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「土木と市民をつなぐ、命の架け橋」

投稿者:土木広報センター 投稿日時:水, 2023-08-09 17:11

全国土木弁論大会2023「有馬優杯」 優秀賞 

「土木と市民をつなぐ、命の架け橋」 松村竜貴

命の架け橋、あなたはこの言葉から何を思い、何を感じますか

土木関係者と一般市民の思いによる対話、これが私の考える命の架け橋です。

 

かつて陸上自衛隊の小隊長として、15名もの隊員の命を預かった私。

今は政治行政の発信者として、命を守るメッセージを無我夢中で考える私。

 

政府や土木エンジニアの近くで、広報のサポートをして気づいたことがあります。

 

実は土木構造物にはいくつもの防災対策があるのに、私たち市民はそれにほとんど気付いていない。

勿体無い。

 

だからこそ伝えたい。

「命を守りなさい!」という土木関係者から市民への願いを届ける、命の架け橋が今、必要なのではないでしょうか。

 

1923年9月1日、マグニチュード7.9の巨大地震が関東を襲いました。

10万人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災です。

 

2023年までの100年間で交通路の整備や建築材料の進歩など、土木テクノロジーは大いに発展しました。

一方で100年後を生きる私たちは自然災害から命を守る知識を備え、行動しているでしょうか。

 

1995年阪神淡路大震災。

6,000人以上の尊い命をその多くが、押しつぶされる「圧死」という形で失いました。

1人ひとりがタンスなどの家具にポールやストッパーなどの転倒防止器具を取り付ける。

築42年を超える古い耐震基準の建物は耐震工事を行うか、建て替える。

こうした取り組みの積み重ねがあなたの命を守ります。

 

もう少し土木に近い話をしましょう。

 

忘れもしない2011年東日本大震災。

1万5千人を超える命が津波によって奪われました。

あなたは震災後に日本全国で整備が進められた「津波避難タワー」の存在を知っていますか。

政府や土木関係者が命を守る取り組みを推進し、市民がそのメッセージに耳を傾けることで、初めて防災施設の効果が十分に発揮されます。

 

だから私は、何度でも言います。

防災を政府任せにするのはやめよう。

防災を土木関係者任せにするのはやめよう。

わたしたちの手で私たちの命を守る、知識と行動を身につけよう。

 

私は、陸上自衛隊を退職後、会社員の傍ら予備自衛官として訓練を重ね、大規模災害などの有事の際には、出動できる準備を整えています。

 

さらには救命講習を受講した上で、防災士の資格も取得手続き中です。

 

大規模災害の発災後、数日間は地域の防災リーダーとして、救える命をひとつでも多く救いたいと思います。

予備自衛官としての招集後は、より大規模な災害派遣を支えるこの国の力になりたいと考えています。

 

普段からの市民自身による防災対策の重要性は、私も強く感じています。

誰でも今日から出来る防災対策が、沢山あります。

 

皆さんは防災バックを1人1つ、用意していますか?

私は今年、生活スタイルの変化に伴い、防災バックの中身を見直しました。

 

懐中電灯や非常食、救急品など必要なものをひとつひとつ揃える。

さらには、防災バックの収納場所を決める過程において、実際に災害が起きた時の避難経路を考えるきっかけにもなりました。

そうした「物の準備を通じて、心の準備も出来る。」ということが、防災バックを用意することを強くお勧めする理由です。

 

関東大震災から100年を迎える2023年。

10万人を超える尊い命が奪われた9月1日は、皆さんの中にどう刻まれているでしょうか。

 

私は本弁論大会を通じて、自分と家族、そして地域の命を守ることに想いを馳せ、行動する日だと気付きました。

 

私は、土木とは少し縁遠い人間かもしれません。

世の中の大多数は、そうでしょう。

 

だからこそ、土木関係者と一般市民を繋ぐ対話という架け橋を強化することで、防災意識を持つ人々の輪を広げ、助かる命を確実に助けることが出来る。

 

そう、確信をしています。

 

「防災を人任せにしない」あなたとともに是非、この対話の輪を広げるための議論と行動をしたいと思います。

 

このスピーチが、「土木と市民をつなぐ、命の架け橋」になることを願って、御礼の言葉に代えさせていただきます。

 

(c)Japan Society of Civil Engineers