1. 趣旨
道路橋床版に関する研究委員会は平成10年に立ち上がり、すでに4期を経てきました。平成21~23年度の第4期「道路橋床版の維持管理評価に関する検討小委員会」では、初めて道路橋床版(コンクリート系を対象)の維持管理を取り上げ、その成果物として「道路橋床版の維持管理マニュアル」を発刊するとともに、その損傷防止対策としての防水層の役割に注目した「道路橋床版防水システムガイドライン(案)」も併せて発刊いたしました。さらに平成24年度には東京、大阪、札幌、福岡の各都市でこれらの講習会を開催させていただきました。
従来、床版の損傷原因は、輪荷重による疲労破壊が主として扱われてきましたが、床版厚が次第に厚く見直され、床版耐荷力が増す中で、塩害や凍害などの材料劣化と疲労との複合劣化や、補修後何年かして生じる再劣化の事例も多く、これらをも対象とした検討も必要となってきています。原行のマニュアルやガイドラインでもこれらについて触れておりますが、バックデータに欠ける部分があることは否めません。
また、凍害の影響を受けた床版やアルカリ骨材反応が見られる床板に関する研究が、いくつかの機関で実施されてきており、今後これらの床版に関する調査や試験が進展することも期待できます。さらに床版防水についても、その施工実施が増える中で、得られる調査データや、それらをもとにした施工法・管理法の改善が期待できます。
本小委員会(第5期)では、これらの新たな試験結果、調査データ、施工に関する管理手法などを反映させ、より実務的で説得力のあるマニュアル、ガイドラインに改訂していくことを目指します。
2. 活動期間
平成25年6月 ~ 平成28年3月(予定)