公益社団法人土木学会(会長 田中 茂義)の土木計画学研究委員会は2022年度より「国土強靱化定量的脆弱性評価委員会(小委員長:藤井聡)」という土木計画学研究委員会内の小委員会を設置しています。
この小委員会は、首都直下地震や三大港湾の巨大高潮、全国の河川における巨大洪水が生じた場合にどれだけの経済被害を受けるのかを推計する(こういう評価を「脆弱性評価」と呼称します)と同時に、
それらに対する防災インフラ投資がどれほどの減災効果を持つのかを、最新のデータと技術を用いて「定量的」に評価・推計する研究を進めました。
本小委員会の評価は、東京湾巨大高潮で約110兆円、首都直下地震で約800兆円等の被害推計値を公表した2018年に土木学会・平成29年度会⻑特別委員会レジリエンス確保に関する技術検討委員会(委員長:中村英夫)が公表した
「「国難」をもたらす 巨大災害対策についての 技術検討報告書」での評価技術を基本としたものです。
それを基本としつつ、最新データや最新技術を活用し、改めて、首都直下地震や巨大高潮、巨大洪水について再計算を行ったものです。
それと同時に、2018年当時十分に評価していなかった「財政収支に及ぼす被害」を改めて包括的に推計したのが今回の大きな特徴となっています。
このたび、本年度に取りまとめた首都直下地震、巨大高潮、巨大洪水の脆弱性評価結果を取りまとめた第一弾の報告書(南海トラフ地震の脆弱性評価を除いた「中間とりまとめ」)を、公表いたします。