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2012年度第25回映画コンクール受賞作品

  平成24年度映画コンクール受賞作品は
  • 最優秀賞 「東日本大震災、現場の戦い ~すべては被災地のために~」
  • 優秀賞 「ボスポラス海峡横断鉄道トンネル-海底をわたる風-」
  • 準優秀賞 「地下岩盤に築く –倉敷国家石油ガス備蓄基地 水封式地下岩盤貯槽 建設の記録-」

に決定いたしました。

 

【最優秀賞 1作品】

「東日本大震災、現場の戦い ~すべては被災地のために~」
企画・製作:国土交通省 東北地方整備局 
2012年

 当作品は東日本大震災における現場の土木技術者・従事者の活動を描いた記録映像である。第1部「啓開」は震災直後に徳山東北地方整備局長の指揮により実施された、沿岸部道路の啓開作業「くしの歯作戦」を記録した映像であり、国土交通省の初期対応や具体的な啓開作業の状況、余震が頻発する中、自らも被災者でありながら大量の瓦礫で行く手を阻まれる現場で献身的に「啓開」作業に携わった地元の従事者の証言などが映し出され、当時の状況がリアルに伝わってくる。
第2部「地域支援」は、被災した各自治体にリエゾンとして派遣された国土交通省職員による支援活動、TEC-FORCEによる被災地での活動を紹介した映像である。徳山局長の「ヤミ屋のおやじ」宣言を受けて、派遣された職員たちが現場の手足となり、行政の枠を超えて困難な要請に応えていく姿が映し出されている。
第3部「防災教育」では、地道な活動により長く受け継がれてきた防災教育を紹介している。過去の経験を伝承する「てんでんこ」の実践が功を奏し、津波から逃げ切ることが出来た釜石市の小・中学生の生々しい証言も取り上げられた。
震災直後の現場の土木技術者・従事者の決断と戦い、緊急時の組織の姿、持続的な防災教育の重要性を撮影した数少ない貴重な映像であり、次代への財産として残すに足る作品である。
 

東日本大震災現場の戦い

同パッケージより

【優秀賞 1作品】

「ボスポラス海峡横断鉄道トンネル-海底をわたる風-」
企画:大成建設(株) 制作:日映企画
  監督:降幡 和則  2010年

 当作品はボスポラス海峡に海底トンネルを造り、二つの大陸を結ぶプロジェクトを克明に追った記録映像である。ヨーロッパとアジア二つの大陸は、トンネルの北側に建設された二つの長大橋で結ばれていたが、トルコ経済の中心で1,000万を超える人口を抱える大都市イスタンブールでは、町を東西に分断するボスポラス海峡がネックとなり、慢性的な交通渋滞に悩んでいた。そこで、トルコ政府は海峡の底にトンネルを造り、地下鉄を走らせて懸案の交通問題を解決しようとする。全長13,530mのトンネルは2004年8月に着工し、6年半後の2011年8月に貫通した。1,387mの海峡部は最大深度60メートルに達する海底に11の函体を沈め、連結して海底トンネルを形成するが、潮の流れが複雑で、函体の沈設は難しい作業となった。一方陸地部は、古い歴史を誇るイスタンブール中心部に当たるため住宅や遺跡が密集し、コンパクトなNATM工法を含む、様々なシールド工法を駆使して複線の地下鉄トンネルと駅の建設が進められた。当作品では、この困難な事業をトルコの二つの企業とジョイントベンチャーを組んで、言葉や文化の違いによるコミュニケーションの壁を乗り越え完成に導くまでの過程を記録している難工事に取り組む現場の技術者達の姿や、今回採用された最新の土木技術の数々が、実写とCG映像を組み合わせ、分かりやすく紹介されており、海外での巨大プロジェクトを丁寧に記録した映像作品として、評価された。
 

ボスポラス

同パッケージより

【準優秀賞 1作品】

「地下岩盤に築く –倉敷国家石油ガス備蓄基地 水封式地下岩盤貯槽 建設の記録-」
企画:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 
 制作:(株)毎日映画社 2013年

LPガスは約80%を海外、主として中近東からの輸入に依存していることから、国の施策として安定的な供給をはかるため、国家備蓄に関する制度が整備された。当作品は、岡山県倉敷市の水島コンビナート内に建設された倉敷国家石油ガス備蓄基地の建設記録映像である。当該施設は地下約180mの地点に建設された高さ24m、幅18mの、LPガスの貯蔵施設としては世界最大級の貯槽となっている。また、国内で初めて、主としてプロパンガスを常温・高圧の状態で地下水圧によって封じ込める水封式地下岩盤貯槽方式が採用された。日本の岩盤は組成年代が新しく不安定な条件にあるため、亀裂性岩盤や断層や変質帯等の影響を多々受けたが、施工中の計測、分析、評価を通じて何度も設計を修正しつつ最新技術を導入し、最後の気密試験までを成功させた。当作品はこの建設過程を忠実に記録した他に類をみない貴重な映像であり、今後の教育的な活用の展開なども期待される作品である。
 

地下岩盤

同パッケージより

 

(c)Japan Society of Civil Engineers