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第5回アジア土木技術国際会議

アジア土木技術国際会議(CECAR)

第5回アジア土木技術国際会議(5th CECAR)開催報告

アジア土木学協会連合協議会(ACECC)担当委員会
委員長  堀越研一

1.ACECCの概要と理事会報告
(1)ACECC 概要
 2010年8月8日~8月11日、アジア土木学協会連合協議会(ACECC:Asian Civil Engineering Coordinating Council)の第19回 理事会、ならびに、第5回アジア土木技術国際会議(5th CECAR:Civil Engineering conference in the Asian Region)がオーストラリアのシドニーにて開催された。
 ACECCは、アジア域内の持続可能な社会資本の整備を目指して、各国の土木関連学協会が学術・技術面の協力を行うものであり1999年9月に正式に発足した。発足から10年以上が経過して徐々に加盟国も増え、現在、日本、アメリカ、フィリピン、台湾、韓国、オーストラリア、ベトナム、モンゴル、インド、インドネシアの10ヵ国に加え、オブサーバーとしてカンボジアが参加している。
 ACECC理事会は、ACECCにおける最高議決機関であり1年に1~2回の頻度で各メンバー国、もちまわりで開催されている。また、アジア土木技術国際会議(CECAR)は、ACECC主催のもと、3年に一度、開催される国際会議であり、各学協会会長のみならず、産官学の主要メンバーが一同に会するACECCの一大イベントである。第1回大会を1999年にマニラ、第2回を2001年に東京、第3回を2004年にソウル、第4回を2007年に台北で開催し、 ソウルや台北大会では1000人を越える技術者が世界中から集まっている。

(2)第19回理事会
 第19回理事会は、5th CECAR開催直前の8月8日に開催され、土木学会からはACECC担当委員会委員長の堀越に加え、阪田憲次 土木学会会長、古田均 国際委員会委員長、住吉幸彦 ACECC代表、古木守靖 専務理事、日下部治ACECC担当委員会顧問、山口栄輝 ACECC担当委員会 副委員長ほか、ACECCや土木学会国際部門に係わる多数の関係者が参加した。
 第19回理事会での最大の審議事項は、現在、CECAR開催国による持ち回りで、3年毎に受け継がれているACECC事務局の常設化である。事務局常設化の必要性は、前回の理事会(2010年2月に韓国釜山で開催)時点でほぼ合意に達している。常設事務局の受け入れに関しては、土木学会のみならず、ASCE(米国)、KSCE(韓国)、PICE(フィリピン)の4カ国のメンバーが招致の希望を表明している。第19回理事会では、招致希望国に対する基本方針を確認するとともに、次回、第6回CECAR(2013年インドネシアで開催)後からの正式運営を目指して、ACECC定款を改訂し、最終的な常設事務局設置国を決定することとなった。ACECC常設事務局を日本の土木学会に招致することは、アジア域内の社会資本整備に関して日本のプレゼンスを高める上で非常に意義のあることであり、土木学会、ひいては日本の建設産業の国際戦略を勘案しながら産官学一体となって招致を目指すべきであると考えている。

(3)会長会議(Presidential Meeting)
ACECC加盟10カ国の土木関連学協会 会長が一同に会することは極めて貴重であり、この機会を利用して、会長会議(presidential meeting)が開催された。前回大会(4th CECAR)の際に決議された台北宣言(添付3)を引き継ぐものであり、事務局のオーストラリアが原案を作成し、各会長らの議論を経た上で、最終的には、文末に示すような共同声明(添付1,2)を発表した。


ACECC 理事会および5th CECAR 開催会場(Sydney Convention Centre、 Darling Harbour)

写真-1 ACECC理事会後の記念撮影

2.第5回アジア土木技術国際会議(5th CECAR)
(1)開会式
 

 5th CECARは、今までのCECARとは異なり、オーストラリア構造工学会議(ASEC:Australasian Structural Engineering Conference)との併設開催となった。会議のテーマは、「Innovative Community Building (革新的な社会の構築)」となっている。会議への最終登録者数は、603名であったことが閉会式で報告されている。
 開会式では、5th CECAR 組織委員会委員長、ACECC会長および各学会長が壇上に並び、開催都市シドニーが属するオーストラリア ニューサウスウェルズ州の知事(Governor) であるMarie Bashir教授を、オーストラリア国家斉唱のもとに迎え、格式高く行われた。(オーストラリアの州知事は、州におけるエリザベス2世の代理の役目を果たしている。)5th CECARは、ACECC設立10周年をむかえての初の開催でもあり、初代ACECC会長である岡田宏氏のメッセージが、日下部治ACECC担当委員会顧問(初代ACECC事務局長)によって伝えられた。その後、Governorの演説、ACECC会長のPaul Mitchell氏の演説によって開会式が盛大に行われた。

開会式の様子(NSW州知事によるスピーチ)

(2)セッション運営、論文投稿状況
 5th CECARに投稿された全論文数は、ASECへの投稿分と合わせて300件を超えた。このうち、土木学会からの投稿は58件となっている。第3回大会(ソウル)、第4回大会(台北)と比較して開催地が遠方であること、開催期間が日本の夏休みと重なること、など土木学会からの発表論文数が懸念されたが、最終的にはACECCメンバー国の中ではオーストラリアに次ぐ論文数となった。

 会議開催にあたっての基調講演は、イギリスのRoger Plank教授による「欧州における構造工学の現状」、台湾のJenn-Chuan Chern教授による「台湾におけるモラコット台風の復興戦略」、オーストラリアのIan Firth氏による「メルボルン、West Gate橋の補強と機能向上」、の3題であった。また、一般セッションは、7つのトラックに別れるパラレルセッション方式で進められた。

 特に、Sustainable Infrastructure(持続可能な社会資本)に関するセッションでは、各学会長からの発表が行われ、土木学会の阪田憲次会長が、Concrete Technology in the  Era of Global Warming と題した講演を行った。


阪田憲次 土木学会会長による講演
一般セッションの状況

 また、フィリピン土木学会が中心となって開催したACECC技術委員会TC-7による特別フォーラム「Disaster Mitigation and Preparedness Strategies (DMAPS) 災害の軽減と事前の戦略」では、元土木学会会長の石井弓夫氏による”An Integrated Framework of Flood Risk Management for Climate Change”の講演が行われた。

 その他、土木学会が担当している技術委員会(TC)によるフォーラムとして、アジア域内の設計基準の調和に関する特別フォーラムが開催された。同技術委員会は、前回の台湾大会にて設立が認められたものであり、本城勇介岐阜大学教授が委員長を、堀越が幹事を務めている。3年間の活動の中で、設計基準の調和に関するワークショップを3回(台北、仙台、ハノイ)、フォーラムを2回(台北、今回のオーストラリア)で開催してきた。今までの活動を通して、ACECCメンバー国内での設計基準に関わる情報共有、人的ネットワークの構築、性能設計に関わる用語集の普及などにつとめてきた。技術委員会(TC)としては、今回のフォーラムで活動を終えるが、土木学会としては、引き続き、アジア域内の設計基準に関わる情報共有に努めること、支援の要望があった場合にはACECCを母体としながら、それぞれのニーズにあった支援を続けること、などの意思表示を行った。

(3)ACECC賞の表彰
 ACECCでは、3年に一度のCECARの機会を利用して、アジア域内、ひいては世界の土木技術の発展に貢献のあった個人、ならびにプロジェクトに対し表彰している。個人に対しては、”ACECC Civil Engineering Achievement Award”、 が授与されるが、中村英夫(東京都市大学 学長)、台湾のJenn-Chuan Chern氏、韓国のKuang-Il Kim氏の3名が受賞した。また、プロジェクトに関しては、台湾高速鉄道(新幹線)が最高位の”Outstanding Civil Engineering Project Award”、これに続き、韓国のIncheon Bridge、日本のBali Beach Conservation Project、インドのDelhi Metro Rail Projectが、”Civil Engineering Project Award”を受賞した。次回は、2013年にインドネシアで開催される第6回アジア土木技術会議(6th CECAR)の場で表彰式が行われる予定である。 

ACECC Civil Engineering Achievement AWARD を受賞した中村英夫氏
ACECC Civil Engineering Project AWARDの受賞
(Bali Beach Conservation Project、 日本工営株式会社)

(4)学生論文コンテスト
 CECARの開催にあわせて、ACECC参加学協会、各1人ずつの枠の学生論文が募集され、土木学会では多数の応募の結果、東京大学大学院の酒井雄也氏の論文“Numerical Analytical Discussion For Practical Application of Ductile Concrete with Expansive Additive”が選定され、一般セッションの場で発表が行われた。(なお、5th CECARは、オーストラリア側組織委員会の最終的な詰めが十分であったとは言い難く、特に投稿論文の取り扱いに関して一部の参加者に大変なご迷惑をおかけしました。ACECC担当委員会としてお詫び申し上げる次第です。)

3.おわりに
 ACECC加盟国が10を越え、その活動が活発化するにつれて、ACECC担当委員会の活動、ならびにCECARに向けた準備作業も多忙を極めた。ACECC担当委員会幹事団、特に山口栄輝副委員長(九州工業大学)、鳥居雅之幹事長(西松建設)、飯島健幹事(前田建設工業)、中野雅章幹事(日本工営)をはじめ、関係各位のご尽力、ご協力により、土木学会としてのリーダーシップをとるべく、十分な貢献を示すことができたと考えている。あらためて関係各位に厚く感謝の意を表する次第である。
 また、5th CECARの開催に向けて協賛金を拠出いただきました建設コンサルタンツ協会、並びに、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設の建設各社に厚く感謝の意を表します。
 あわせて、同会議に論文を投稿し発表していただきました多くの方々、学生論文コンテストに応募された多くの学生諸氏、ACECC 賞に応募してくださった多くの方々に感謝の意を表します。

 なお、次回、第6回アジア土木技術国際会議は、2013年8月20日~23日にインドネシアのジャカルタにて開催される予定となっている。ACECC担当委員会としましても、日本の建設産業、そして土木学会が、世界の中でのプレゼンスをさらに高めるべく、最善を尽くす所存ですので、今後とも、ご支援をお願いしたいと考えております。

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(c)Japan Society of Civil Engineers