令和5年度より環境工学委員会委員長を務めております、東北大学の李玉友です。土木学会・環境工学委員会は、上下水道システム、水処理・廃棄物処理と資源回収・循環の要素技術、水環境系の管理・制御などの研究開発を担っています。現在、気候変動による様々な影響が顕著になっている中、循環型社会の形成、脱炭素化社会の構築と実現をはじめ、国際化、デジタル化、AI活用など社会的課題が大きく変化しており、土木学会環境工学委員会の活動もこれらの社会的変化に機敏に対応しなければいけません。このような認識を踏まえて佐野大輔幹事長、環境工学委員会運営幹事および委員の皆様ともに、環境工学委員会を効率よく運営して参ります。環境工学委員会活動に携わる研究者・技術者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
伝統ある環境工学委員会の精神を受け継ぎ、日本の環境工学分野のさらなる発展につながるよう活性化させていくことが重要だと考えます。その原動力は本委員会に関わっている会員の皆様の活動と豊かな発想によるところが基本であり、 “みんなで盛り上げていこうという情熱”が最も重要だと思います。委員会活動の活性化や内容の充実を図るために、環境工学委員会の中に、論文編集小委員会の他に次のような小委員会が設置され、それぞれ個別の課題について活動を進めています。以下に各小委員会の名称と委員長先生のお名前をまとめてご紹介いたします。
中長期下水道施設システム調査小委員会:楠田哲也先生
環境技術思想小委員会:楠田哲也先生
臨床環境技術小委員会:伊藤禎彦先生
水インフラ更新小委員会:滝沢智先生
下水道の持続可能性向上に寄与する先端融合技術に関する調査小委員会:藤原拓先生
上下水道におけるIoT・ICT・AI活用小委員会:山村寛先生
また、環境工学委員会の活動のメインイベントの1つは、環境工学研究フォーラムの開催です。このフォーラムは歴史が古く、1964年から始まり今年の開催で61回目を迎えます。当初は衛生工学研究討論会と称され、査読付き原著論文を投稿し、それに対する討議を行い、査読付論文集を発行していました。その基本的スタイルは現在も変わりありませんが、【審査付論文A】と分類している発表論文は土木学会論文集G(環境)の特集号としてJ-Stageに収録されるようになっています。また、学会活動の活性化を図るため、【自由投稿発表】と【環境技術・プロジェクト】の発表カテゴリも追加され、大学院学生および企業からの参加と論文発表もしやすいように工夫されています。2024年度第61回環境工学研究フォーラムは、【審査付論文A】が46件、【自由投稿発表】が58件、【環境技術・プロジェクト】が22件となっているほか、「上下水道行政一元化元年に考える環境工学研究の方向性」と題する60周年記念特別講演とパネルディスカッションも開催する予定となっています。来る第61回環境工学研究フォーラムは多くの企業賛助をいただきながら、2024年11月26日~11月28日の日程にて新潟市で現地開催される予定です。皆様の多数のご参加をお待ちしております。
環境工学委員会委員長
東北大学大学院工学研究院 土木工学専攻 環境保全工学分野
李 玉友