第3回インフラ産業グローバルビジョン講演会
「世界のリーダーと語るインフラ産業のグローバル戦略」
-世界のコンセッション事業における土木技術者の多様な役割-
主 催: 公益社団法人 土木学会 建設マネジメント委員会・国際センター
後 援(予定): 国土交通省、一般社団法人海外コンサルタンツ協会、一般社団法人海外建設協会
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当日テキストダウンロード (パスワードは参加登録者にメールにてお知らせしています。10月4日に更新しました。)
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日 時: 2016年10月3日(月)13:30~19:30 (意見交換会18:00~19:30)
会 場: 東京大学 本郷キャンパス 武田先端知ビル 武田ホール
(東京都文京区弥生2-11-6)
アクセス情報→http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_16_j.html
言 語: 日本語および英語(日英同時通訳)
定 員: 250名(申込先着順)
参加費: 土木学会会員(個人・法人)5,000円、非会員8,000円、
学生会員1,000円、学生非会員3,000円(意見交換会参加費を含む; 原則事前振込)
申込締切: 2016年9月30日(金)
→ 案内フライヤー
申し込み先 → http://www.jsce.or.jp/event/active/information.asp
問合せ先:土木学会国際センター/川上 03-3355-3452 kawakami@jsce.or.jp
<インフラ産業グローバルビジョン講演会について>
我が国は、厳しい地形・地盤条件、地震・豪雨等の災害、さらには稠密な土地利用といったインフラ整備には大変困難な環境条件の下で今日の国土の発展の基盤を築きあげてきた。これらを世界の国々のインフラ整備に、特に環境・風土の近いアジア諸国に活かし、世界の国々の発展に貢献することが期待されている。一方で、いわゆる新興国を中心とした世界のインフラ需要は膨大であり、急速な都市化と経済成長により、今後の更なる市場の拡大が見込まれ、強みのある技術・ノウハウを最大限に活かして、世界のインフラ需要を積極的に取り込むことにより、我が国の経済成長に繋げていくことが期待されている。
国内での新規建設投資の縮小が見込まれるインフラ産業においても海外事業が国内事業と並ぶ重要なビジネスとしての位置づけを確保するためには、いわゆる政府開発援助(ODA)事業に頼ることなく、世界の建設市場に対する戦略的な行動を継続して実践することが求められている。先端技術が詰まった機器の輸出、技術のライセンス供与、コンサルティングサービスだけでなく、インフラの設計、建設、運営、管理等を含むシステムとしての受注や事業投資等の市場のニーズに合致したビジネスモデルを考える必要がある。
本特別講演会では、世界のグローバル企業のトップリーダとともに、インフラ産業におけるグローバル戦略を語り、我が国のインフラ産業の海外展開戦略を考えるきっかけとしたい。
第3回:世界のコンセッション事業における土木技術者の多様な役割
1.講演会の内容
(1)開催目的
コンセッション事業とは、高速道路、空港、上下水道などの料金徴収を伴う公共施設などについて、施設の所有権を発注者に残したまま、運営を特別目的会社として設立される民間事業者(SPC; Special Purpose Company)が行う事業を指す。
海外においては、建設業界がコンセッション事業の事業主(Concessionaire)として、また、請負者として活躍する例が多くなっている。我が国においても2015年12月には、国が100%出資する関空の運営会社・新関西国際空港株式会社は、仏建設大手VANCIの子会社であるバンシ・エアポートとオリックスを中心とした企業連合に関空と伊丹空港の運営権を売却する正式契約を結んだ。
今回のインフラ産業グローバルビジョン講演会は、世界のインフラに関わるコンセッション事業に関する知見を有する講演者より、コンセッション事業の形成、事業への参画の事例やリスク管理に関して講演、議論いただき、我が国のインフラ産業関係者のコンセッション事業参画促進の一助とすることを目的として開催する。
(2)プログラム(予定; 詳細は(3)を参照)
12:30 開場
13:30~13:40 開会挨拶(土木学会建設マネジメント委員会:三百田委員長)
13:40~14:25 Kevin Tynes氏講演(中南米におけるコンセッション事業と各プレイヤーの役割)
(講演30分、質疑応答15分目安;計45分)
14:25~15:10 Sang Hoon Kim氏講演(コンセッション事業の請負受注対策・障害)
(講演30分、質疑応答15分目安;計45分)
15:10~15:55 坪井健太郎氏講演(建設業の立場から見たコンセッション事業のリスク管理)
(講演30分、質疑応答15分目安;計45分)
15:55~16:15 休憩&パネルディスカッション準備
16:15~17:45 パネルディスカッション
(パネリスト:Kevin Tynes氏、Sang Hoon Kim氏、坪井健太郎氏、小澤一雅氏、安間匡明氏、平井節生氏、ファシリテーター;福本勝司氏、テーマ:コンセッション事業参加のために、日本のインフラ産業は何をしなければいけないか ? (講演者およびファシリテーター以外の登壇者による話題提供を含む)
17:45~17:55 閉会挨拶
18:00~19:30 意見交換会
(3)講演者・講演内容とパネルディスカッション
講演者①
Kevin Tynes:Chairman, Nippon Koei Latin America - Caribbean Co., Ltd., 日本工営株式会社執行役員
コンセッション事業を請負うコンサルタントの立場から講演する。中南米における様々なタイプのコンセッション事業について、事業の仕組みと、これらの中でコントラクターやコンサルタントが果たす役割について説明する。
講演者②
Sang Hoon Kim:Director of Port Development Div., Ministry of Fisheries, Korea, 元大宇建設株式会社副社長
コンセッション事業を請負うゼネコンの立場から講演する。コンセッション事業のEPCコントラクターがどういった基準で選ばれるか、どのようにして業務を受注したか、業務受注のためにコンセッション事業への投資が必要かなど、コンセッション事業の請負受注に必要な事項、障害となる事項について説明する。
講演者③
坪井健太郎:フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所東京オフィスシニアリーガルコンサルタント
米国における高速道路事業のコンセッション契約作成・リスク分析の経験や途上国のプロジェクトファイナンス案件審査・交渉の経験を踏まえ、公共施設のコンセッション事業における主要なリスクの所在、事業者・請負者間のリスク配分のあり方および請負者として参加する場合のリスク管理について説明する。説明にあたっては、可能な限り近時の事例で実際に合意された内容に触れるとともに、融資での資金調達を想定し、金融機関に受け容れられるリスク配分・管理のあり方についても解説する。
パネルディスカッション
テーマ: コンセッション事業参加のために、日本のインフラ産業は何をしなければいけないか ?
パネリスト: Kevin Tynes, Sang Hoon Kim, 坪井健太郎
小澤一雅(東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 教授)
安間匡明(国際協力銀行(JBIC)取締役)
平井節生(国土交通省総合政策局海外プロジェクト推進課課長)
ファシリテーター: 福本勝司(株式会社大林組常務執行役員)
上記講演者とファシリテーターを除く登壇者による話題提供(10分/人計30分)に続き、コンセッション事業のEPCコントラクター請負いのために、何をしなければいけないか、土木技術者の役割は何か、また、取らなければならないリスク、回避できるリスクについて議論する。