ジョイント・シンポジウムの開催を提案、事務次官に賛同いただいた。なお、事務次官は、2013年7月に両会が覚書を締結した際に、ヤンゴン市において開催した第1回のシンポジウムでのミャンマー側の第1発表者を務めている。
Kyaw Linn事務次官(中央)
廣瀬会長より賞状を授与
■土木学会海外支部活動の紹介
土木学会海外支部には、日本への留学経験者など日本にゆかりのある現地技術者・研究者と土木学会とのネットワークづくりや日本の土木技術情報の発信拠点とするため、9つの分会(台湾、韓国、英国、モンゴル、トルコ、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム)が設置されている。
各分会とも、土木学会と海外協力協定学協会とのジョイントセミナーの開催支援や日本からの災害調査団のサポートなどを行っているほか、独自の活動により日本との交流・協力を通じて土木技術の普及拡大に努めている。例えば、土木学会が贈呈した図書や専門書をインドネシア分会では、インドネシア大学の土木工学部に、ベトナム分会では、国家建設大学内に設立された日越土木技術者交流促進センターの土木学会図書コーナーに配置し、活用を図っている。また韓国分会、台湾分会は、昨年の土木学会創立100周年時には、大韓土木学会釜山支部、土木学会西部支部、台湾公共工程学会の3団体のジョイントセミナーの開催に貢献した。
最初の台湾分会の設立から15年、現在の9分会になってから6年が経過した。海外在住会員数は伸び悩んでいるが、現在取り組んでいる留学生ネットワークづくりが、元留学生や現地の技術者の土木学会への参加を促し、分会活動活性化の一助になることを期待している。
国際センターでは、各分会の活動内容や地域の現状を「分会だより」として「国際センター通信」で紹介している。これまでに掲載した分会だよりは下表のとおりである。国際センターHPの国際センター通信のサイトにて閲覧できるので、ぜひご一読いただきたい。
国際センター通信 分会だより掲載号
号数 | 発行日 | 言語 | 掲載記事タイトル |
第17号 | 2014.2.25 | 和英 | インドネシア分会だより |
第18号 | 2014.4.1 | 和英 | ベトナム分会だより |
第22号 | 2014.8.1 | 和英 | 韓国分会だより |
第23号 | 2014.9.3 | 和英 | 台湾分会だより |
第25号 | 2014.11.4 | 和英 | 英国分会だより |
第31号 | 2015.5.1 | 和英 | 台湾分会だより:台湾における日本人土木技術者の足跡 |
日越土木技術者交流促進センター(CJV)の設立
日・韓・台分会主催のジョイントセミナー開催
■JICA-JSCE意見交換会の開催
2015年5月13日土木会館において、独立行政法人国際協力機構(JICA)とJSCEとの意見交換会が開催された。JICAからは黒柳理事、中村社会基盤・平和構築部部長、吉見技術審議役、他6名、JSCEからは大西専務理事、上田国際センター長、山川国際センター長代行、国際センター活動グループ次長他4名が参加した。
冒頭、黒柳理事から挨拶があり、日本の国際協力60年を記念して発刊された写真集『世界をつなぐ架け橋』の紹介があった。JICAからはフィリピンの台風ヨランダや今回のネパール地震の被災における土木学会との協力について触れられた。また、他の参加者からも海外のインフラ展開に向けてJICA事業の現場で得られた知識を学会を通じて情報共有していくことが必要であること、さらに、長期間にわたる国際協力を続けるためには人材確保が必要であり、JSCEとの連携も考えたいなどの発言があった。
JSCEからは、国際センター次長をJICAから推薦いただき新たな活動グループ(仮称 ODAグループ)を担当していただきたいと考えていること、海外におけるプロジェクトの課題を共有し、討議する場として土木学会全国大会におけるJICAセッションの設置について検討いただきたい旨の提案を行った。その他、日本への留学生の将来動向を見据え、JICAと国際センター留学生グループが協力して、留学生対策に取り組んではどうかとの発言もあった。
最後に、創立100周年記念事業として実施した「インフラ国際貢献アーカイブス」の成果であるブックレットを配付した。JICAでもプロジェクトヒストリーをまとめ、既に17件のアーカイブを作成したとの紹介があり、今後JSCEが継続実施するアーカイブ事業についてJICAの協力をお願いした。
今回、大変有意義な意見交換ができたが、今後も定期的に開催し、情報交換や具体的な協力のあり方を模索していきたいと考えている。
意見交換会の様子
■「国際センター通信」リニューアルしました
国際センター通信は、2012年7月10日の創刊以来ほぼ毎月発行を重ね、2015年4月1日の発行で第30号を迎えました。これを機にデザインも一新しました。今後もさらに内容の充実をはかり、会員の皆様に旬なトピックスをお伝えするよう努力いたします。
■国際センター通信特集号の紹介
国際センター通信には毎月発行の通常号、および年に数回発行される特集号があります。特集号では、海外プロジェクトや技術者の紹介、対談記事などを掲載しています。今回は特集号のバックナンバーをお知らせいたします。ご興味のある方はぜひ土木学会国際センターのホームページからPDF版をダウンロードのうえ、ご一読ください。
国際センター通信特集号バックナンバー
号数 | 発行日 | 言語 | 掲載記事タイトル |
第1号 | 2012.12.5 | 英 | Project site visit to the Tokyo Metropolitan Outer Ring-Road Sites |
第2号 | 2013.7.30 | 和英 | 活躍する土木系女性技術者の紹介 |
第3号 | 2013.10.31 | 英 | Lessons Learned from the Great East Japan Earthquake |
第4号 | 2014.1.29 | 英 | <Roundtable Discussion> “What must be done for the Next Stage of Disaster Recovery?” Outcomes of the 2011 Great East Japan Earthquake commemorative symposium |
第5号 | 2014.3.27 | 英 | 100th Anniversary What is the role of an academic society? |
第6号 | 2014.8.7 | 和英 | アジアとヨーロッパを結ぶ-ボスポラス海峡横断鉄道工事 |
第7号 | 2014.12.18 | 和英 | フーバーダムバイパス コロラドリバー橋建設プロジェクト |
第8号 | 2015.2.18 | 和英 | 東南アジア最長のトンネル-パハン・セランゴール導水トンネル建設工事 |
※第3号~第5号の記事は、土木学会誌掲載記事の英訳です。
■第3回国連防災世界会議参加報告
2015年3月14~18日、仙台市・仙台国際センターにて第3回国連防災世界会議が開催されました。今回の会議は、前回の国連防災世界会議(2005年・兵庫)で策定された兵庫行動枠組の改定を目指す重要な会議でした。187カ国から約6500人、並行して市内に複数設置された会場でのパブリックフォーラムや展示には延べ15万人超の参加があり、会期中の仙台はまさにグローバルシティでした。
学会から磯部雅彦会長が出席し、国連防災世界会議・東日本震災総合フォーラムとワーキングセッションで防災における“災害への備え”、“ハード&ソフト対策の組合せ”の重要性を述べました。この主張は各国の参加者に強い印象を残すものでした。
ワーキングセッションのパネリストを務める 磯部会長(左から二番目)
国土交通省主催の災害パネル展示
■世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ 第4回シンポジウム開催
2015年3月23日、東京土木学会において「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」第4回シンポジウムを開催しました。
今回は「港湾プロジェクトの取り組み」をテーマとしてとりあげました。講演は二部構成で行われ、第一部では国土交通省港湾局および株式会社海外交通/都市開発事業支援機構より、我が国の港湾におけるインフラ輸出戦略の取り組みや港湾プロジェクト支援について講演がなされました。第二部では、五洋建設株式会社の方から、シンガポールにおけるコンテナターミナル建設プロジェクトについてご紹介いただきました。
今回も120名を超える参加者を集め、質疑応答も活発になされ盛会でありました。
講演の様子
■青山 士とパナマ運河100年(報告&講演)
国際センター米国グループは、2015年4月2日に土木学会講堂(東京)にて、「青山士とパナマ運河100年」と題したアメリカ土木学会Global Engineering Conference 2014 in Panama Cityへの参加報告、並びに講演・DVD上映会を開催しました。
会場には、青山士の写真やゆかりの品等が多数展示されました。100年前に青山士が設計した図面は、手書きによるものとは思えない程精巧な図面であり、見る人に驚きを与えていました。
磯部土木学会会長からの挨拶により開会し、参加報告では、米国グループメンバーから、アメリカ土木学会(ASCE)年次大会、土木学会(JSCE)特別セッション及び現場視察の概要が報告されました。JSCE特別セッションの概要では、磯部会長が講演した内容について紹介されました。「生涯に一つでも人類のためになるような仕事をしてから死にたい」という夢をいただき、単身パナマに渡りパナマ運河建設に貢献し、その後、日本国内のインフラ整備に大きく貢献したという青山士の紹介は、会場から“Beautiful Presentation”と称賛され、特に、「私はこの世を私が生まれてきたときより良くして残したい」という青山士のモットーに多くの会場の人が共感したとのことでした。
青山 士(土木学会第23代会長)
パネル展示の様子
高橋裕東京大学名誉教授からは青山士にまつわる講演をいただきました。青山士から直接伺ったという貴重な話しを当時の社会的背景とともにわかりやすく語っていただき、その内容はとても興味深いものでした。最後に、JSCE特別セッションで放映したDVD ”Akira Aoyama’s Achievements on Panama Canal Project”が上映され、大西土木学会専務理事からの挨拶で閉会しました。予定時間から30分オーバーする程熱の入った報告・講演となり、参加者も興味深く聴き入っていました。
磯部会長の開会挨拶
高橋裕先生の講演の様子
■中国土木水利工程学会(CICHE)年次大会参加報告
2014年12月6日~7日、台湾の高雄市において開催されたCICHE年次大会に、土木学会から上田多門国際センター長をはじめ5名の代表団が参加しました。
これまでは、午前中に総会、特別講演、セレモニー、午後に研究討論会が行われる1日の開催でしたが、今回はもう1日追加され国際ワークショップが開催されました。開会式では、呂良正CICHE会長から土木学会創立百周年のお祝いの品が上田国際センター長に贈呈されました。また、国際ワークショップでは、上田国際センター長および中村光名古屋大学教授が話題提供を行いました。
12月6日のテクニカルツアーでは、高雄市近郊都市鉄道の地下化・改良工事現場の視察をし、7日には呂CICHE会長のご配慮で、烏山頭ダム周辺視察の機会をいただきました。
呂会長から上田センター長へ記念品の贈呈
八田邸庭の外代樹夫人の銅像
■建設産業グローバルビジョン講演会開催
2015年2月27日、東大本郷キャンパス武田ホールにおいて土木学会国際センターおよび建設マネジメント委員会主催で、建設産業グローバルビジョン講演会「世界のリーダーと語る建設産業のグローバル戦略」-世界のコンサルタントに学ぶ-が開催されました。
スペインTYPSA社CEOのPablo Bueno氏(FIDIC会長)を招聘し、同氏を含め廣瀬典昭氏(土木学会次期会長)、福本勝司氏(土木学会建設マネジメント委員会委員長)の3名による講演がなされました。その後、「日本のコンサルタント企業の真の国際展開推進に必要な変革は何か」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。
参加者は220名を集め、講演会後の意見交換会でも質疑応答が活発になされ、盛会でありました。
パネルディスカッション
講演会の様子
■国際センター発足3年を振り返って~今後の活動について~
土木学会 国際センター長代行 山川朝生
国際センターは、2012年4月に発足して3年が経過した。この間、体制づくりを始め国際活動が安定して行われるための基盤づくりをしてきた。前身の国際委員会ならびに国際室として行ってきた活動を継続、拡充するとともに、新たな事業にも取り組んだ。主な内容を紹介すると、国際活動の中心である二国間交流は、質・量ともに拡大し、おおいに活性化した。その代表例が、ベトナム建設大学に日越二国間交流の拠点として設置された日越土木技術者交流促進支援センターである。
またこれまで交流実績のある米国、台湾、韓国とは、会長間同士の会合を定例化して交流の深化を図るとともに、ミャンマーや中国などとの新たな交流基盤設立に取り組んでいる。こうした二国間交流が土木学会創立100周年記念国際シンポジウムや記念式典への海外から100名をこえる参加につながったと思われる。情報発信では、国際センター通信(和文・英文)を毎月発行し、国内外に広く配信している(ご一読いただきたい)。情報発信活動が安定したことは、土木学会の国際的な広報の意味で大きい。
さらに本邦建設企業の海外戦略・人材育成に資するためのプログラムを継続的に実施するとともに、「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」シンポジウムを始めた。海外の現場で実際に工事に携わる土木技術者の生の声を直に聞くことができるよい機会であるので、特に若い人たちの参加を期待している。留学生支援活動としては、留学生向けの企業説明会や現場見学会を開催するほか、土木学会創立100周年記念事業でもある留学生ネットワーク構築事業として、留学生の登録サイトを英文ホームページに設置した。
土木学会内では国際センター以外にも国際的な活動が多く行われているが、これらとの連携がまだ不十分である。活動目標として掲げている「土木界のセンター」となるためには、土木学会のみならず関係する外部機関とも連携を密にし、全体として活動内容や質を充実させることが重要である。2011年に策定した国際戦略に掲げた「選択と集中」を意識し、メリハリのある国際活動を推進していきたい。
海外学協会との協力協定の締結
日越土木技術者協力促進センター開設
■フィリピン土木学会(PICE)年次大会参加報告
2014年11月13日から3日間、ルソン島南部の名峰Mayon Volcano山麓のレガスピ市において、第40回フィリピン土木学会(PICE)年次大会が開催されました。土木学会からは石井元会長が参加し、「土木学会100年の歴史:日本の近代化から持続可能な発展まで」のタイトルで約40分、日本とフィリピンの友好の歴史、日本の土木技術と土木学会の歴史、土木学会の貢献、21世紀への展望について講演を行ないました。また、技術分科会では、PM、水、交通、地盤、環境について活発な議論が行われました。
大会会場の様子
■留学生向け現場見学会
日本で学ぶ留学生に日本の最先端の土木技術を知ってもらうとともに、土木関連企業に関する情報提供を目的として、2014年12月5日に留学生向け現場見学会を大阪にて開催しました。西日本高速道路(株)のご協力を頂き、二つの現場見学および5社からの企業説明を実施しました。参加留学生は20名でした。
箕面トンネル東工事の施工現場では、トンネル切羽目前まで迫り、大型重機などが設置されている中、参加した留学生たちは活発に質問を投げかけるなど熱心に見学しました。芥川橋工事の施工現場では、地上20mを越える高架橋の上部に上り、桁の内部からその施工方法や取り入れられている技術に関する説明を受けました。最初に訪問したトンネル現場とは異なる迫力に、留学生たちは圧倒されつつも非常に興味を持った様子でした。
※掲載記事の所属、肩書はイベント開催当時のものです。
箕面トンネル東工事にて
芥川橋工事にて
■Information
2015年9月16日~18日の期間で、第70回土木学会全国大会が岡山大学にて開催されます。今年もInternational Summer Symposiumなどの国際関連行事を実施する予定でいますので、詳細が決まり次第お知らせいたします。
■土木学会創立100周年記念国際フォーラム
土木学会創立100周年記念国際関連行事の一つとして、2014年11月20日に東京JPタワーホールにて国際フォーラム「社会インフラの豊かな生活への貢献」を開催しました。フォーラムは同時通訳を導入し、午前と午後2つのセッションに分けて開催されました。
小林潔司土木学会副会長の開会挨拶の後、磯部雅彦会長の基調講演、国土交通省の徳山日出男技監の講演、10カ国の海外協定学会等の代表者の方々による講演が行われ、国内外を合わせて約250名(うち海外ゲスト69名)の参加者を集めました。また、フォーラム終了後のウェルカムレセプションでは、藤野陽三土木学会100 周年事業実行委員会委員長よりご挨拶をいただき、参加者の国境を越えた交流が行われました。
磯部会長の基調講演
ウェルカムレセプション
■世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ第3回シンポジウム 「パハン・セランゴール導水トンネル」開催
2014年12月3日東京土木学会講堂において、世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ第3回シンポジウム「パハン・セランゴール導水トンネル」を開催しました。山川朝生国際センター次長の開会挨拶の後、元駐マレーシア日本国大使中村滋氏による基調講演が行われ、マレーシア環境・エネルギー・水資源省事務次官Datuk Loo Took Gee氏のビデオレターが紹介されました。プロジェクト紹介では、清水建設株式会社の4名の技術者から過酷な自然条件の下、技術的な課題をいかに克服したか、さらに現地での技術移転や安全管理、海外プロジェクトの魅力についても話題提供がありました。講演後の質疑応答も活発になされ盛会でありました。
ビデオレターの紹介
清水建設技術者による講演
■アメリカ土木学会(ASCE)年次大会参加
2014年10月7日から11日の期間で、今年度のアメリカ土木学会年次大会が開催されましたが、今回の大会はパナマ運河開通100周年を記念してパナマ共和国パナマ市での開催となりました。
土木学会からは磯部会長、橋本前会長、石井元会長他10名が参加し、パナマ運河開通100周年を祝うとともに、磯部会長が運河建設にたずさわった青山士氏(第23代土木学会会長)を紹介する講演を行いました。
パナマ博物館やパナマ運河庁を表敬訪問し、当時のパナマ運河建設の様子や、その建設にたずさわった青山士氏が土木技術者として高い評価を得ていたことを再確認し、さらにはパナマ運河を目の前にした時、その建設に足跡を残した青山士氏に対する尊敬の念がより一層深まりました。
磯部会長の講演
パナマ運河を通過する船舶
■大韓土木学会(KSCE)年次大会参加
今年の大韓土木学会年次大会は、10月22日から24日にかけて韓国大邱市にて開催され、土木学会から磯部会長をはじめ合計7名で参加しました。
初日はソウル市内で在韓日本人技術者との昼食会をした後、大邱市に移動してウェルカム・レセプションに参加しました。
2日目は国際円卓会議が開催され、横浜国立大学の勝地先生が講演を行いました。午後は支部活動に関するスペシャルセッションが開催され、日本からは土木学会関東支部の大嶋支部長が関東支部の活動について報告を行いました。
最終日はテクニカルツアーに参加し、洛東江の江亭・高霊堰を視察するとともに4大河川文化館「ジ・アーク(The ARC)」を訪問しました。三日間の短い日程でしたが、盛り沢山の内容で充実した韓国訪問となりました。
国際円卓会議の様子
江亭・高霊堰を望む
国際センターだよりバックナンバー