土木学会では創立75周年(1989年11月24日)の記念事業として、三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)を受託者とする「公益信託土木学会学術交流基金」(以下、学術交流基金)を1989年1月に設立しました。
当時、日本を代表する工学系基幹学会である土木学会に対し、国内外から双方向の学術交流を期待する動きがますます活発化し、開発途上国から日本への留学生が急増するなど国際社会への新たな対応が迫られていました。このような課題に応え、学術交流の積極的な発展を図るため、種々検討した結果、恒久的な財源確保のために新たに基金を設立し、その果実をもって運営する構想が立案されました。
税制上の優遇策について文部省等と折衝し、新たな組織として土木学会を委託者とする信託法に基づく「公益信託」を設立し、会員ならびに関係諸団体から出捐金(しゅつえんきん)を募ることになりました。
1989年1月の学術交流基金設立以降、1990年度までの間に総額3億円余の寄附を受け、1990年度からは学術交流基金の果実額に見合った助成を開始しました。
学術交流基金は、土木に関する試験研究を行う者を対象に、学術交流を積極的に推進するための助成事業を行い、もってわが国はもとより世界の土木工学・土木技術の発展に寄与することを目的としており、土木に関する試験研究を行う者に対する助成金の支給等の事業を行っています。