新しい内部充てん型エポキシ樹脂被覆PC鋼より線
「ECFストランド」

概要

近年、鉄筋やPC鋼材の腐食により、コンクリート構造物の耐久性が損なわれるケースがあり、防食性の高いPC鋼材が要求されています。

そこで強度および伸び特性に優れた特殊なエポキシ樹脂を、PC鋼より線の表面に被覆し、各素線間の隙間部に充てんすることで、優れた防食性・耐久性を有するECFストランドを開発しました。
1990年代より、橋梁、斜面安定アンカーなど、社会インフラを支える幅広い分野にECFストランドが採用されています。

ECFストランドには、コンクリートとの付着が確保できる「付着型」や表面が平滑な「標準型」のほか、ポリエチレンを被覆した重防食の「PE被覆型」があり、用途に応じて使い分けられています。

* PC：プレストレストコンクリートの略。鋼材を用いてコンクリートに「予め（Pre）」「圧縮力を与える（Stressed）」ことで、耐荷性能と耐久性を飛躍的に高めたコンクリート部材。PCに用いる鋼材としては、鋼棒や鋼線、鋼より線などがある。

　

 技術評価概要_第19号 

技術の特長　　　　　　　　　　　　　

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PC鋼材は、プレストレストコンクリート構造の命綱とも言えます。
そのPC鋼材の防食性・耐久性を向上させ、各種コンクリート構造物の耐久性、信頼性の向上を実現したものがECFストランドです。

 

 ECFストランドの特長

ECFストランドの種類

2022年に技術評価を更新した「新しいECFストランド」は、太径や細径などのラインナップの拡充、⾼強度化、低リラクセーション化の実現が⼤きな特徴です。

新製品は、塩害や凍害対策などにおけるPC構造物の⾼耐久化、構造物の設計⾃由度の向上等のニーズに応えるために開発されました。

  「ECFストランド」の６つのメリット　

1. 施工・維持管理の省力化・省人化が可能

2. 急速施工への対応が可能

3. 使用材料減による環境負荷の低減が可能
（消費エネルギー, 製造・輸送時のCO2, SOX, NOXの削減）

4. 軽量・スレンダーかつ強靱なPC構造物の実現が可能

5 .ケーブル配置の自由度の向上

6. ケーブル本数を低減できるため、補修・補強工事の狭隘なスペースに配置可能

実績

■ 2005年1月 ～ 2024年5月 の実績データ

〈件数〉353件

〈用途〉桁内外ケーブル、塩害地域の内ケーブル・外ケーブル、⾼耐久性プレテンションケーブル
　　　　プレキャスト部材接合⾯でシースが連続しない構造の内ケーブル
　　　　斜張橋、エクストラドーズド橋の斜材、PC海洋構造物、グラウンドアンカー

■ 特許他情報

○ 国土交通省 新技術情報提供システム（NETIS）

　　　登録番号：TH-120019-VE (旧登録)　＜住友電気工業（株）＞　
　　　　　　　 「内部充てん型エポキシ樹脂被覆PC鋼より線(ECFストランド)」

　　　登録番号：TH-130006-VR（旧登録）　＜神鋼鋼線工業（株）＞　
　　　　　　　 「ECFストランド(高耐久性エポキシ樹脂被覆PCケーブル)」　

○ 沿岸技術研究センター評価証 第16006号

関連情報