背景と目的
道路橋梁床版の新設・維持補修についてはすでに多くの実績があり,輪荷重移動試験などにより,その耐久性について確認されている部分も多いのですが,その一方で合成床版の滞水腐食の課題は指摘されておりますし,また,既往の増厚補修工法などでは,補修後数年で再補修を検討する必要に迫られている事例も多いようです.
現在の新設・維持管理の床版の工法選定では会計検査対応から,より耐久性を期待できる工法でも,施工時点でコストアップとなる場合では採用が限られるとの話も聞かれます.とくに,床版補修の場合,数年後の損傷再発が予想される場合においても,従来工法でなければ検査が通過できないなどの問題も生じています.
すでに,道路管理においては40年を超える維持管理の実績データも蓄積されてきております.これらを用いて①採用する維持補修工法の合理的な選定方法(新たなLCC(生涯コスト)など)の評価法も望まれています.同時に,②供用中の床版の残存寿命を適切に評価 ③採用する補修工法との関係での合理的な防水層システムの選定方法の検討などを行なう予定です.これらを評価検討することでより合理的な道路橋床版の維持管理を目的とするものです.
活動期間
2009年4月から2年間を予定.(旅費,交通費は支給されません.)