平成25年10月28日(月)13:30から土木学会AB会議室にて、第36回報道記者懇談会が開催された。今回のテーマは「土木技術者の役割と責務について(「土木学会将来ビジョン(仮称)に関連して」)である。
土木学会では、創立100周年事業の一環として、「土木学会将来ビジョン(仮称)」を作成している。この「土木学会将来ビジョン(仮称)」は、次の100年に向けて、日本、アジア、世界の未来像とこれに貢献する土木技術者のあり方・役割をまとめるものであり、この要旨をとりまとめて「土木学会100周年宣言」を作成する予定である。
将来ビジョンの紹介に先立ち、橋本会長からは「土木技術者の役割と責務について」と題し、会長の考えが紹介された。土木技術者は、社会環境の変化が認識される現在、持続可能(サステイナブル)で強靭(レジリエント)な社会を実現するために、国民に安心・安全なくらしの礎を提供する役割を持つ。そのため、土木技術者は土木の本質・原点を意識し、積極的に社会貢献する姿勢として「真の公共」を実現するのが土木技術者の責務であるとされた。
次に、将来ビジョンについて、特別委員会副委員長の屋井教授(東工大)から、作成中のビジョンの紹介があった。ビジョンは、土木界と土木界以外の両方に向けて示すことにしており、土木界に対しては、土木技術者の「あり方・役割」(目標としての北極星)の明示・共有化 することにより、今の若手土木技術者のモチベーションアップ や組織トップに行動を起こしてもらうための契機となれば良いと考えている。土木界以外に対しては、市民の土木への理解、共感を促し、日本の政策責任者やアジア、世界に対して次の行動を起こすための提言となれば良いと考えている。
今後は、2014年1月の理事会で中間案を提案、承認後、会員からの意見を踏まえた上で、2014年7月の理事会で最終提案を提出、承認を得る。さらに100周年記念式典で「土木学会100周年宣言」として発表予定である。
最後に、土木の日実行委員会の高橋委員より、平成25年度土木の日に関連する行事の説明がされた。本部行事としては、11月19日(火)14:00より高橋裕名誉教授(東大)を講師に招き「土木偉人映像展~清きエンジニア~廣井勇」および、「討論会/50年後のドボク(テーマ:復興の現場から見た土木工学の進むべき道)」(ファシリテータ:木村亮教授(京大)、プレゼンター:平野勝也准教授(東北大)、コメンテータ:橋本会長、磯部次期会長、山岡淳一郎氏(ノンフィクション作家)、福田和代氏(NHK報道局専任ディレクター)が予定されている。また、11月21日(木)~24日(日)新宿駅西口地下広場において、「土木コレクション2013」が開催される旨、説明がされた。
話題提供者:
土木学会「土木学会将来ビジョン」策定特別委員会副委員長 屋井鉄雄
同 副幹事長 高野 昇
土木学会 土木の日実行委員会 委員 高橋 薫
土木学会 会長 橋本 鋼太郎
同 専務理事 大西 博文
社会コミュニケーション委員会 幹事長 緒方 英樹(司会)
同 企画部会長 大幢 勝利