公益社団法人土木学会(会長 上田多門)は、2023年1月29日(日)に日本建設業連合会、日本科学未来館のご協力のもと、「未来の土木コンテスト2022」の最終選考会・表彰式を日本科学未来館(東京・お台場)において開催いたしました。
最終選考会では、未来プランナーと土木エンジニアにより結成された5チームが技術検討の成果をプレゼンテーションし、選考委員との熱心な質疑応答がなされました。
厳正なる選考の結果、最優秀賞に「シン・防災センター(憩いの場所←→最新防災拠点)」を提案した川戸亮輔さん(周南市立周陽小学校6年生)と池松建治さん(鹿島建設)を土木エンジニアチームリーダーとするチーム川戸が選ばれました。
【アーカイブ動画を土木学会tvにて公開中】
最優秀賞 | |
シン・防災センター(憩いの場所←→最新防災拠点) | |
チーム川戸 未来プランナー:川戸亮輔さん(周南市立周陽小学校6年生) 土木エンジニア:池松建治さん(鹿島建設)、福本正さん(西松建設)、小島文寛さん(東急建設)、田中卓也さん(東急建設)、塚原悌信さん(大成建設)、石井雅子さん(鹿島建設)、鎌田美佳さん(東急建設) |
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優秀賞 | |
海に浮かぶALL JAPAN島 | |
チーム阿部 未来プランナー:阿部里桜さん(千葉大学教育学部附属小学校4年生) 土木エンジニア:今石尚さん(大成建設)、佐藤郁さん(五洋建設)、若杉洋一さん(五洋建設)、北澤剛さん(前田建設工業)、杉浦伸哉さん(大林組)、後閑淳司さん(鹿島建設)、和田卓也さん(鹿島建設)、一藤雪乃さん(戸田建設)、小森葵さん(三井住友建設) |
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優秀賞 | |
かんきょうはかいから みんなをまもる都市 | |
チーム俵 |
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優秀賞 | |
ごみが出ないまち | |
チーム坂本 未来プランナー:坂本爽唄さん(静岡市立長田北小学校3年生) 土木エンジニア:帷子幸一さん(大豊建設)、石山宏二さん(西松建設)、永山智之さん(西松建設)、大原英史さん(熊谷組)、田島美裕さん(大豊建設)、佐藤有さん(清水建設)、水谷真琴さん(熊谷組) |
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優秀賞 | |
すべてが循環する街 | |
チーム井本 未来プランナー:井本結さん(恵那市立大井小学校6年生) 土木エンジニア:山本彰さん(大林組)、渋谷翔さん(フジタ)、西澤彩さん(大林組)、髙森万貴さん(大林組)、小松原大さん(鴻池組)、小河篤史さん(奥村組)、大木智明さん(清水建設)、藤井豊さん(戸田建設)、守屋雅之さん(大成建設)、藤本直昭さん(フジタ) |
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facebookいいね!賞、入選 | 入選 | 入選 | ||||
さいがいからまもるタワービルと空とぶのりものの未来の町 | 地球にやさしい涼しい世界 | 温暖化効果ガスが減っても工場が動いて交通事故もない街 | ||||
小田川悠成さん(三重大学教育学部附属小学校2年生) | 辻一樹さん(名古屋市立東白壁小学校4年生) | 山下拓己さん(中央区立久松小学校4年生) | ||||
※左から、山下拓己さん、小田川悠成さん、辻一樹さん |
■日時:2023年1月29日(日)13:15~15:35
13:15 開会(日本科学未来館7階未来館ホール)
13:15~13:20 開会挨拶・・・・・・・高橋良和(京都大学教授、未来の土木コンテスト準備委員会委員長)
13:20~13:25 最終選考委員紹介・・・・・・・松永昭吾(株式会社インフラ・ラボ代表取締役、噂の土木応援チーム デミーとマツ 主宰 未来の土木コンテスト選考委員会委員長)
13:25~13:30 最終選考会の進め方の説明
13:30~14:30 プレゼンテーション(7分)&質疑(5分) 12分×5チーム=60分
チーム阿部、チーム俵、チーム川戸、チーム坂本、チーム井本
14:30~15:05 休憩(未来プランナーは未来館を見学)
15:05~15:20 選考結果の発表と講評・・・・・・・松永昭吾(株式会社インフラ・ラボ代表取締役、噂の土木応援チーム デミーとマツ 主宰 未来の土木コンテスト選考委員会委員長)
15:20~15:30 表彰式・・・・・・・プレゼンター:遠藤萌花(前回2017年度最優秀賞受賞)
15:30~15:35 閉会挨拶・・・・・・・塚田幸広(土木学会専務理事)
15:35~16:00 写真撮影
■会場:日本科学未来館7階 未来館ホール(東京都江東区青海2-3-6)
■未来の土木コンテスト選考委員会:
委員長/松永昭吾 (株式会社インフラ・ラボ代表取締役、噂の土木応援チーム デミーとマツ 主宰)
委 員/高木啓伸 (日本科学未来館 副館長)
委 員/内田まほろ(JR東日本文化創造財団 高輪ゲートウェイシティ(仮)文化創造棟準備室長)
委 員/小林千佳 (新宿南エネルギーサービス(株)代表取締役、土木技術者女性の会 東日本支部 副支部長)
委 員/井上和真 (群馬工業高等専門学校 准教授、未来の土木コンテスト準備委員会 幹事)
未来の土木コンテスト選考委員からのコメント | |
高木委員 | 未来プランナーの皆さん、土木エンジニアの皆さん、コンテストへの参加、大変お疲れ様でした。そして、各賞の受賞、誠におめでとうございます。 今回のコンテストを通して、改めて「未来を想像すること」のパワーを感じました。特に、そこに暮らす人々の「ストーリー(物語)」を思い描くことの大切さです。チーム阿部は、さまざまな文化が共存する国への「旅行」をテーマにしていました。チーム川戸は、災害が起きた時の対応を迫真の演技でストーリー仕立てで見せてくれました。チーム俵の地下遊園地、チーム坂本のごみひろいロボット達、チーム井本の水車や風車のある風景も、ストーリーを通して私たちに未来を想像させてくれました。 未来クリエイターの皆さんは、これからの人生で色々な場面に遭遇すると思います。高い壁に直面することもあるはずです。しかし、今回のコンテストで皆さんが経験した、未来に暮らす人たちに思いを馳せたこの取り組みは、皆さん自身の未来を創造する原動力になってくれると思います。私たち一人ひとりがどのように行動すればより良い未来になるのか、想像する気持ちを忘れないでください。 土木エンジニアの方々は、今回の取り組みを通して、改めて未来を思い描く大切さを思い出した方もいるかもしれません。彼らから受けた刺激をぜひそれぞれの現場にも持ち帰り、仲間にも共有していただきたいと思います。 日本科学未来館は、あらゆる方が未来を想像し、体験し、実現する場となるため、さまざまな活動を行っています。これからも一緒に未来を思い描く気持ちを広げていきましょう。 |
小林委員 | 当初、小学生が描いた未来の街の絵の実現に向けて土木技術者が検討するコンテスト、と勘違いしておりました。小学生というより立派な「未来プランナー」は、これまで経験し見聞きしたことをベースに「こうなったらよいな」という未来のまちの姿を、人々が幸せに暮らすための様々なアイデアを織り込みつつしっかりとプラニングして絵を描きました。プロのエンジニアは未来プランナーの意を汲むべく幾度も議論を重ね、専門技術を生かしワンチームで未来のまちをつくり上げました。どの作品も環境性・利便性・防災・楽しみなどのコンセプトがしっかり練られたうえで、それらを実現するための最新技術を用いた施設計画・構造検討・施工検討などが加えられ、チームの熱い思いが伝わる素晴らしい未来のまちとなりました。未来プランナー達がエンジニアとの触れ合いを通じ「土木とは夢を叶えてくれる技術」と目を輝かせていたのが印象的です。このコンテストを通じて、未来への明るい兆しを感じました。一人でも多くの方にこのイベントを知って頂き、土木の魅力を感じて頂けたらと思います。 |
井上委員 | 未来プランナー(小学生)により描かれたアイディアには,単なる夢物語ではなく、多発する自然災害、地球温暖化やゴミ問題などの現代の社会問題と向き合ったものが多いことが特徴的であり,その社会問題の解決を目指すアイディアから未来プランナーの優しさ・視野の広さを感じました。また,小学校の教育現場において、SDGsに関する教育が進んでいることを実感したとともに、未来プランナーの日々の勉強成果が表れているとも感じました。 最終選考会当日の各チームのプレゼンテーションも、ストーリー性に富んでおり、没入感のある素晴らしい内容でした。特に、最優秀賞を受賞した川戸亮輔君(チーム川戸)の提案は、平常時(憩いの場)と緊急時(最新防災拠点)の切り替えの発想に感服しました。そして、未来プランナーのアイディアを実現に向けて形作る土木エンジニア(日建連のみなさま)の技術力・創造力の卓越も改めて感じた次第です。 最後に、応募していただいた未来プランナー、ご協力いただいた日本科学未来館、日本建設業連合会の方々のご尽力もあり、無事に未来の土木コンテスト2022を開催することが出来ました。未来の土木コンテスト準備委員会幹事として、多く厚く御礼申し上げます。 |