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技術評価第20号-IPH工法

コンクリート構造物における
IPH工法 (内圧充填接合補強) の設計施工法

 

*クリックするとPDFファイルが開けます。

依頼者

  SGエンジニアリング株式会社

 

有効期限

  2022.3.23から2027.3.22 の5年間

 

有効期限

  初回:2017年3月23日
  更新1回目:2022年3月23日

 

概要

 
IPH工法(内圧充填接合補強)とは、経年劣化や地震などにより傷んだコンクリート構造物の「強度回復」「長寿命化」を実現する補修技術です。
 
コンクリート構造物は年数の経過とともに劣化が進みます。構造物も定期的に点検を行い、適切に補修をしていかなければ、長期的に使用することができなくなります。
その補修方法のひとつがIPH工法となります。従来の低圧樹脂注入工法とは目的が異なり、コンクリートの内部を健全化することによって、長寿命化・再劣化防止対策を目的とした注入工法です。姿かたちを変えず、壊さず、安全な補修技術として、多くの実績があります。
 
   
 
 技術評価概要_第20号 

 

技術の特長

 
従来の注入工法では、表層部のひび割れに樹脂を注入するといった雨水浸入防止を目的とした補修工法ですが、IPH工法はコンクリートの内部から健全化することを目的とした工法です。
微細なひび割れや空隙に樹脂を充填することができ、構造物の「強度回復」「長寿命化」につながります。
 
2012年には特許も取得しています。
 
▷ 特許の詳細はこちら
 
 

  IPH工法の5つのメリット 

1. 空気と樹脂の置換

注入位置を穿孔し、空気を抜き取る作用を持つ注入器(IPHカプセル)を使用し注入することで、
コンクリート内部に存在する空気を樹脂に置換することができます。

 
2. 高密度充填

注入開始時に負圧状態を生じさせ、超低圧で注入することで、注入樹脂を高密度・高深度に
かつ、ごく微細なひび割れ(計測値0.01mm)まで充填が可能となります。

 
3. 強度回復・耐久性向上

高密度に充填ができることから、部材強度及びコンクリートと鉄筋の付着強度が回復し、
耐久性の向上も期待できるため、構造物の長寿命化・再劣化対策につながります。

 

4. 鉄筋防錆・中性化抑制

注入により鉄筋に沿って樹脂が拡がり、鉄筋に対し被膜を作ることにより防錆効果を高めることができます。
また、高密度充填により、空気、ガス、水分等の劣化因子のコンクリート内部への浸入を防ぎ、
中性化や塩害、ASR(アルカリシリカ反応)などの劣化進行の抑制効果も期待できます。

 
5. 経済性の向上・環境対策

本工法の施工により、耐久性の向上が見込まれ、構造物の補修間隔を延ばすことができます。
また、劣化部分に対しては斫り落とすことなく、そのまま欠損部補修+注入を行うため、
コンクリート廃棄物が減少し、施工費や工期の低減も図れます。

 
 

実績

 

■ 平成29年度~令和3年度(5年間)の実績データ

〈件数〉橋梁:204件、トンネル:5件、ダム・砂防:7件 
    空港:5件、上下水道施設:24件 
    その他構造物:80件以上、民間物件:100件以上 
    ※報告物件のみ(小規模物件除く)

 
〈用途〉コンクリート構造物の補修・補強/漏水対策
    土木:橋梁・トンネル・ダム・堤防・擁壁
    建築:建築主要構造部・外壁・タイル浮き

 

■ 施工事例 <壊さない、安全な工法の事例>
 
・橋梁補修(欠損部補修・断面接合注入)
・トンネル補修(ひび割れ)
・木造住宅基礎(ひび割れ) 
・マンション大規模修繕(ひび割れ、外壁タイル浮き)
 

 土木学会選奨土木遺産 大宮橋(愛媛県西条市)

 
施工前
施工前 

施工中
施工後
 
大宮橋(鉄筋コンクリート開腹アーチ橋、2005年土木遺産登録)は、昭和2年(1927年)に建設され、90年以上供用されましたが、 法定点検で区分Ⅲと判定され、車両の通行も規制され、橋としての寿命を迎えつつありました。 

歴史的価値やデザイン性を往時のまま後世に残すことができるIPH工法が採用され、地域の宝となる橋の復元を行うことができました。 

地元の要望を尊重しながら、官民連帯でインフラの長寿命化を推進した物件でした。(IPH工法協会会員施工)

 
  ◇さらに詳しく・・・IPH工法×産官学連携特設サイトへ
 
施工状況(IPH工法協会会員施工)

 

 尾道 LOG(ログ)‐Lantern Onomichi Garden‐

 

梁劣化状況 
 

施工状況 
 

生まれ変わった複合施設LOG
 
広島県尾道市にある千光寺山の中腹に、1963年、鉄筋コンクリート造のアパートとして誕生した共同住宅が、尾道の新たなシンボルに生まれ変わりました。 

設計はインドの世界的な建築家ビショイ・ジェイン氏。 

内部仕上げ材の解体し、躯体を現すと柱、梁、壁、スラブのそれぞれの部位に初期欠陥が目立ち、そのままでは活用できない状態でした。
すべての部位の再生のために、IPH工法が採用されました。

敷地につながる道は階段だけで、車も進入できず、重機の搬入や廃棄物の搬出など難題ばかりの厳しい環境の中、4年半に渡る苦労の末、2018年「LOG」としてスタートしました。

 
  ◇さらに詳しく・・・「SGエンジニアリング」HPへ
 

複合施設内のカフェ

  「解体せず」「供用を妨げず」「低騒音・無振動・無粉塵」で安全に補修、予防保全を   
   おこなった日本各地の事例が他にも多数紹介されています。

   こちらからご確認ください。

 

■ 特許情報
 
○【特許 第5074118号】
  発明名称「コンクリート構造物への注入充填材の注入方法,及び注入方法 に使用する注入器」
 
○【特許 第5941585号】
  発明名称「コンクリート構造物への注入充填材の注入方法、及びその注入器」
 
○ 国土交通省新技術NETISに掲載
  掲載期間:2007年~2018年3月
  登録番号:CG-070007-V 
 
 

関連情報

 
【ウェブサイト】
  SGエンジニアリング株式会社
  一般社団法人 IPH工法協会
 
【問合せ先】 
     SGエンジニアリング株式会社
     TEL:    082-273-6954
     E-Mail: info@sge-k.com

(c)Japan Society of Civil Engineers