3.11東日本大震災は、安全安心な国づくりを営々として進めてきた我々に対する国民の信頼に大きな疑念を生じさせることになった。大きく損なわれた技術者に対する信頼をどのように回復するべきか、土木学会では東日本大震災特別委員会の特別活動として「社会安全研究会」を設け、23.7に一年間にわたり続けられてきた“社会安全”についての様々な議論を集約し、さらなる具体的な議論へと発展させて、社会安全に向けて責任を果たすべく中間的な取りまとめを行った。さらに24.3までに中間とりまとめをより具体的にするために、哲学・理念の整理と実践活動としての工学連携を日本工学会参加の他分野学会と協働で模索してきた。
本研究会の活動は本報告書をもって一区切りにするが、このような誠に大きな課題に対する明快な回答を短期間に期待することは全く不可能であると言ってもよい。そのため土木学会では、これからの活動として、哲学・理念を土木学会倫理規定にどう反映させてゆくかについて議論を継続すること、および実践活動としての工学連携を土木学会100周年事業の中でさらに具体化していく方策を模索しているところである。
本研究をすすめてきたものとして、“社会安全”という概念が広く技術界さらに市民社会のなかで議論されることを強く期待している。
2013年6月
委員長 山本卓朗
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【報告書】H24社会安全研究会活動報告2013年6月 | 1.13 MB |