自然災害に対し、専門的な知見を社会に発信し、自然災害に強い国土の構築に寄与するのは土木学会の主要な活動の一つである。そのため研究委員会や支部でも従来から減災・防災に関するさまざまな活動が行われてきた。特に東日本大震災後には、企画部門内に2013年12月に「強くしなやかな社会を実現するための防災・減災等に関する研究委員会」が設置され(2015年に「強くしなやかな社会を実現するための減災・防災等に関する研究委員会」に名称変更)、国民の安全を守り安心して生活ができる『自然災害に強いしなやかな国土』の創出に貢献するために、国土・くらし・国民の立場から自然災害に強いしなやかな国土の創出について検討をしてきた。また、社会支援部門には、東日本大震災後に設置された「安全な国土への再設計支部タスクフォース」の活動を引き継ぐ形で、2015年5月に「地域レジリエンス創生委員会」が設置され、安全かつ自律的で持続的な地域を創生するための諸課題の研究、調査を行っている。
減災・防災に関する活動は、土木学会の2015年度から5年間の活動計画であるJSCE2015でも、5年間の重点課題の一番目に「震災からの復興と防災・減災のための基盤(ハード・ソフト)構築」が挙げられている。また、JSCE2015では重点課題として、「活動の有機的結合とその評価」も挙げられており、各部門および各委員会が連携してこれからの社会が求める技術サービスと社会サービスを開発し、それを顧客である市民に提供することも目標としている。
したがって、土木学会の本部や支部で行われている減災・防災に関する様々な活動の実施効果を上げるために、減災・防災に関する学会内の活動のモニタリングや調整機能を行いつつ、支部の共通的な課題や減災・防災に対する学会としての取組みも検討する常設委員会が必要と思われる。
このような背景のもと、「強くしなやかな社会を実現するための減災・防災等に関する研究委員会」の活動内容引き継ぐとともに、「地域レジリエンス創生委員会」の役割や体制の充実・拡大を行なう新たな常設委員会として、「減災・防災委員会」を社会支援部門に設置することとした。なお、本委員会の設置に伴い「強くしなやかな社会を実現するための防災・減災等に関する研究委員会」と「地域レジリエンス創生委員会」は活動を終了する。