土木分野におけるセンサの利用は特に施工、維持管理を行う上で不可欠となっている。情報化施工は衛星測位をはじめとする各種のセンサで支えられているし、今後増大する構造物の維持管理業務を更新時期を集中させずに効率よく実施するためには、センサによる劣化度等の情報が欠かせない。そのために画像処理、MEMS、非破壊検査やRFID(ICタグ)などのセンサの応用が図られ、データ収集を効率よく行うセンサネットワークが展開されつつある。しかしながら、土木分野としてセンサ利用をどのように位置付けて活用を考えるのか、あるべき姿の議論が不足している。また、土木分野に特有の要求仕様が個別のセンサに十分に反映されていないなど、利用者からメーカーに対する情報発信が十分でない。一方、利用者にとっても業務で必要とするセンサに関する技術情報を的確に収集することは、情報が分散しているため容易ではない。
本小委員会の目的を以下に示す。
1) 土木分野におけるセンサ利用のあるべき姿、標準化、費用対効果、市場性等に関する議論を行い提言として公表する
2) センサに関する技術情報、利用情報を収集、整理し、センサに関するポータルサイトの運用を通じて狙い・分野・技術などを特化した専門的な情報を提供する
3) 個別のセンサ利用に関する土木分野の要求仕様を取りまとめるとともに、利用指針を策定して公表する
情報利用技術委員会では、長年に亘って産学官の技術者が集い、施工や維持管理における各種センサ利用技術の研究発表と討論を実施してきた。これまでの研究分野をベースとして、産学官が連携して調査、研究を行い、提言、利用指針策定、情報発信を行う。ただし、個別のセンサデータ評価については専門家に任せ、主に情報利用技術の観点からセンサ利用を議論する。そのために他の専門委員会や団体との協働を積極的に行うこととする。さらに、土木分野におけるセンサへの要求仕様を整理し、ニーズ、市場性、実現に向けての課題を示すことにより、センサメーカーへの橋渡しを目指す。
以上