令和元年に発生した台風19号(Hagibis)は,大型で猛烈な勢力に発達し,関東甲信地方,静岡県,新潟県,東北地方の広い範囲において記録的な大雨となり,各地で甚大な被害をもたらしました.この記録的豪雨により,国管理河川6水系7河川12箇所を含む,計20水系71河川140箇所で堤防が決壊し,大規模洪水被害を引き起こしました.本台風は,洪水氾濫被害以外にも,台風を伴う土砂災害として過去最大の962件の土砂災害を引き起こした他,千葉県を中心とした風災害,静岡県,神奈川県では高潮,高波災害をもたらしました.さらに,この台風上陸から約2週間後,日本南岸の低気圧と台風21号により,千葉県,茨城県,福島県などでは再び記録的な豪雨となり,連続して洪水被害を受けることになりました.令和元年には,この他にも令和元年8月佐賀県豪雨災害や台風15号によって千葉県に甚大な風雨災害を受けました.このように複合要因により広域に甚大な被害をもたらす災害が連続して生じる危険性も浮き彫りにされました.近年では,平成27年9月関東・東北豪雨,平成28年8月北海道豪雨災害,平成29年7月九州北部豪雨,平成30年7月豪雨など,毎年のように記録的な豪雨災害が発生しており,異常気象による豪雨の定常化,極端現象の頻発化が生じております.この事実に対して,土木技術者として安心,安全な社会をどのように構築するかを考えることが喫緊の課題と言えます.
米国においてハリケーン・カトリーナの教訓を生かし,平成24年のハリケーン・サンディによる被害を軽減したタイムラインの考えが広まったように,災害の多い我が国において,災害調査データを取り纏め,情報発信することは土木学会の使命のひとつであり,学術分野への貢献のためには,論文集を介して情報を共有・発信することが必要です.そこで,土木学会論文集,J.JSCEの活性化の取り組みの一環として,以下に示す令和元年風水害に関して,豪雨,洪水・氾濫,高潮・高波,土砂災害や,交通,構造物などのインフラ被害などの報告,速報論文を取り纏めた特別企画をすることといたしました.本特別企画に関するスケジュール,投稿方法は以下の通りです.皆様から積極的な投稿をお待ちしております.
□ スケジュール
日程 | 土木学会論文集(和文) | Journal of JSCE(英文) |
2020年2月10日(月)~ | 投稿開始 | |
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投稿締切 |
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2月~6月 ※調整中 | 査読期間(随時スタート) | |
8月末 ※調整中 | 登載可否決定 | 英文翻訳依頼 |
12月20日 ※調整中 | J-STAGE掲載 | |
11月~2021年3月※調整中 | 査読,校閲期間 | |
2021年2月末 ※調整中 | 登載可否決定 | |
5月20日 ※調整中 | J-STAGE掲載 |
□ 投稿要領
・本企画への投稿は,土木学会論文集投稿システム(https://jjsce.jp/)からログイン後,新規投稿にお進みいただき,論文,報告,ノートのいずれかの投稿区分を選んでください.扱いは,特別企画論文,特別企画報告,特別企画ノートとなります.
・投稿分冊にはS2分冊(令和元年風水害報告特別企画)を選んでください.なお,この分冊は本特別企画の投稿用分冊であり,掲載論文の公表段階では,読者の便を考え,豪雨災害との関連性が最も強い既設のB1分冊の特別企画として,一括して掲載されます.また,本災害データの国外への情報発信のため,登載が決定した論文は英文翻訳論文をJ.JSCEへ投稿いただくよう推薦される予定です.
・査読希望分冊は,論文キーワードから希望する分冊をお選びください.
・投稿要領,論文書式,査読方法等は土木学会論文集各分冊に準拠します.詳しくは,土木学会論文集投稿要領のページ(http://committees.jsce.or.jp/jjsce/j_post)を参照ください.
□ 連絡先
公益社団法人 土木学会 研究事業課(論文集係)
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目(外濠公園内) TEL:03-3355-3559 / FAX:03-5379-0125
edi@jsce.or.jp
添付 | サイズ |
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200526土木学会論文集特別企画S2(令和元年豪雨災害)-投稿募集案内.pdf | 168.36 KB |