11日の東北関東大地震については、報道を通じて皆様もよくご存じのことと思います。
まずは、土木学会中国支部としても、犠牲になった方々のご冥福をお祈りしますとともに、
まだ救出されずに救助を待っている方々が一人でも多く、早く救出されることを、また、
被災地が一日も早く復興することをお祈り申し上げます。
今回の地震災害は、想定されていた宮城県沖地震(M7.5)を遙かに超える超巨大な
地震でした。
実は、昨年私は三陸海岸の大船渡を中心に、明治の三陸津波、昭和の三陸津波、
チリ地震津波などの記念碑と、その後の津波対策を見るためにずっと視察して回りました。
堤防も各所に設けられ、津波に対する注意を呼びかける標識も市内の各所にあり、
ハード、ソフト両方とも完全ではないにしても、過去の津波災害の教訓は生かされ、
過去の津波と同程度の津波に対してはかなり被害の抑止力があると思いました。
しかし今回の惨状を見ると、一体今までおこなってきたことは何だったのか、という虚脱感
さえ覚えます。
実は、今回の各地で見られる風景は、昭和21年にも見られました。高知市の現在と
昭和21年南海地震後の写真他を添付します。
西日本もこれから大変な時を迎えます。一人でも犠牲者を少なくするために、私たちは
土木技術者としてハード、ソフトの両面で最善を尽くす必要があります。また、社会に
対して発言をしていかなければならないと思います。
四国の各大学、県、国土交通省四国地方整備局は連携を取りながら来たるべく
南海地震にそなえて、BCP(事業継続計画)、DCP(地域継続計画)に取り組み
始めています。
私たち中国支部も、四国支部と連携を取りながら、中国地域の安全を確保しながら
南海地震など四国に何かあったときにはすぐに救助にいけるような体制を整えておく
必要があるのではないかと考えています。
私の任期もあと僅かになりましたが、次期支部長の井上先生にしっかりと引き継いで
おきたいと思います。
安全で安心して生活できる社会づくりに頑張りましょう。 2011.3.14 三浦房紀
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(社)土木学会中国支部 支部長 三浦房紀
山口大学大学院理工学研究科 環境共生系
山口大学工学部 循環環境工学科 教授
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