第28回土木学会映画コンクール受賞作品紹介
企画:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東急建設株式会社
制作:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東急建設株式会社、公益財団法人 鉄道総合技術研究所
監督:渋沢 重彦
2018年
本映画は、鉄道・運輸機構、東急建設JV、鉄道総研の土木技術者が、東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸鉄道北リアス線の一日も早い復旧に向けて想いをつなぎ、「目に見える復興のシンボル」となるGRS一体橋梁を完成させ、北リアス線全線再開を通じ、被災された三陸沿岸の人々を力づけた奮闘記録である。一般市民の方々に土木技術者の役割を伝えるため、通常の工事記録映画とは異なるドキュメンタリー映画の手法を用いた記録映像となっている。
企画:緒方 英樹
制作:富山県世界遺産登録推進事業実行委員会、虫プロダクション株式会社
監督:泉 悦子
2017年
この映像は、安政の大地震(飛越地震 1858年)によって立山カルデラ内で大崩壊が起き、土砂との闘いを決意した人々を描いたアニメーションドラマから始まる。この土地は、明治24(1891)年に富山県に招へいされたオランダ人土木技師デ・レーケもカルデラの状況を見て「崩壊地の処理は手の施しようがない」「山を全部銅板で覆う必要がある」と言ったほど富山県は困難を極めていた。大正~昭和期にかけて「砂防の父」と呼ばれた赤木正雄博士が計画し、様々な砂防堰堤を建設され、今なお、砂防工事は続けられている。映像では、富山という地域と人々が、歴史的な災害に何度も遭遇してからこれまでどのように立ち向かってきたのか、その過程で、土木技術者や行政など関わった人々が築いてきた立山砂防システムの価値とは何かについて、CGや実写を交えて、立山砂防の役割やその価値について解説し、初心者にも分かりやすい作品になっている。
企画:熊本県
制作:大日本コンサルタント株式会社、株式会社RSKプロビジョン
監督:小野 博行
2018年
地域高規格道路「熊本天草幹線道路」の一部を構成し、熊本県上天草市と宇城市をつなぐ「天城(てんじょう)橋」は、平成30年5月20日に開通、橋長463m、アーチ支間長350m、アーチ橋としては国内2位、ソリッドリブ形式のアーチ橋としては国内で1番の長さを誇る長大橋である。当記録映像は、平成26年秋から始まった橋梁本体の架設工事の様子を、平成30年5月の供用開始まで捉えたものである。
企画・制作:鎌倉市防災安全部
2016年
相模湾を望む美しい海岸線と緑豊かな丘陵地に囲まれた鎌倉市は、古くから谷戸に沿って市街地が発達し、古都としての赴きを色濃く残す一方、津波襲来時の災害リスクを常に伴っている。首都圏に位置し交通至便なベットタウンとして機能する一方、一年を通じて多くの来訪者が訪れる観光都市でもある鎌倉市では、景観上の配慮から高層建築物の建設や道路拡幅、施設や住居の高台移転などは実現しにくいといった制約があるなか、住民と観光客の迅速な避難のための施策を最重要課題の一つと捉え、ソフト、ハードの両面から対策を進めている。本作は、鎌倉市の津波避難の原則として浸水想定区域外や高台への速やかな移動、区域外への避難が困難な場合の津波避難建築物への一時避難などの避難の原則や、津波に関する基礎知識、日頃から避難経路や避難場所の確認などの準備の重要性を訴え、津波防災意識の啓発に資する事を目的に制作されたものである。