令和5年度の土木学会中国支部長を仰せつかりました中国地方整備局長の森戸と申します。どうぞよろしくお願いいたします。はじめに、令和4年度の支部運営の任にあたられた、広島大学河合教授、半井教授、内田准教授におかれましては,事業の運営に多大なご尽力を頂きましたこと、心より御礼申し上げます。
本年は9月13日~15日に、土木学会全国大会が広島で開催されます。G7が終わったばかりであり、全国的・世界的にも広島が注目されています。そのような中、全国大会を開催することは非常に意義深いものがあります。
ご存知のとおり、広島は1945年8月6日原子力爆弾により壊滅的な被害を受けました。70年草木も生えないと言われた地ではありましたが、めざましい復興を遂げ、現在、市内では広島駅南口再整備事業など大規模な開発が進み、更に飛躍しようとしています。広島の今があるのは、諸先輩方が戦後の苦難な状況のなか、信念と技術を持って復興に尽力された賜物だと考えております。しかし、現代は、激甚化・頻発化する災害、インフラ施設の老朽化、人口減少や高齢化に伴う深刻な人手不足など新たな課題が顕在化しています。加えて、SDGsに向けた取組みやCO2の削減,ポストコロナの新しい社会の構築などのグローバルな課題も山積となっています。多面的で複雑な課題を抱えた先の見えない時代において、安全・安心・持続的な社会を構築・維持して次世代に引き継いでいくためには,土木界の新たな挑戦が必要だと考えています。広島県は、ポストコロナの新しい社会として、リスク回避のため、適切な分散と、社会経済活動を活性化させるための適切な集中を両立する「適散・適集社会」を提唱されておられます。