1. 趣旨
近年の世界的な「自然・気象の凶暴化」とでもいうべき現象の多発は、かつて構築した「人々の生命財産を守るための土木の活動領域(フロント)」の拡大・再構築をわれわれ土木に突きつけている。さらにわが国では、土木が守るべき人々の高齢化、地域の壮年人口の減少が現実のものとなっている。生産年齢人口減少に対して生産性の向上が必要であり、そのためにはモビリティの向上を図る交通インフラの充実が不可欠となる。加えて、集中しすぎる首都圏と崩壊する地方が、日本国の脆弱性をもたらしている。自助・共助・公助のどれもが厳しい方向に変化しており、今後さらにその傾向が増す。自然と向き合う「フロントの再構築」は喫緊の課題である。
このため、土木・工学のみならず公共経済学、法学、土地所有など幅広い視点で議論した上で、今一度土木のスコープ、活動領域を見直す必要がある。そこで本懇談会は、「土木」のスコープを拡大することをテーマとし、具体的な行動に結び付けていくような議論を行う。
2. 委員名簿
座長 石田 東生 筑波大学名誉教授
学会長 大石 久和 土木学会
委員 茅野 正恭 鹿島建設(株)
委員 木村 亮 京都大学教授
委員 栗田 啓子 東京女子大学
委員 小池 淳司 神戸大学
委員 長谷川 伸一 パシフィックコンサルタンツ(株)
委員 藤井 聡 京都大学
委員 山田 正 中央大学
事務局 塚田 幸広 土木学会
事務局 石郷岡 猛 土木学会
事務局 湯浅 岳史 土木学会