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海洋開発委員会のご紹介

2026年7月

海洋開発委員会委員長 岡田知也


海洋開発委員会は、1969年の設置以来、「土木工学の進展と社会の発展に寄与することを目的として、海洋の開発・保全に関する調査・研究を実施し、その成果を社会に普及する」ことを使命として活動を続けてまいりました。この間、半世紀を超える長きにわたり、海洋開発に携わる土木技術者・研究者の専門家集団として、学術と実務の両面から我が国の海洋開発分野の発展に貢献し、社会からの信頼と評価を積み重ねてまいりました。
我が国は四方を海に囲まれ、その恩恵を受けながら発展してきました。一方で、海洋から港湾・海岸をはじめとする沿岸域に至る幅広い水域における課題は年々多様化・複雑化しています。気候変動に伴う災害の激甚化への対応をはじめ、カーボンニュートラルの実現、洋上風力発電の導入・展開、ネイチャーポジティブに向けた豊かな生物生息環境の保全・再生・創出、海洋デジタルツインの活用、さらには沿岸域を活用した地域創生の推進など、多様かつ複雑な課題への対応が求められています。そのため、土木工学における横断的な知見はもとより、自然科学や社会科学を含めた多様な学術分野との連携による学際的な取組がますます重要となっています。
本委員会では、こうした社会的要請に応えるべく、「海洋の開発・保全に関する技術情報」および「海洋の開発・保全に関連する技術情報」の発信に努めています。その中心的な活動として、土木学会論文集「特集号(海洋開発)」を発刊するとともに、海洋開発シンポジウムを毎年開催し、研究成果や技術的知見の共有、活発な議論の場を提供しています。
また、近年では実務や現場で培われた有益な知見を広く共有し、後世へ継承していくことの重要性に鑑み、2022年より「報告」の投稿区分を新たに設けました。さらに、海洋開発分野における研究活動の一層の発展を目指し、2023年には「海洋開発優秀論文賞・論文奨励賞」を創設し、優れた研究成果や将来を担う若手研究者の顕彰にも取り組んでいます。
海洋開発シンポジウムでは、社会の関心や時代の要請を的確に捉えた特別セッションや企画討論会を実施し、新たな課題や将来展望について議論する機会を創出してまいりました。このような活動を通じて、本委員会は学術、技術、そして実務を結ぶ架け橋としての役割を果たし続けています。
今後も海洋から沿岸域までを取り巻く環境は大きく変化していくことが予想されます。本委員会は、設立以来培ってきた産学官のネットワークと専門的知見を活かし、海洋から港湾・海岸等の沿岸域に至る広範な領域において、その持続的な利用と保全、そして豊かな社会の実現に向けて活動を推進してまいります。
皆様におかれましては、本委員会の活動に引き続きご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

(c)Japan Society of Civil Engineers