この数年、CALSやEC、EDIなど、情報技術をベースとしたBPR活動が活発となってきている反面、この中に含まれる個々の技術の有効性や可能性、それに全体としての位置づけなどが解りにくくなってきている。また、このようなBPRを実現するための情報交換インフラとしてインターネットの利用が定着しつつあるが、イントラネットやエクストラネットなどといった新たな概念が提案されてきていて、その全体像を理解することは容易ではない。そこで、我々土木技術者がこのような状況を的確に把握し、業務に対応する事が大変重要であると考え、これらの情報技術の現状や有効性を調査し、土木分野の中での利用方法を体系的に整理した指針を提案するための小委員会を設立すべきと考えた。
以上の主旨に沿って、土木分野に重要と考えられる情報技術を概念的に捉えると下図のようになる。すなわち、①インターネットなどの情報インフラによる情報交換に関わる技術と、②そこで交換される情報の標準化に関わる技術に大きく分けて考えられる。ここでは前者を「情報交換技術」、後者を「情報標準技術」と表現するが、この両者が協調し、情報の共有化を実現することにより、目前に迫った21世紀における土木社会の在るべき情報化の姿を考えることは非常に重要と考え、以上の二つを新小委員会の研究テーマとすることとした。