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ホーム › 2006年 › 尻屋埼灯台

尻屋埼灯台の解説シート

概要

名称
尻屋埼灯台
しりやさきとうだい
所在地
青森県/下北郡東通村
竣工年
明治9年
選奨年
2006年 平成18年度
選奨理由
日本の灯台の父R.H.ブラントンが手がけ、近代灯台建設の始まりを伝える貴重な施設。現存の煉瓦造灯塔は国内最大級。

沿革や緒元・形式

本州最北東端に位置する青森県下北郡東通村尻屋崎の突端に、白亜の灯台が立っている。尻屋埼灯台は、1876(明治9)年10月20日、東北では最も古い洋式灯台として石油灯にて点灯した。1901(同34)年には、日本初の自家発電式灯台となった。光度は国内最大級の53万cd、光達距離は18.5海里(約34㎞)、高さ32.82m(地上〜頂部)で、レンガづくりの灯台としては日本一の高さを誇る。このスタイリッシュな灯台を設計・建設したのは、日本の灯台の父と称される、英国(スコットランド)人のリチャード・ヘンリー・ブラントンである。

わが国が近代的な灯台建設を始めたのは、開国間もないころである。当初は外国の圧力によるものであったが、時代が幕末から明治に入ると世界各国との貿易が積極的に行われ、船舶の航行安全を早急に確保する必要があった。当時の日本は灯台を建設する技術的能力がないことから、外国にそれを依頼するほかはなかった。そこで当時、灯台について先進国であった、英国とフランスに技術者の派遣と建設、設備の調達を要請した。まず、観音崎、野島崎、城ヶ島、品川の四つの岬については、フランソワ・レオンス・ヴェルニーとその配下のフランス人が工事に着手した。その結果、観音埼灯台が一番早く、わが国第1号の灯台として1868(明治元)年暮れに完成した、翌日初めて日本の海を灯台の光が照らした。

その後の灯台建設は、幕府時代に正式に委嘱を受けていた英国人の手へ移された。実際にそれを推進していったのが、1868(明治元)年8月に日本に到着したブラントンを長とする3人の土木技術者たちである。ブラントンは、1876(明治9)年まで日本に滞在して28基(灯船2、灯竿3を含む)の灯台を手掛け、尻屋埼灯台がその最後の仕事といわれる。

尻屋埼灯台は太平洋戦争末期の1945(昭和20)年7月、機銃掃射と艦砲射撃により地上21.34m以上のレンガ部分が被災し、灯ろう部もほとんど破壊された。その後、1950(昭和25)年1月、被災部分をRC造および石造により再建している。一方、高さ21.34mまでの灯塔、分銅筒は、明治6〜9年の建設当時に函館で焼成したレンガが現在も使用されている。なお、1999(平成11)年には、CFRPにより耐震補強を施している。
レンガ積みを観察すると、レンガの長手寸法が少しずつ異なっていることがわかる。レンガ単体でも外側の長さが内側より長く(つまり台形)、また、外側の列のレンガの長手寸法は、より内側の列のレンガのそれよりも長い。これらを組み合わせてレンガを積むことにより、無理なく円形のレンガ壁を構築できることが確認される。

青森県下北半島に位置する尻屋埼灯台の区域は、4月から11月までの期間、入口ゲートが開放され灯台付近まで行くことが可能である。毎年7月の「海の日」前後には一般公開が行われ灯台内部にも入ることができる。また、尻屋埼灯台周辺の広大な草原台地は放牧地帯にもなっており、緑の芝生、青い海、そして寒立馬(かんだちめ)と絶好のロケーションを有している。

以上のように、尻屋埼灯台はわが国近代の発展(海上交通)の基礎となった灯台建設を伝える歴史的・文化的に貴重な施設である。そして現在でもなお太平洋津軽海峡地域における航行船舶の安全を守る要として、また観光を通じた地域活性化のシンボルとしてその役割を果たしている。

諸元・形式:
航路標識番号 1601[F6630]
北緯 41°25′49″
東経 141°27′44″
初点 1876(明治9)年10月20日
灯質 単閃白光 毎10秒に1閃光
レンズ 二等フレネルレンズ
光源 メタルハライドランプ(100V 400W)
光度 53万カンデラ
光達距離 18.5海里(約34km)
高さ 45.70m(海面~灯火)/32.82m(地上~頂部)
管轄 海上保安庁第2管区八戸海上保安部

(出典:尻屋崎灯台,阿波 稔,土木学会誌93-3,2008,pp.72-73)

所在

青森県下北郡東通村尻屋崎字尻屋1-1

保存状況など

 

見どころ

 

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