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依頼者
安心マンホール工法協会
有効期限
2021.6.17から2026.6.16 の5年間
評価履歴
初回:2011年6月17日 |
液状化現象によるマンホールの浮上抑制技術『安心マンホール工法(VD工法)』は、液状化によるマンホールの浮上を抑制する工法です。
ドレーン機能による過剰間隙水圧の消散と起振による周辺地盤の締固め効果によって、浮上抵抗力の増強を図ることにより、マンホールの浮上を抑制します。
1995年兵庫県南部地震以降、マンホール浮上が非常に顕著であり、2011年3月の東日本大震災では、千葉県浦安市のマンホールが最大1.7m浮上し、震災から2週間を過ぎても下水道の復旧の見通しが立ちませんでした。
マンホールの浮上は、地震時の緊急車両の通行を阻害し、救急救命活動に影響を与えると共に、トイレや風呂などが利用できなくなります。そのため、水分を制限することによるエコノミー症候群の発症も過去の地震で報告されています。
地震後にも交通の支障とならず、下水道機能を確保するためには、マンホールの浮上を抑制する技術が必要不可欠でした。
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『安心マンホール工法(VD 工法)』は、ドレーン機能と起振効果により液状化現象によるマンホールの浮上を抑制するシステムです。
主な構造は、ドレーン機能を発揮させるための過剰間隙水圧消散装置と起振効果を発揮させるための起振機から構成されています。
前者は、φ100㎜のろ過器とφ40㎜の誘導管で構成されています。また後者については、新たに開発した起振機をマンホール内部に固定し、マンホール躯体を振動させて周辺地盤を締固めることにより浮上抵抗力を増強させることが意図されています。
消散装置は、常時においては誘導管を周辺地盤の地下水位より上まで立ち上げておき、地震時には、過剰間隙水の上昇分が、マンホール底版の砕石基礎および下水汚泥焼却灰を固めた材料を混合したろ過材(メサライト)を充填させたろ過器・誘導管を通じてマンホール内に排出される仕組みとなっています。
1. 非開削
地下水や土砂を引き込むことなく、マンホール内からマンホール底部を削孔し、ろ過器の設置が可能です。
2. メンテナンスフリー
液状化により発生する浮力に対して、マンホールの底部から水を取り込むことにより、最も効率よく過剰間隙水圧を抑制します。
3. 起振による地盤改良
マンホール本体を振動させ周辺地盤を締め固めることにより地盤改良を図ります。
(1) 底部削孔工1(7インチコアカッター)ろ過器設置の位置を決め、7インチのコアカッターでマンホール底まで削孔し、コアを除去する。 |
(2) さや管設置5インチのコアカッターを鞘管内に挿入し、延長ロットを接続して地上まで立ち上げる。 鞘管内に地下水位よりも高くなるよう水を注入する(漏水が無いこと)。 |
(3) 底部削孔工2(5インチコアカッター)予め支柱部分の目盛りにより削孔深さを確認する。削孔後、コアを除去する。 |
(4) ろ過器設置延長ロットにろ過器を接続しマンホール底版下の基礎砕石上部まで圧入する。 |
(5) 起振クレーンで起振機を吊り下げ人孔の側壁部に固定する。
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(6) 空洞充填側壁に均等に4箇所削孔。木栓パッカーを建て込み水平方向2段階で注入。 |
(7) 仕上げインバート部分に塩ビ蓋を設置し、誘導管を側壁なりに立上げ、止め金具で固定する。 |
対象人孔:円形、矩形とも1号から5号人孔相当(内径900~2250mm)まで
人孔深10m以下
■ 2024年3月までの実績
【特願2005-207057】既設マンホールの耐震補強方法とその装置
【特願2008-110906】既設小規模の地下構造物の周囲地盤の強化方法
【特願2006-122615】低強度人工軽量ろ過材を用いた耐震構造のマンホールおよび誘導経路部材
【特願2011-119574】過剰間隙水排水構造の構成方法、過剰間隙水排水構造及び濾過器