原子力土木委員会傘下 複合災害下での原子力防災における避難の課題と対応に関する研究小委員会では、下記の公開ワークショップを開催いたします。多様な分野からのご参加をお待ちしております。
日 時 : 2026年8月7日(金)13:00~17:00
場 所 : オンライン開催(Zoom)
タイトル : 自然災害および原子力災害の複合災害への対応 -避難の在り方を考える-
主題:
原子力土木委員会は、地震などの自然災害が発生した際に原子力災害が発生する複合災害時における原子力防災対策、特に避難に対する現行の課題を整理するため、WGを設置し活動を進めてきました。2011年東日本大震災による原子力発電所の事故や、2022年の能登半島地震による原子力発電所周辺の被災状況より、避難に対する課題として発電所周辺インフラの被災や災害関連死などの課題が改めて明確となりました。原子力発電所の周辺自治体の住民避難をより実効性のあるものとすることを目的として、それら課題に関する対応の考え方と解説の作成するための小委員会を設置し、活動してきました。今後の複合災害時における避難の在り方について、また、これまでにとりまとめてきた課題とそれへの対応の考え方について、様々な視点で意見を伺い、さらに議論を行うことにより、より実効性の高い技術資料を作成するため、公開ワークショップを実施いたします。
参加費 : 無料
定員 : 200名
スケジュール:
【司会】中村 晋(幹事,日本大学)
13:00-13:05 開会挨拶 小委員長 蛯澤勝三
13:05-13:45 活動の経緯と「原子力防災の現状分析と土木分野の果たす役割の整理分析WG」の成果報告:中村晋(委員,日本大学)
13:45-14:25 基調報告「原子力防災の現状」:山本晃弘(委員,福井県)
14:25-15:25 技術資料「自然災害及び原子力災害の複合災害への対応 -避難への対応の考え方と解説-」の基本構成概説:蛯澤勝三
15:25-15:35 休憩
15:35-16:55 パネル討論「原子力防災に関わる多様な問題意識の共有」:座長 高田毅士(委員,東京大学)
パネラー:山本晃弘氏(委員), 山田崇裕氏(近畿大学・教授),関係学協会,立地自治体関係者,メディア等
16:55-17:00 閉会の挨拶:佐藤栄一(幹事長,新潟工科大学)
参加申込: 参加をご希望される方は,以下のサイトからお申込みをお願いいたします。
https://www.jsce.or.jp/events/form/282601
【注意事項】 動画のスクリーンショット・録音・録画・二次利用等は禁止いたします。
参加申込時にメールアドレスをお間違いないようご入力願います。
Zoomのアクセス情報等は、お申込み完了後に送付される「参加券メール」をご確認ください。
参加申込締切日 :2026年7月31日(月)
申込締切前に定員に達する場合がありますのであらかじめご了承ください。
なお、締切日以後の事後受付はいたしません。
土木学会継続教育(CPD)制度: 3.7単位(認定番号:JSCE26-0785)
行事終了後、「CPD受講証明書申請フォーム」よりご申請いただくことで受講証明書を発行いたします。
「CPD受講証明書申請フォーム」は、お申込み完了時に送付される「参加券メール」をご確認ください。
受講証明書の発行は、本行事への事前参加申込頂いた方のみとなります。
建設系CPD協議会加盟団体システム利用者は、各団体のルールに沿って、CPD単位の申請をお願い致します。
他団体へCPD単位を登録する場合は、その団体の登録のルールに則って行われます。
単位が認定されるかどうかは、直接その団体にお問合せください。
お問合せ: 土木学会事務局 研究事業課 事務局担当:小林
TEL:03-3355-3559
E-mail: h-kobayashi(at)jsce.or.jp (メールアドレスの(at)は@に変更しご利用ください)
原子力土木委員会幹事団
1.講演会開催情報
日時:2026年3月19日(木)9:00-10:30
場所:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講師:Curtis L. Smith教授(マサチューセッツ工科大学)
演題:"Computational Risk Assessment Research and Development Activities in the U.S. "
「米国におけるシミュレーションに基づくリスク評価(CRA)研究開発」
概要:確率論的信頼性評価およびリスク評価手法に関する継続的な研究は、これまで多くの工学分野において実務水準を大きく押し上げてきた。本講演では、物理に基づくモデルと確率論的定量化手法を統合することで、リスク情報に基づく意思決定を支援する次世代の信頼性・リスク評価手法およびツールを構築するための技術について概説する。
物理モデルと確率論をシミュレーションの枠組みの中で統合することにより、「シミュレーションに基づくリスク評価(Computational Risk Assessment:CRA)」と呼ばれるアプローチに基づく予測が可能となる。CRAは、今後の信頼性評価およびリスク評価手法の技術的基盤となるものである。この新たなアプローチを必要とする背景には、時間的要因(タイミングの問題)、空間的要因(位置・分布の問題)、力学的要因(物理現象の問題)、およびトポロジー的要因(複雑性の問題)が挙げられる。現象論的モデルと確率論的定量化を直接結びつけることで、パラメータおよびモデルの双方に対する高度な不確定性解析を実施することが可能となる。これらの先進的な手法およびツールは、工学的安全性およびリスク評価において現実感を高めるだけでなく、設計および運用においてリスク情報活用型の工学的フレームワークを提供するという点で、より大きな意義を持つ。
本講演では、リスク評価の背景およびリスク情報の活用を簡単に解説するとともに、米国における現在の研究開発の取り組みを紹介し、さらに将来的な応用や先進的手法・ツールの展望について議論する。
参加申込者数:116名
2.講演会概要
本講演会では、マサチューセッツ工科大学(MIT)の Curtis L. Smith 教授を講師として迎え、米国における**計算論的リスク評価(Computational Risk Assessment:CRA)**の研究開発動向について講演が行われた。 講演では、従来の確率論的リスク評価(PRA)の歴史的背景を整理した上で、近年の計算機性能の飛躍的向上や物理シミュレーション技術の進展を踏まえた、次世代のリスク評価の考え方として CRA が紹介された。 前半では、リスク評価の基本的枠組みとして「何が起こり得るか」「どの程度の頻度で起こるか」「起きた場合の影響は何か」という考え方が示され、従来の PRA が事前に定義したシナリオに基づく手法であるのに対し、CRA では事故や外乱の進展を時間・空間・物理挙動を考慮しながら動的に捉える点が特徴であることが説明された。CRA は単なる PRA の高精度化ではなく、物理モデルと確率論的評価を統合することで、より現実的なリスク理解を可能にする枠組みであることが強調された。 後半では、洪水や地震といった外部ハザードを対象としたシミュレーション事例や、時間依存的な状態変化を考慮した動的リスク評価手法が紹介された。また、炉心損傷頻度(CDF)といった従来指標に加え、対応可能時間(coping time)やトリップ頻度などの安全余裕を直接評価できる点が、設計・運用上の意思決定に有用であることが示された。 さらに、AI・機械学習の活用可能性や、解析結果の信頼性・説明性をどのように確保するかといった課題にも言及され、「計算できること」だけでなく「結果をどのように信頼し、説明するか」が重要になるとの認識が示された。これらは「トラスト・エンジニアリング(信頼の工学)」という考え方として位置づけられ、CRA の今後の発展における重要な視点として紹介された。 本講演を通じて、CRA を従来の PRA を置き換える手法としてではなく、既存手法を補完・発展させ、設計・運用・規制判断をより良く支えるための工学的枠組みとして活用していくという考え方が共有された。
3. 質疑応答(概要)質疑応答では、
・計算論的リスク評価(CRA)の規制への適用可能性
・従来の PRA と比較した不確かさの取り扱い
・CRA を設計・運用にどのように活用できるか
・解析結果の可視化やリスクコミュニケーションへの有効性
といった点に関して質問がなされ、これらについて意見交換が行われた。
本講演会は、原子力分野における最新のリスク評価手法の動向を共有するとともに、土木・防災・インフラ分野における今後のリスク評価や設計・運用の在り方を考える上で、有意義な機会となった。
写真1 オンライン(zoom)での講演会の様子
写真2 資料を用いたご講演の様子
以上
委員会からのお知らせ新着・お知らせ 添付サイズ 20260319_原子力土木委員会公開講演会実施報告.pdf727.48 KB