土木学会誌の「国際センターだより」のページでは、土木学会の国際活動の一端を紹介しています。国際センターが毎月発行している「国際センター通信」と合わせて是非ご一読ください。
■第3回CECAR8 組織委員会報告
ACECC(アジア土木学協会連合協議会)の主要活動の一つであり、今回は土木学会がホスト役となって、2019年4月に開催する「第8回アジア土木技術国際会議」(略称:CECAR8)に向けて、CECAR8組織委員会(委員長:茅野正恭氏(鹿島建設(株))と、企画部会、総務・財務部会、学術部会、行事部会が中心となって準備を進めている。
第3回CECAR8組織委員会(2018年9月19日開催)では、第2回委員会(昨年12月開催)以降の、各部会による準備の進捗状況の確認、プレナリーセッションの決定した3名の講演者、論文の提出状況、展示企画、テクニカルツアー、予算計画などについて意見交換が行われた。また、CECARの折に、加盟学協会が協力してACECCとしての宣言等を作成、発信しており、CECAR8会期中に発表予定である「東京宣言(案)」の原案についても検討がなされた。
CECAR8ウェブサイトにて、会議のプログラム、参加登録等の主要日程、関連情報等を随時更新・掲載しているので、ぜひご覧いただきたい。(http://www.cecar8.jp/)
茅野LOC委員長による組織委員会開会あいさつ
■CECAR8 早期登録締切迫る!!
CECAR8の早期参加登録は、オンラインにて2018年6月より開始し、2019年1月末で締め切る。まだ手続きをお済でない方は、ぜひこの期間に参加登録をお願いしたい。詳細については、CECAR8ウェブサイトをご参照いただきたい。皆さまの積極的なご参加をお待ちしている。
■【予告】第13回「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」シンポジウム
毎回好評をいただいている「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」シンポジウムの第13回目を2018年12月18日(火)、土木会館講堂において開催する。
今回は「シンガポールの地下鉄事業と地下鉄トムソンイーストコーストラインT228工区の建設(仮)」をテーマとし、西松建設株式会社のご協力のもと、シンガポールの地下鉄事業の概要、工事や技術面でのチャレンジや課題、現場での創意工夫を紹介いただく予定である。参加ご希望の方は、土木学会ホームページの「本部主催行事の参加申込」から参加登録を行っていただきたい。
■平成30年度土木学会スタディー・ツアー・グラント報告
スタディー・ツアー・グラント(以下、STG)は「公益信託土木学会学術交流基金」の助成を受け、海外協定学会、海外分会の推薦を受けた学生および若手技術者を一週間日本に招聘し、参加者が日本国内の研究施設や建設現場を視察しながら、日本の最新土木技術にふれ、第一線の土木技術者と交流を深めることなどを通じて、将来、日本との懸け橋となるような土木技術者の育成を目的としているプログラムである。
本年度は、ミャンマー、ベトナム、モンゴル、トルコ、フィリピン、タイ、バングラデシュの7か国から1名ずつ招聘し、鹿島技術研究所、鉄道総合研究所、東京外かく環状道路の工事現場他を視察した。
その後参加者は北海道へ移動し、北海道大学で開催された第20回インターナショナルサマーシンポジウムで研究発表を行った。発表では日本国内で学んでいる留学生と活発な意見交流を行った。
北海道では石狩川の治水をテーマとして、川の博物館、生振捷水路、北海道電力石狩湾新港発電所建設現場などを訪れた。
短い滞在期間ではあったが、STG参加者には得るものが大きかったようである。「初めて国外での発表で緊張したが、委員のみなさんのサポートのおかげで、無事終えることができよかった。」とのコメントがあった。
最終日での食事会にて
■平成30年度全国大会 国際関連行事の紹介
平成30年度土木学会全国大会が北海道大学札幌キャンパスにて8月29日~31日に開催された。国際パネルディスカッション、第20回インターナショナルサマーシンポジウム、若手技術者ワークショップなどを実施した。本行事には海外協定学協会、海外分会から約30名、日本で学ぶ留学生、海外若手技術者約40名にご参加いただいた。
国際パネルディスカッションでは、米国土木学会(ASCE)からの参加者が、インフラレジリエンスについて基調講演を行った。また国土交通省北海道開発局が、2016年台風10号による洪水災害に対する取り組みを紹介した。
第20回インターナショナルサマーシンポジウムでは、活発な参加者による活発な意見交流が行われた。若手技術者ワークショップでは、参加者が地震で被災した市の首長を演じ、被害の対応方針や復興への目標を検討、議論した。
詳しい行事の報告は今後発信される国際センター通信、国際センターだよりをご覧頂きたい。
若手技術者ワークショップの参加者たち
国際センターだより (2018年10月発行)
■「日本の土木系学科における国際教育シリーズ」の紹介
国際センター・情報グループでは、国際センター通信No.68(2018年6月4日発行)より、新連載記事「日本の土木系学科による国際教育シリーズ」を開始した。
第一回目は、京都大学の取り組みについて紹介した。京都大学では、学部・修士課程に国際コースを設置し、学部入学から卒業まで一貫して英語のみの教育を行っている。留学生の出身国は16か国を数え、卒業後は、日本、さらには海外で就職し活躍している。
また当大学では、留学生を受け入れるにとどまらず、日本人学生の国際化にも力を入れており、海外インターンシップ制度や英語ゼミ、海外学会での発表など、将来世界で活躍できる土木技術者の育成を目指している。詳細は本記事掲載号をご覧頂きたい。
本シリーズでは、これからも国内の大学の土木系学科が実施する国際化への取り組みを紹介していく予定である。今後とも国際センター通信にご注目いただきたい。
シリーズ第一回目となる京都大学
■「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」第12回シンポジウム開催報告(国際センター主催)
国際センター・プロジェクトグループ主催「世界で活躍する土木技術者シリーズ」第12回シンポジウムが2018年7月19日(木)に土木会館講堂にて開催された。今回は土木学会関西支部、豊橋技術科学大学、東亜建設工業(株)名古屋支店の3か所へライブ配信を行い、総参加者数は延べ166名であった。
今回「世界の港湾インフラ建設工事~バヌアツ国ポートビラ港ラペタシ国際多目的埠頭整備計画~」をテーマとし、第一部では国土交通省港湾局と国土交通省 国土技術政策総合研究所より基調講演、港湾インフラシステムの海外展開、日本の港湾設計・施工基準の海外への技術移転について基調講演があった。
第二部では施工者である東亜建設工業(株)からバヌアツ共和国ポートビラ港国際多目的埠頭工事について工事概要、契約面での苦労、現場で使用した技術の紹介、海外赴任者の現地での生活などプロジェクトの紹介に留まらない幅広い発表がなされた。
なお、次回、「第13回世界で活躍する土木技術者シリーズ」シンポジウムの開催を2018年12月に予定している。
参加者でいっぱいとなった土木学会講堂
■第3回JSCE-CICHEジョイントワークショップの開催
2018年6月1~2日、台湾・台中市にて第3回JSCE-CICHEジョイントワークショップが開催された。このジョイントワークショップはJSCEとCICHEの情報交換の強化を目的として始まり、第1回目は台湾・高雄市、第2回は東京、で開催された。
今回は日本から大内雅博教授(高知工科大学)、白旗弘実教授(東京都市大学)他台湾グループ、地震工学委員会、そして九州大学大学院、高知工科大学大学院、法政大学大学院の学生が参加した。
1日目のオープニングでは王炤烈CICHE会長、大内教授、白旗教授による挨拶があり、その後基調講演が行われた。その後、「Special Activity for Young Engineers」と題する若手ワークショップが開催され、国籍問わず、数チームに分かれて若手技術者が課題に取り組んだ。
午後には4分野でパラレルセッションが開かれ、発表・意見交換がなされた。2日目は、CICHEの案内による台中高速鉄道(MRT)の駅工事現場や台中駅の新駅舎建築工事現場の視察が行われた。
来年第4回目を迎える当ジョイントワークショップは、日本で開催を予定している。日台間の交流促進が今後も期待されている。
なお本ジョイントセミナーは公益信託土木学会学術交流基金による助成を受けて実施された。
台湾高速鉄道工事現場にて
■プロジェクトグループ活動紹介
プロジェクトグループでは、①基準の国際化への取組み、②インフラ国際貢献・国際協力アーカイブスの構築、③「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」シンポジウムを軸に活動している。
①基準の国際化への取り組みについて、国内の基準の国際化の動向を踏まえて、現場の土木技術者にとって有益な情報の提供を目指しており、この秋に基準に関するシンポジウムを開催する予定である。
②については、2014年土木学会創立100周年記念事業の1つとして、日本のODA事業の関係者にヒアリングを行い、冊子にまとめた。以降、アーカイブス・ワーキンググループを中心に、プロジェクトのアーカイブス化を継続して行っている。今年度は2件の新規プロジェクトを土木学会英語版HPに公開している。
③については、世界各国で活躍する日本の土木技術者や土木技術を広く紹介するとともに、日本の若手技術者に海外でのプロジェクトの関心を高めてもらうことを目的としている。現在までに11回のシンポジウムが開催され、今年度は2回開催する予定である。
プロジェクトグループの詳細な活動については、国際センターHPをご覧いただきたい。
2018年1月に開催された世界で活躍する土木技術者シリーズ第12回シンポジウム
■平成29年度 土木学会国際関係賞の紹介
土木学会賞のうち、国際貢献賞、国際活動奨励賞、国際活動協力賞が、平成30年6月8日(金)の土木学会定時総会にて25名に授与された。受賞者のうち6名は海外の方であり、国際貢献賞は1名、国際活動協力賞は5名である。
表1 平成29年度国際貢献賞・国際活動協力賞の海外の受賞者
学会賞 | 氏 名 | 所 属 |
国際貢献賞 | Kyaw Linn | ミャンマー建設省 副大臣 |
国際活動協力賞 | Shrestha Robinson | (株)建設技研インターナショナル 道路・交通部次長 |
何 海明 | 大成建設(株)関東支店 土木部土木室課長代理 | |
安 雪暉 | 清華大学 土木水利学院教授 | |
Nguyen Thi Tuyet Trinh | (ベトナム国)交通運輸大学(UTC) 都市交通海岸工学科長 国際教育部長 准教授 |
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Pham Hoang Kien | (ベトナム国)交通運輸大学(UTC)准教授 |
国際貢献賞は日本国内外の活動を通じて、国際社会における土木工学の進歩発展あるいは社会資本整備に貢献し、その活動が高く評価された2名の日本人、ならびに日本の土木工学の発展あるいは日本の土木技術の国際交流に貢献した1名の外国人に授与された。
また国際活動協力賞は、日本国内外の交流・協力活動を通じて、土木工学の進歩発展に貢献し、今後とも活躍が期待される外国人の方に授与された。
前日の6月7日(木)には平成29年度土木学会国際貢献賞、国際活動協力賞のお祝いの会が開催され、国際貢献賞を受賞されたチョウ・リン副大臣、そして今後も活躍が期待される国際活動協力賞を受賞された何 海明氏、グエン・ティ・テユエ・チン氏、ファム・ホアン・キエン氏の3名の方々をお迎えし、記念講演会、交流会の2部構成として開催された。
記念講演会では藤野陽三委員長(国際貢献賞選考委員会)のあいさつと受賞者の紹介から始まり、それぞれ受賞者に発表をいただいた。会場であった土木会館講堂には80名程度の参加者の姿があり、発表について熱心に聴講する様子がみられた。交流会は立食形式にて開催され、和やかな雰囲気の中、受賞者を囲い、交流が深められた。
7日に開催されたお祝いの会にて
※土木学会誌8月号紙面上掲載の国際センターだよりには「国際貢献賞は土木学会創立80周年記念事業の顕彰として創設され…」と記載がございますが、記念事業の顕彰ではなく、正しくは第1回目の受賞式が土木学会創立80周年記念式典にて行われたとの間違えでございました。お詫び申し上げます。
■海外プロジェクトアーカイブスの新規コンテンツの追加
国際センターアーカイブスWGが土木分野の優れたODA事業の記録について、関係者の方々にヒアリング等を行い、新たなコンテンツを2編、土木学会英語版HP公開をした。
ぜひ土木学会の英語版HPの「Publication」のプルダウンメニューから「Project Archives」をクリックしてご覧いただきたい。(URL:http://www.jsce.or.jp/e/archive/)
新たに追加された「コロンボ港開発プロジェクト」と「スエズ運河工事プロジェクト」
■アジア土木学協会連合協議会(ACECC)のTC21がベトナムにおいて現地調査およびシンポジウムを実施
ACECCの21番目の技術委員会(Technical Committee: TC)であるTC21(共同議長:竹内邦良、Romeo S. Momo)は、分野・部門横断的アプローチ(Transdisciplinary Approach:TDA)による災害に強い社会づくりの促進支援を目的として設立された。本会(JSCE)主導のもと、各国の防災体制や科学的知見に基づくDRR(Disaster Risk Reduction)の現状と参考事例の調査により、災害の根本的な原因や、防災の成功・失敗の要因を把握し、それを共有することを目指して活動している。
2018年4月9日から15日にかけて、ベトナム・ハノイで開催されたACECC理事会に合わせて、TC21会議および第3回国際シンポジウムを開催するとともに、現地防災関係者に対するヒアリングと現場視察を行った。海岸浸食被害が著しいナムディン省における現地調査では、被害の現状を確認するとともに、現地政府と災害軽減に関して協議した。また、国際シンポジウムでは、理事会や現地からの参加者を集めて、8ヶ国・地域よりTDAの事例が紹介され、活発な議論が行われた。
今後は、科学的知見を確実にDRRに反映させるためのTDAに基づく包括的な仕組みを検討し、防災の専門家でなくてもわかる成功の鍵となる要因や仕組み等を示した参考図書のドラフトの作成を予定し、参加各国のDRRの改善提案や特定事例への適用を進めることにしている。
なお、今回のJSCEメンバーの活動は公益信託土木学会学術交流基金の助成により実施された。
海岸浸食と台風被害により崩壊したHay li地区の教会
■大石会長 欧州視察
2018年4月21日から27日にかけて、大石会長、上田副会長、ほか4名がドイツ工学会(ZDI)、バイエルン州住宅・建築・道路省、英国土木学会(ICE)を訪問した。ドイツでは、ZDIは基準やインフラ政策へ提言すること、その一方で教育機関との連携が少ないことをうかがった。またヘルマン会長のご案内で、ドイツの技術力を誇るアイブ湖とドイツ最高峰ツークシェピッツェを結ぶロープウェイ建設現場を見学した。
英国では、ICE本部にてメア会長、ハリス会員部門担当、コール国際部門担当に迎えられ、社会経済を支えるインフラ整備・維持管理の重要性について活発に意見が交わされた。最後に、両学会長がさらに交流を深めることを確認し、協力協定書(AOC)の更新にサインした。
ロープウェイ建設現場にて (左:ヘルマン会長)
AOCにサインをするメア会長と大石会長
■第20回サマーシンポジウムの紹介(留学生グループ)
留学生グループでは、在日留学生に対して、英語での発表機会および国際的な技術交流の場を提供することを目的としたサマーシンポジウムを毎年開催している。今回で記念すべき20回目を迎え、本年度も第73回年次学術講演会と同時開催を予定しており、留学生同士が交流する絶好の機会であるワークショップの準備を進めている。サマーシンポジウムおよび本年度のワークショップの詳細についてはこちらのHPをご覧いただきたい。
(サマーシンポジウムウェブサイト:http://www.jsce-int.org/event/symposium)
H29年度若手技術者ワークショップの様子
■台湾花蓮地震調査
地震工学委員会は、3月4~7日に台湾東部花蓮市に調査団を派遣し2018年2月6日に発生した地震の被害調査を実施した。調査の期間中には、中国土木水利工程学会(CICHE)の王炤烈会長および台湾地震工程研究センター(NCREE)との情報交換も行われた。この調査団には、国際センターとCICHEが共催する第3回JSCE-CICHEジョイントワークショップ(6月1、2日台中市)に参加いただき、調査について講演いただく予定である。
■YTU-MES-JSCEジョイントシンポジウムフォローアップミーティング
昨年10月28、29日ヤンゴン工科大学にて実施した第1回YTU-MES-JSCEジョイントシンポジウムのフォローアップミーティングが、3月28、29日に同大学で開催された。土木学会から国際センター長上田多門教授(北海道大学)、構造工学委員会前委員長白土博通教授(京都大学)、国際センターミャンマーグループ担当ティハ氏(日本工営(株))を派遣した。ミーティングでは、ヤンゴン工科大学学長、副学長、ミャンマー工学会、建設省等関係者が集まり、今後の方針、実施時期等を相談し、このシンポジウムが若手技術者の研究活動を促進する一助となるよう協力していくことを確認した。
フォローアップミーティングの様子
■CECAR8早期登録開始
6月より、CECAR8の早期会議登録を開始します。登録および詳細については、こちらのサイトをご覧いただきたい。(CECAR8ウェブサイト:http://www.cecar8.jp/)
積極的なご参加をお待ちしている。(CECAR8の準備状況については、2018年学会誌5月号pp.72-73を参照頂きたい。)
■国際センター通信・新連載の紹介
国際センターでは、毎月和文と英文で「国際センター通信」をメール配信し、土木学会の活動を国内外に発信している。国際センター発足当時から発行し、2018年5月号で第67号となった。
掲載記事は、土木学会が関与する国際シンポジウムやジョイントセミナーの開催報告、海外協力協定学会との国際交流の報告、海外分会活動の他、調査研究部門の各委員会の活動紹介、日本在住の外国人留学生の活動紹介などを掲載している。さらに、2017年6月から土木学会誌との連動企画である「土木のアラムナイ」も毎号掲載している。
これらに加え、今年から新たな連載をスタートした。まずは「海外プロジェクト紹介」である。日本の技術をより積極的に海外へ発信するため、日本の企業が建設に関わった海外建設プロジェクト紹介を予定している。これまでにも不定期で掲載を行ってきたが、2018年からは連載化し、年4~5回程度に掲載頻度を増やすこととなる。また、日本の土木系学科における国際教育について海外に発信するため「国際コース紹介」も連載を開始する。国際教育に積極的な大学の取組みや今後のあり方(国際教育に関する理念・方針、国際コースの概要、英語授業や論文発表の概況など)を紹介する予定である。
新たな連載企画を加え、益々充実してきた国際センター通信を、是非お読み下さい。
タイ・バンコク MRTパープルラインプロジェクト
■CECAR8 ブース出展企業募集中
アジア土木技術国際会議(CECAR)は、アジア地域の13の土木学協会で構成するアジア土木学協会連合協会(ACECC)が3年に一度開催している国際会議である。アジア各国で活躍する産官学の土木技術者が専門分野の枠を超えて一堂に会する貴重な機会となっている。この8回目の会議、CECAR8が2019年4月16日〜19日に東京で開催を予定している。
CECAR8の期間中、約60の展示ブースの設置を予定しており、3月中旬より、ブース出展企業の募集を開始した。(8月31日締切)。インフラ整備が進む13以上のアジアの国・地域から集まる産官学の土木技術者に、各社の先進技術をPRしていただく絶好の機会のため、CECAR8展示ブースへの出展を検討いただきたい。
CECAR8の内容や募集要項など、詳しくはこちらのHPをご覧下さい。(CECAR8ウェブサイト:http://www.cecar8.jp/) 日本語サイトはコチラ
CECAR8 ブース出展募集要項
■「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」第11回シンポジウム開催報告(国際センター主催)
第11回目を迎える「世界で活躍する日本の土木技術者シリーズ」のシンポジウムが2018年1月24日に土木会館講堂で開催された。また、関西支部、中部支部の協力の下、シンポジウム初となる支部へのライブ配信も行われた。
今回は、世界最大級の中央径間を誇る吊橋「オスマン・ガーズィー橋建設工事」をテーマに、(株)IHIインフラシステムより、同プロジェクトの概要、工期短縮を実現した技術の解説、若手技術者の海外経験など、濃密な内容をご講演いただいた。当日は、すべての会場を合わせて100人を超える参加があり、質疑応答では、活発な質問が飛び交った。
本行事の実施に際し、ご協力、ご支援をいただいた関係各位に感謝申し上げる。
発表に聞き入る参加者
■YTU-MES-JSCE ジョイントセミナー開催報告
2017年10月28~29日に、ヤンゴン工科大学(YTU)にて、構造工学委員会がYTU、MES(ミャンマー工学会)とジョイントセミナーを公益信託土木学会学術交流基金の助成を受けて開催した。
本セミナーは、ミャンマー国内の産官学および日本の土木関係者による相互の情報共有・議論を通じて、ミャンマーの若手技術者の研究奨励、社会インフラ整備の現状共有、最新の土木技術に関するミャンマーでの社会実装可能性の検討などを狙いとしている。
各研究セッションでは、活発な意見交換が行われ、参加者全員に大きな刺激となった。セミナーの総参加者数は139名であった。なお、本セミナーは今後も継続的な開催を予定している。
来賓、Keynote Speakerとの集合写真
■地質リスク学会訪英調査・英国分会との交流報告
地質リスクマネジメントの普及に取り組んでいる地質リスク学会は、2017年10月22日~29日にかけて、「『地質リスク』海外調査ミッション」を実施した。
2017年10月25日には、土木学会の英国分会(分会長:齊藤大輔氏)の協力を得て、現地企業に勤務されている日本技術者の方々との意見交換会がロンドン市中心部にて実施された。
意見交換会では、技術的な情報のみならず、英国と日本との文化的・社会的違い、英国企業訪問では深堀できなかった話題など、幅広い意見交換が行われたとのことである。
英国分会メンバーとの記念撮影
■第3回留学生向け現場見学会・企業説明会(関西)開催報告
国際センターの留学生グループでは、日本で学ぶ留学生に日本の最先端の土木技術を知ってもらうとともに、土木関連企業に関する情報提供を目的として、留学生向け現場見学会・企業説明会を開催している。関西圏では、2014年12月と2016年1月に続く3回目を2017年11月24日に京都市において、留学生17名の参加を得て、関西支部と合同で開催した。
国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所および西松建設(株)にご協力いただいた国道9号京都西共同溝シールド工事現場では、工事概要のほか、多様化しているシールド機の現状について事前説明を受け、サイトでは、同社に勤務する海外の若手技術者も参加し、留学生に対応していただいた。
同日に京都リサーチパークで実施した企業説明会では、前半に参加企業4社のプレゼンテーションを行い、後半には、参加した留学生をグループに分け、グループ単位で順次企業担当者との面談を行った。
現場見学会・企業説明会ともに、留学生の関心は高く、企業との懇談においても、和やかな空気の中、質問をする留学生の姿が見られた。本行事の実施に際し、ご協力、ご支援をいただいた関係各位に感謝申し上げる。
(国際センター通信第63号の報告記事もお読みください。)
PRのために設置された大看板前で記念撮影
■第5回留学生向け企業説明会(東京)開催報告
留学生グループは、関西圏と同様に、関東圏でも留学生向け企業説明会を開催している。2013年7月の第1回を皮切りに、毎年開催しており、第5回目となる今回は、2017年12月16日に、土木会館講堂にて開催した。
当日は鉄道路線の運休というトラブルがあり、参加者は若干名減ったが、昨年度よりも多い37名の留学生が参加した。
企業説明会は2部構成の形をとり、第1部では国土交通省海外プロジェクト推進課の川畑亮二氏から、「International Cooperation on Infrastructure Development by MLIT」と題して講演していただき、日本企業に就職した元留学生のサンタ マン シレスタ氏からは就職体験談を披歴していただいた。
第2部では参加企業7社からプレゼンテーションが行われ、業務内容やプロジェクトに関する情報提供があった。その後、各企業と留学生の懇談がブース形式で行われ、日本における就職や各企業の海外展開について、活発な意見交換をする姿が見られた。
留学生にとっては、日本の土木関連企業の方々と直接対話できる魅力的な機会であり、自らの就職やキャリアパスについて考える良い機会となったのではと考えている。
(国際センター通信第65号の報告記事もお読みください。)
企業ブースにて熱心に質問をする留学生
■CECAR8組織委員会の第2回委員会を開催
ACECC(会長:日下部治氏(国際圧入学会))加盟13団体の主要行事である「第8回アジア土木技術国際会議」(略称:CECAR8)の2019年4月、東京での開催に向け、組織委員会(委員長:茅野正恭氏(鹿島建設(株))内の企画部会、総務・財務部会、学術部会、行事部会を中心に準備が進められている。
2017年12月8日には、第2回委員会が開催され、同年4月の第1回委員会以降の各部会での検討結果の確認に加え、プレナリーセッションの講演者、プログラムの構成、展示企画、テクニカルツアー、予算計画などについて意見交換が行われた。また、「Tokyo Protocol(仮称)」の原案作成方針が検討された。
CECAR8の案内サイト※では、本会議のスケジュール、論文投稿や参加登録等の主要日程、その他関連情報を随時掲載しているので、ぜひご覧いただきたい。
※ http://committees.jsce.or.jp/acecc/cecar
CECAR8組織委員会第2回委員会の様子
■恒例の台湾ツアーを実施(土木広報センター企画)
2012年10月に、創立100周年記念事業の一環として始まった土木学会選奨台湾土木遺産ツアー第5弾が2017年10月11日から14日に実施された。
日本統治時代の50年間、台湾の基本的なインフラ整備に尽くした日本人技術者たちの足跡を体感することがこの企画のテーマであり、毎回20名ほどの参加者を得ている。今回は、八田與一の烏山頭ダム、阿里山鉄道博物館、日月潭水力発電所、台湾大学・磯 永吉研修室などを視察した。
(詳しくは、日本語版HPおよび英語版HPに掲載されている国際センター通信第63号をお読みください。)
八田與一の銅像の前で
■JICA課題別研修で土木学会の事業概要を説明
国際センターでは、毎年、開発途上国の中央政府等公的機関の幹部行政官を対象に(独)国際協力機構(JICA)が実施している「社会基本整備における事業管理」コースの一講義として「土木学会の事業概要」を説明している。
2017年度は16名の研修員に対し、10月26日に土木会館会議室にて、本会の沿革や組織、活動目的のほか、継続教育制度や土木技術者資格制度、本会発行の各種示方書の活用状況等を説明し、人材育成や技術基準等への取組みの現況を紹介した。
最後に、毎回参加者の関心の高い土木図書館を案内した。なお、JICAが実施する集団研修には過去10年ほどの間に20回ほど参画し、来会した研修員の数は200名を超えた。
JICA研修生の面々(土木学会の銘板の前にて)
■米国土木学会(ASCE)年次大会に参加
2017年10月8~11日にルイジアナ州ニューオーリンズ市にて米国土木学会(ASCE)の年次大会が開催された。例年、多数のセッションと同時に、ASCEの事業報告、会長の交代式、賞の授賞式も行われ、土木学会の総会と全国大会が一つになったような会合である。毎回多数の学生会員が参加し、熱心にセッションに聞き入る姿が印象的である。
今回、土木学会から大石久和会長、塚田幸広専務理事をはじめとする派遣団が参加した。毎年、幅広いテーマでセッションが行われるが、近年はインフラ維持管理、老朽化、防災、資金調達関連が増えている印象を受ける。
大会中、ASCE幹部とミーティングを持った。ASCEからは、2017年から19年の会長3名、専務理事、国際部長などが参加し、意見交換を行った。大石会長からインフラ老朽化、維持管理等のテーマで情報交換や共同研究を提案したところ、ASCE側も共通の課題意識を持つ様子で興味を示していた。引き続きASCEと交流を図り、実現に努めたい。
本大会開催地であるニューオーリンズ市は、2005年8月ハリケーンカトリーナによって甚大な被害を受けている。今の町は復興した姿を見せているものの、足を止めれば壁には水が被った跡、レンガ造りの家の内部は住人が居たことを拒否するかのような様子が目に入った。この災害は次世代への教訓として語り継ぐべきことと再認識をした
ASCE会長3名が大石会長を囲む
■大韓土木学会(KSCE)年次大会に参加
2017年10月18~20日に、韓国・釜山市にて大韓土木学会(KSCE)の年次大会が開催された。土木学会から派遣団として、副会長兼国際センター長の上田多門教授(北海道大学)、土木情報学委員会から矢吹信喜教授(大阪大学)と蒔苗耕司教授(宮城大学)、他が参加した。現地にて土木学会韓国分会会長の金在權氏、前韓国分会会長の李東郁氏と合流した。
今回、国際ラウンドテーブル、国際学際フォーラム、土木リーダーズネットワーク(CELeN)ミーティングの各会議に前述の3氏が話題を提供した。蒔苗教授と矢吹教授は、インフラマネジメントにおけるBIM、AI等の先端技術の導入や有用性、課題を議論し、聴衆の関心を引いた。上田教授は、インフラ維持管理の意義を問いかけた興味深い議論であった。KSCEからは、この3氏の厚みある講演に対する感謝と今後も情報交換をしたいとの意見をいただいた。なお、CELeNは韓国内の外国人を主体とした若手研究・技術者のネットワークである。
最後に、ウェルカムレセプションでKSCE合唱団の伸びやかな歌声を聞き、土木学会会員を中心とした男声合唱団であるシヴィル・クワイアとの合同演奏会を期待したくなった。
国際ラウンドテーブルで講演に聴き入る参加者
国際センターだよりバックナンバー