依頼者
ゼン技研株式会社
有効期限
2021.3.31から2026.3.30 の5年間
評価履歴
初回:2021年3月31日 |
「ゼスロック」とは、場所打ちコンクリート杭/鉄筋かご組立て用の“ねじ締付け型”「ねじれ防止構造」の無溶接金具です。
平成7年1月阪神淡路大震災、平成24年3月東北地方太平洋沖地震、平成28年4月熊本地震による道路橋の被災で起こった鉄筋コンクリート構造物破壊の原因として、鉄筋結合部の溶接時の過熱および断面欠損(溶接熱溶解)が挙げられました。
土木構造物において、道路橋示方書/日本道路協会は平成24年、平成29年に「橋、高架の道路等の技術基準」の改訂で、場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの組立て上の形状保持などのために溶接を用いてはならないことが規定されました。
ゼスロックの研究開発は、このような歴史的背景の中で行なわれており、土木構造物、建築構造物において、無溶接工法を採用する事例が増えてきています。
鉄筋組立状況1
鉄筋組立状況2
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ゼスロックは、場所打ちコンクリート杭・連続地中壁/鉄筋かご組立て用の”ねじ締付け型”機械継手の無溶接金具です。
場所打ちコンクリート杭に用いる鉄筋かごの施工中(製造、運搬、建込み時)には、様々な荷重状態となり、鉄筋かごにねじれ、曲がり、座屈、脱落などによる変形が生じるリスクがあり、形状保持のために軸方向鉄筋と補強リング等の格点を堅固に結合する必要があります。
従来はこの格点の固定には溶接工法が用いられていましたが、溶接は施工者の技量により品質にばらつきがあること、またコンクリート杭に地震力が作用した場合に必要とされる、構造用鋼材の伸び性能への悪影響が懸念されていました。
無溶接金具(ゼスロック)は、鉄筋を抱え込むプレートと2本のUボルトを用いることで、格点部に溶接工法と同等な強度と剛性をもたせ、施工中の様々な荷重状態においても鉄筋かごの変形防止を可能とする固定方法です。
また、固定はUボルトにナットを締め付ける簡単な作業であり、作業実施者の技量によらず、トルク法による管理(図1参照)を行うことで、確実に品質確保が可能です。
さらにUボルトにゼスナーねじ(スピードねじ)(図2参照)を使用することで施工性も向上させています。
固定方法
固定時
図1. ゼスナーUボルトの締結状況
図2. ねじ山の比較
ゼスロックのゼスナーねじはねじ山が大きく円形なので、ねじ組立の作業が3~5倍スピードアップします。
鉄筋かご組立の時間短縮・スピード化が可能です。
広範囲なサイズの鉄筋に対応し、従来工法と同等以上の強度で固定できる無溶接金具(プレートとUボルトで緊結)であるため、施工中の様々な変形防止を可能とします。
鉄筋かごを剛性堅固にするため、ねじの締付け方法はトルク法管理に準拠しており、品質確保・安定化が可能です。
鉄筋溶接熱溶解による断面欠損はありません。
対象材料 | 仕 様 |
軸方向鉄筋 | 鉄筋 : D22~D51 |
鋼管補強材 |
帯鉄筋:D13~D32 平板 :FB50~75 L型鋼 : L50~75 |
※対象材料の材質については、JIS規格品(または相当品)とする。
■ 2021年4月 ~ 2024年9月 の実績データ
〈件数〉419 件
〈用途〉場所打ち杭